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〈broooock side〉
朝、、、
目が覚めると太陽がすでに顔を出している。
重たい瞼をこじ開けてはインターホンの音で嫌々布団から身を出す。
br 「ん”〜〜」
ーーーぶるーく?おはよ
br 「ぉはよ”」
寝起きで掠れた僕の声とは別に、コロッという擬音がよく似合う心地よく眩しい声が聞こえる
ーーーどうせ今起きたんでしょ笑
ーーー早く準備しておりてきて
br 「うんー」
目をこすりながら肌で水温を感じ、視界がはっきりとする。
はぁ、やっぱりこうなんだよ
ガチャッ
br 「お待たせよーん」
kn 「いつもの事だろ。はいこれ、傘ね」
br 「んもぉ、なんで晴れてるのに傘持ってかなきゃなんだよ」
kn 「仕方ないだろ?学校付近になるといっつも雨が降るんだから」
きんときも僕もそれなりに自宅は学校から離れた位置にあるけれど、いつも不思議に思う。
なんで学校の周りだけが雨なのだろう
世界から見た学校は厚い雲に覆われていて、梅雨の時期をしつこく長引かせていた。
しかし学校から見た世界もまた厚い雲に覆われていて、梅雨の時期を共に寄り添うかのように見えてしまう。
でも実際は学校にだけ。
この変な現象が始まったのは去年のこと。
でも傘をささずに登校する生徒も稀に見る。そういう人に限って家が近かったり、車登校だったり、全く羨ましいものだ。
kn 「噂、広まってるかな」
br 「あー」
そういえばそうだった。
昨日みんなでネットを使って噂を流した。それがきりやんの力になるからと、、、
br 「噂流すだけでいいなんて、きりやんも不思議なこと言うよね」
kn 「、、、。
ぶるーくはきりやんのことどう思ってる?」
br 「どういうこと?」
kn 「昨日見た不思議な出来事だよ。あんなのアニメの世界でしかあり得ないだろ」
br 「んー、今日の放課後に詳しく話すって言ってたし僕らであれこれ想像を膨らませるのはちがうとは思うけど」
br 「、、、でも最近、僕らでは共感できてもクラスのみんなや学校全体として変だってなるようなことが多いみたいでさ」
br 「それと今回のことは少なからず関係性がある気がするんだよね」
kn 「だいぶ抽象的だけど、それを繋げるのがきりやん的な?」
br 「あくまで僕の考えだけどね」
僕ときんときは肩をぶつけ合いながら歩いていると雲は憂鬱な気持ちを抑えきれないかのように雨として姿をみせて、二つの傘を並べて再び歩き始めた。
br 「あ。きんときごめん」
kn 「なに?」
br 「教科書忘れた」
kn 「またかよー、授業前に借りに来てね」
br 「あ、でも今日スマイルが専攻してる授業あるんだよね」
kn 「俺持ってるよ?」
br 「え、なんで」
kn 「だから俺だけに借りにおいで」
br 「きんさんっ!!!
僕のこと大好きじゃん」
kn 「スマイルに迷惑かかるの防いでるだけだすー」
そうやって言いながら僕のことをぼかっと殴るけど、それが嘘なのは僕知ってるんだからね?
なんて言ったらもっと怒るだろうから言わない
クラスの違う彼に会うために教科書を持ってきていないことも言わない。
多分きんときも気づいてるし、それでもわざとそうやって貸してくれるのは期待していいってことなんだよね?
br 「ねぇ、きんとき」
kn 「ん?」
眉を上げて僕の瞳を覗くように首を傾げるその仕草。この優しい花を他の女に取られないように僕の中に留めておきたいけれど、そう簡単に捕まえてはいけないのもわかってる
br 「古典も貸してくれない?」
kn 「もうなんでも貸すからとりあえず来い」
br 「ふへへ」
だから今日も教科書を借りに行く。
…………………………………………………*
〈smile side〉
いつもよりも静かな放課後の空き教室。
みんなが聞きたいのはたったひとりの話。
彼以外が集まっても特に雑談を交わすことなく、少し緊張の混ざったような空気が漂う
ガラガラッ
kr 「あ、ごめんみんなもう集まってたんだ」
kr 「よいしょっと、ほらお菓子食べよーぜ」
kr 「、、、、そんな身構えんなよ」
そうやって彼は笑みをこぼし気まずそうにするが正直、そんないつものように菓子を片手に聞くような内容じゃないと思う
nk 「俺は結構真剣に向き合いたいから、いつもの雰囲気みたいにはいけないと思うんだけど。」
どうやら彼も俺と同意見のようだ。
kr 「まあ、それもそうだね。じゃあ早速だけど本題に入ろうか」
kr 「この学園には怪異がうろついてる。怪異の種類は主に二つあるっていう話は前にしたね?」
kr 「今回みんなに噂を流すのをお願いしたんだけど、これが一番効果があるし手っ取り早いんだよね」
kn 「目には目を、歯には歯を、」
sm 「噂には噂を、ってことか。」
kr 「そう。きっとこれからも怪異の被害は続くだろうから協力して欲しいだ」
br 「それって、僕らは噂を流すだけでいいの?」
kr 「基本はそうなるかな」
nk 「そもそも何できりやんは遠回りなことしてんの?」
sh 「遠回り?」
nk 「だって危害を加えてくる奴らなら、俺らで噂をいじるよりもきりやんが祓ったほうが根っこから解決できるくない?」
kn 「言われてみれば、、、」
sh 「たしかに、、。」
nk 「俺、イマイチきりやんの目的がわかんないや」
kr 「まー、そこがちょっと複雑になるんだけど、、、、」
kr 「最終的目標は七不思議の長を殺すつもりなんだ」
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