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小説で一撃。ラスコメでクリティカル貰うのは最早お約束の域
脱字誤字その他もろもろ 酷いかもしれない(;_;)
橙桃
キス描写・深いキス描写
完璧な不穏
黄桃要素あり
赤桃 赤黄 友好関係
_________________
桃side
「また今度会おうな」
この言葉が寂しすぎて、悲しすぎて
俺はずっと必死にこらえた。
「う、ん」
泣きそうで、目元が熱くなるけど、
橙はもうそっぽを向いていた。
今日は橙の前で泣かずに、
ちゃんと笑顔で振る舞ったから、
俺にしては上出来だ。
前なんてずっとギャン泣きで、
橙をいっぱい困らせたし。
今思えばそれも、
いい話になるんだが。
「遠距離恋愛」とは切なすぎると思う。
俺は東京で、橙は大阪。
2人で関西と関東を行き来してる。
だから1回の「出会い」が
切なすぎて、大切すぎる物なのだ。
そう簡単には手放せず、
脳内にずっと張り付いて。
「橙」という男に狂わされるのだと。
_______________
翌日
「桃ちゃんおはよー…」
眠たそうに話しかけてくるのは
20センチくらい身長が違う赤。
かわいい系の男子に見せかけて
実は口が悪く幼少期はそーゆー系の
サイトまで監視していたほどのガキ。
まぁかわいい系ではあるが。
他人に酷く好かれやすいタイプだ。
「おはよ、赤」
「桃ちゃん課題やった?
あの、地理のレポートのやつ」
「やったけど」
「うっそ!!真面目〜!!」
当たり前だ。橙と一緒に居れる為の
切符に過ぎないんだから。
橙と居られない、地理をやる、
だったら間違いなく後者を選択する。
橙と居られない俺なんて、
死んだガラクタと等しいんだから。
「見せないから、ほんとに」
「え桃ちゃんエスパー?」
「お前まじ最低な性格してんな」
「問題児の赤は俺の事よ」
「自慢なんねぇから」
そう言い放つと赤は
真面目な人の所へ吸い付きに行った。
なんてやつだなんて思いながら
俺は席に座って昨日の余韻に浸る。
橙と会えたんだ。
楽しかったな。
机に寝そべって自分を居ないもの
だと考えて橙だけを考える。
昨日のことをフラッシュバックして、
橙と過ごした夢の時間を思い出す。
ゲーセン行ってご飯食べて
バッセン行って何故か卓球して
お互い下手だから試合にならなくて
お腹壊す勢いでいっぱい笑って
橙の笑顔も見れて情けない所も見れて
好きだって改まって思ったりしたし
情けない所も愛おしいと思うし
手だって繋いでずっと橙の手は暖かいし
ふとした瞬間に見せるかっこいい所とか
「全部」大好きで
「桃ちゃん何してんの?」
現実に引き戻すのは、いっつも赤。
「…なに桃ちゃん不機嫌じゃん」
「誰のせいだと思ってる」
「あ俺しか居ないかwははww」
「………..昨日、彼氏とあってきたの?」
今俺と橙の関係を知ってるのは
赤ぐらいだ。他には言っていない。
俺のことを知りつくして、
俺をしっかり見てくれてる人だし
「同性」に偏見を持たないと思った。
赤も性別に悩んでいるし
お互い秘密は今更いらないから、
という理由で2人の隠し事は無い。
同性というのをほかの仲いいヤツに
明かさないのは偏見を持つから。
単なる話だ。それが判断基準となる。
「…まぁ」
「良かったじゃん、桃ちゃん
大好きだもんね〜..」
「四六時中考えるくらい〜」
「….うるさい」
「今更照れるのwかわいい」
「お前は相変わらず一言多いな」
「え、酷い。絶対彼氏には
言わないでしょそれ!」
「友達と彼氏は違ぇよ
一緒にすることが間違ってる」
「同じくらいの扱いがいいのになぁ〜」
