中篇『後悔から始まる恋』のアフターストーリーです。
💙「れんっ、すき、すき、すきぃっ」
どこからそんな可愛らしさを発揮するのか、愛しさに溺れて、俺は立ったまま翔太を抱きかかえて、深く挿入を繰り返した。
白く細い軀が、快感とともにしなる。
薄明かりの中でピンク色に染まっていく耳も、指に絡まる髪の毛一本一本すらも、全部全部愛おしくて、俺は果てた後も離れがたく、肩にキスを落としていた。
💙「あんっ……っ」
俺のものが、落ち着いて、翔太の中から抜けた。ベッドに座らせ、唇を重ねる。
舌が絡み合い、もっともっとと俺を求める。
二人でいると、ついつい時間を忘れて愛し合い続けてしまい、さっき夜明けが来たと思ったばかりなのに、時計の針は朝の8時を指していた。
🖤「仕事、行かないと…」
💙「やだ……離れないで…蓮っ」
翔太が俺にしがみつく。
自分だって仕事があるくせに、片時も離れたがらなくて、嬉しいけど、困る。
俺たちは最近、岩本くんにも心配されている。
💛『プライベートなことにあまり口を挟みたくないけど、振り付けくらいちゃんと入れて来い』
初の大事なスタジアムライブが近いというのに、気が抜けているぞとメンバーも呆れ顔だ。
🖤「また、夜に会えるから」
💙「んっ…んっ…寂しい」
こんな翔太を、誰が想像できただろうか?
舘さんと別れてから、翔太は極度の不安症になって、セックスにも依存気味だった。
抱かれていないと愛されている実感が持てないのだと泣く。
あまり続くのも体力的にきついし、かといってすげなくするのも心が痛むしで、贅沢な悩みといえばそうなのだが、俺は少し困ったなと感じていた。
小さな子供をあやすように、翔太にシャワーを浴びさせ、支度を手伝いながら、自分も支度を済ませた。
💚「そう。翔太、今そんななんだ」
舘さんの恋人である阿部ちゃんと、撮影の合間に電話で話した。
💚「どちらかと言うと、気が強いタイプだと思ってたのに」
🖤「逆。気が弱いから、強いふりしてるんだよ。みんなの前では」
阿部ちゃんには翔太が舘さんとそういう関係であったことは話していない。だから、阿部ちゃんはメンバーとしての翔太しか知らない。
同じような目線で相談できる相手が、俺には阿部ちゃんしかいないから、こうして時々話を聞いてもらっている。
🖤「ごめんね。俺ばっかり話して。そっちは?順調?」
💚「うん。お互い忙しいけど、仲良くやってるよ。強いて言えば…」
🖤「ん?」
💚「もう少し、涼太も我儘でもいいのにって思うくらいかな」
舘さんはいつも阿部ちゃんに合わせてくれるのだという。そのたびに何かしてあげたくなるのだそうだ。延々と続く贈り物みたい、と阿部ちゃんは笑った。
🖤「ちゃんとお返ししてあげなね」
💚「もちろん。恋愛も根本は思いやりだから」
阿部ちゃんらしい考え方に、頬が少し緩んだ。
🖤「あ。呼ばれたからまたね」
💚「うん、また」
家に帰ると、翔太は寝ていた。
目元に涙の跡があり、ベッドにはあちこちに道具が散らばっていて、一人遊びの痕跡が残っている。帰りを待たせすぎてしまった時は大抵こうなる。
こんなに俺に溺れているのに、仕事は休まずこなしているのだから、その頑張りには本当に舌を巻く。
岩本くんに言われたダンスの振り付けだって、ほとんどは俺がミスしていただけだ。
🖤「翔太、起きて。風邪引くから」
裸同然の格好で寝ているのを優しくゆすって起こす。
目を覚ますと、すぐに抱きついて来た。
💙「蓮、遅い………」
どこか壊れてしまった翔太を、俺は全力で守りたい。俺は翔太を包み込むように抱き、これからまた二人の長い夜が始まる。
おわり。
コメント
8件
なんか珍しい一面のしょっぴーだ🫣🫣
こういうしょぴも良いね いつか長編できるのを待ってます💙
病んでんねん、しょぴ💙 いつか長編に出来るかな……。