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すの短編

19 - 太陽は見ている ❤️💚

♥

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2025年03月17日

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舘さんは、ずっと翔太に気持ちがあるんだと思っていた。幼稚園のゆり組のエピソードは俺も大好きだし、二人がもし愛し合っているならファン目線から見ても素敵だなと思う。


しかし、舘さんとのラジオ収録の帰り、俺は唐突に舘さんに想いを告げられた。



❤️「阿部のことが好きです。俺と付き合ってくれませんか?」



初めは断っていたが、それ以来、俺は舘さんのことが気になるようになってしまった。


普段は控えめで、物腰が柔らかいのに、朝の番組の様子から、年上の人といると実は意外と子供っぽかったり、甘えん坊だったりするのを知った。また、別の機会に、 自分の想いを言葉にするのが苦手で、それでも一番近しい人には自分のことを解ってもらいたがっている寂しがりやの一面も知った。


誘われて二人で飲みに行った時に、俺は興味本位で翔太のことをどう思っているのか聞いてみた。



❤️「翔太は兄弟みたいなもんだからね。そういう対象として考えたことは一度もないよ」



ファンの人には悪いけど、とやんわりと断る舘さんを見て優しい人だなと思った。

ファンの期待とともに、俺のゆり組への幻想も崩れたけど、舘さんの言葉はいつも柔らかくて、ひとつひとつにきちんと重みと意味があって、俺の心に心地よく沈殿していく。





何度かデートを重ね、俺の気持ちが固まった頃、初めて舘さんの家に招待された。



💚「わあ、これが噂の…」


❤️「ダテ・ド・ボヌールへようこそ」


出演したバラエティ番組の真似をしてみせ、舘さんは渾身のイタリアンを振舞ってくれた。


今はパスタに凝ってるらしい。

前菜からメイン、パスタ、そして手作りのドルチェまで。家にいながらにして俺はフルコースを堪能し、ほど良くワインが回ったところで舘さんにもう一度、好きです、と言われた。


この日まで何度二人で会っても、馴れ馴れしい態度は一切なかったし、さりげない気遣いもスマートで、まるでお姫様のような扱いを受けていたから、照れながらも悪い気はしなかった。

俺は舘さんに、よろしくお願いします、と答えた。

その返事を聞いた舘さんの、少年ぽさを残した、はにかんだ顔にときめき、ああ、こんなふうに始まる恋もあるんだなあと思った。






3月もあと二週間で終わる。


花粉症で辛い季節だけど、それでもどうしても出掛けたくて、二人でマスクとサングラスを掛けて咲き始めた桜の花を見に行った。


河原で舘さん特製のサンドウィッチをつまみながら、俺が淹れてきたハーブティーを二人で飲む。


午後の気持ちいい陽射しが、きらきらと水面を照らしている。少し肌寒かったけど、いい気分転換になった。



そしてその夜、初めて俺たちは結ばれた。



朝方に目を覚まして、常夜灯の灯りの下の舘さんの無垢な寝顔を見ていたら、愛しい気持ちが溢れてそっと唇にキスをした。





デビュー前に二人で見に行った初日の出を思い出す。


海岸線から上る力強い朝日の美しさ。

あの時は友達で、仲間だった。そして今、舘さんは俺の大切な人だ。


ベッドを抜け出して、高いマンションの窓から都会の朝日を目を細めて眺める。


ビル群から力強く上がってくる太陽。

どこにいても、俺たちを優しく温かく見守ってくれている。


これからも順調に、恋も友情も続いていきますように。



舘さんの俺を呼ぶ声がして、俺はベッドルームへと戻った。





おわり。

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