「…そーかよ」
_______________
憂鬱な一日もそろそろ終わる頃だった。
自室に入ってゆっくりしていたら、
橙から電話が何の連絡もなしにかかった。
正直、死ぬほど驚いた。
「もしもし、橙?どしたの?」
『桃ちゃん俺そっちにさ
充電器忘れてへん?』
「ん、まじ?」
勉強机にずっとイヤホンだと
思っていた橙の充電器が、
主張するように目立った。
俺はあまりの天然さと重大さに
思わず笑ってしまう。
『ちょ、何笑っとんw』
「いやいや、wあったよ、w」
『あー良かった〜
駅に置いてたりしたら
どうなるかと…..』
「ありそうやから怖いなぁ」
『俺をなんやと思ってんの』
『じゃ、俺また土曜行くわ』
「うん、わかった、待ってる」
『んーじゃ、また土曜』
「はーい」
プチッと切るおとがして、
また土曜会えることに嬉しさを感じた。
1週間に2回も会える。
幸せこの上ないと思った。
_______________
橙は、俗に言う不登校だ。
学校で人間関係のトラブルにより
人間を信用できずネットに潜り、
親から見捨てられたと話した。
それを聞いた時は驚いたし、
ましてや橙のようなやつが
人間関係でもつれると思えなかった。
俺も前まではサボり気味で、
登校拒否をした日々は少なくない。
まぁ登校拒否をした時と
橙の不登校になった時が
たまたま被ってネットで知り合い
それから付き合うなんて言う
超今風の付き合い方だ。
まさか「東京」「大阪」と離れすぎた
とこにいるなんて思わなかった。
「先輩、この資料まとめときました」
そう爽やかな優しい声が聞こえた
後輩の黄だ。
「..あぁありがと、」
俺は一応 生徒副会長 という
肩書きを持っている。
今会長が胃腸炎などを発症し、
病院に搬送されたり、
1ヶ月くらい苦しんでるそう。
だから副会長として、
会長がいない分こうして
生徒会はバタバタしているのだ。
人手が足りず1年から補佐を頼み、
先生は快く許可して頂けたので
たった1人選挙で選ばれた
そんな持ってる男が「黄」だ。
黄はほんとに仕事が早く、
この場に慣れるのもたった数日だ。
タスク遂行能力が高すぎる。
仕事が早いやつは大抵、
社会では鬼ほど通用するのだ。
ただ黄は勉強という面の
「漢字」は小学生3学年あたりの知識。
多分大人になったら
1年生ほどの知識だと思う。
これから叩き込まれるので。
「では、今から少し先生に
これの許可を取りに行きますね」
「ん、よろしく」
今やってる企画は全校生徒で
学校のアニバーサリーを記念する、
某有名アイドルグループの
屋上から叫んで隠し事や
告白をするような企画
を検討している最中だ。
これはテレビ的の黄金時代と
呼ばれるほど大反響を呼ぶ人気。
アニバーサリーという記念日だから
派手にやりたい魂胆から派生した。
「..人数制限、どうしましょうか」
「予め決めておくんだよな確か」
「はい、でもあまりにも少なく
見積もると時間があまりますし」
「1クラスに3人辺り、でいくと」
「大体30人ほどです」
「…そこは難しすぎる、
やりたいという人の要望から
その制限を決めてしまおう」
「ですが先生には_」
「あの、先輩!許可おりましたよ!」
書記の声をさえぎって
入ってきたのは黄。
息を切らしたまま乱暴に
部屋に入ってきた。
「あとアンケート用紙です..!
全校生徒分印刷してきました..」
「これならいけるんじゃないですか?
結構順調ですし、全然間に合います」
アンケート用紙..仕事が早いな…
でも黄の作ったアンケート用紙は
不安でしか無いのは否定できない。
「…ちょっと見せてくれ」
「アンケート用紙ですか?
はいっ、どうぞ!!」
黄の読めるか読めないかの字で
綴られたひとつの質問。
その質問内容は悪くないし、
欄とか色々完成度は高い。
だかいろいろ漢字がやばい。
「..黄、思うの思、違うぞ」
「え!?嘘!!」
「あと考えるの考は教えるの
はしっこのやつじゃない、」
「あと告白の文字も変。
白は拍手の拍じゃない」
「あと生徒会の文字も!
会が介護の介になってる!!」
「すいませんんん!!!」
かなり小学生レベルの間違いが
募りに募って驚いた。
こんなの間違い探しみたいだな…
「もう一度印刷、には、
少しもったいないですね」
「…確かに」
「これをどうにか変えれば
いい話なんだけどなぁ〜」
「ほんと申し訳ないです….うぅ…」
アンケート内容は恐ろしいほど
質問が少なく、たった1問だ。
こんなの暇がありすぎる。
「…間違い探しにするとか?」
「えっ」
「え、それ、いいですね!!」
「本気ですか会長!」
「以外考えられないし、
それでいいっしょ」
「これはこのまま出す、先生には
間違い探しがあるというのを伝えて..
それで暇を潰してもらおう」
「さすが先輩です..!
僕の失態を打ち消してくれて」
「黄お前は漢字苦手なんだから
アンケート俺に見せてから印刷しろ..」
「すいません………」
「…まぁこうして俺らが
堅物じゃない証明ができるからいいけど」
「あ!..僕はそれを狙ってたんですよ」
「わかりやすい嘘つくな….
それより先にこれ完成させるぞ」
「はーい!企画の手入れですね!」
「…」
「ふぁ〜!!終わった!!よし!
これで企画とか準備は終わりですね!」
「んーーよし。我ながら、
代わりになるいい企画だ、 」
「はい!僕も自信を持って
これに挑めます!!」
「あ、そういえば僕にも
主張があって屋上から叫ぶんです」
「え、いーね、何言うの?」
「言いませんよ!流石に!w
当日のお楽しみですっ」
「へー、残念」
「でもまたひとつ楽しみ増えるし
良かったじゃないですか先輩〜!!」
「…まぁ確かに」
「じゃ、俺帰る、また明日な」
「あ、はい!また明日、さよなら」
俺は割と早めに帰って、
橙と電話しようと思っていた。
ほんとは明日が電話する日だが
前夜祭的な感じで電話する。
これはもうお決まりになってきた。
『やっぱ今日もやと思ってたわ』
「へへ、俺からの電話久々だね」
そこから、大体4時間くらい
他愛もない話が続いた。
俺の学校のこと、食べた晩御飯、
橙のゲームの話、最近あったこと
映画のこと、お互い服を買ったこと
なんていう話を延々とした。
その中で気になったのが
橙が料理してみたこと、成功して
親に美味しいのを振る舞ってあげたこと
だった。
最近「母の日」なんてのがあって、
俺はもちろん何もしてないけど
橙はいつも迷惑かけてるから
料理をしたらしい。
橙はいつものように優しい。
当たり前のように母に感謝する。
人間の鏡だと思った。
それにずっと見捨てられていて、
ご飯は自分で買ったりしてたらしいが
ご飯を置いてくれるようになったとか。
橙はいい事したことに嬉しさを覚え、
時々料理を振る舞うと決めたらしい。
「もう4時間たってるじゃん」
『お、ほんまや、気づかんかった』
「橙と話してたら時間ほんとに
一瞬だ。4時間なんて5秒くらい」
『わかる、ほんと話してて飽きない』
『…..ありがと、じゃあまた明日』
「うん、また明日」
『好きだよ』
「っ!?!??!!」
気付くと電話は切られて、
橙とのトーク画面が貼られていた。
俺は慌てて震える手で
キーボードを押していく。
「おい、橙好きって、おい」
カタコトな文字で連呼する。
橙の「好き」という言葉が、
頭の中でぐわんぐわんと回っていた。
何度も聞きたくて
ボイメを要求したが呆気なく
断られてしまった。
______________
橙side
『うん、また明日』
その声が少しだけ切なげに聞こえて、
俺は彼が1番喜ぶ言葉を言った。
「好きだよ」
『っ!?!!?!』
と驚く声が聞こえて、
笑いながら俺はトーク画面で待つ。
『おい、橙好きって、おい』
戸惑ってるのかカタコトで、
そんな所も愛しく思える。
かわいすぎる俺の彼女は
今日も通常運転だった。
「…..桃」
俺の絆創膏だらけの腕と指を
そっと優しく撫でる。
こんなんでも愛してくれる桃は
俺の救いだ。
桃のような人に出会えて、
嘘偽りなく振る舞える人に出会えて
幸せでしかないと実感する。
「…..今日も楽しかった」
「桃、ちゃん」
2人きりで撮った写真と、
俺が隠し撮りした寝顔をフォルダから
漁り、だしていく。
大きい画面に表示された桃は
綺麗で楽しそうで、可愛い。
なんて愛らしいんだろう。
なんてかわいいんだろう。
この寝顔も、この綺麗な顔も
ずっと見ていたいのに。
『身の程を知ってから言う』
そう考えるとずっとなんて、
俺らにはない気がした。
時間は有限。
だから、この付き合いも
いつか終わりは来るんだ。
俺も限界だし、こんな生活も
人生もそろそろ終わらせたいし。
長く続かせる気持ちはない。
愛情はあるけど、仕方ないことだ。
「…………もっと一緒に居たい」
「…………..。」
扉が開く音がする。
「橙、部屋に来なさい」
桃が俺にある愛情が、
この親にもあればいいのに。
「……..はい、」
ただただ、狂わされるだけだった。
桃にも、親たちにも。
桃に話す親の話は、俺の理想だった。
料理を振る舞えば優しくしてくれる親と
母にいつもありがとうと言う俺の理想図
全てそれは理想だった。
なぜそうするのか、その理由は1つ。
桃にこのことを知られたくない。
この事を知って、腕にも足、首に
ついた傷を見せる日がくるのが怖いから。
もしそれで、壊されたら。
壊れてしまったら。
もう何も手なんて打てない
なにも出来ない
これは愛なんだから、
これが、「愛」なんだから
途切れてしまっては悲しいのだ。
_____________
桃side
時は経ち、アニバーサリー記念を迎えた。
この日は俺らにとって、
勝負どころだった。
全校生徒が集まったグラウンドの
台がある所に正しい姿勢で立つ。
そこで適当に決め覚えたやつを
朗読するように並べてく。
そして、まず1人目が早速叫ぶ。
叫んで、また1人きて、叫んでを繰り返す。
なんか自由性が無い。
まあいいけど。
今までしてきたことは無駄じゃないし
無駄とは感じていない。
隣で見ている黄も思っているみたいだ。
真剣な眼差しが恐ろしく光る。
「何見てるんですか、怖いです」
「あ、ごめん」
「何か言いたいことでも?」
「..いや、何も無いけど」
「何も無くて見つめるとか
びっくりです、先輩怖いです」
「いや深い意味ないから、
なんか見てただけだよ」
「ふーん..」
腑に落ちない返答をする黄。
黄は満更でもない顔で、
俺の方を向いた。
「先輩って彼女います?」
「えっ」
突然の恋ばなに驚き、
固まってしまう。
「あれ、居るんですか?」
「いや、まぁ、….」
「…………….彼氏って存在が」
「あー、なるほど」
「いーですね、僕生涯で1度も
恋なんてしてないから憧れです」
「…偏見持たないんだ」
「当たり前ですよ、そんなの
だって道徳で習うじゃないですか」
「そーゆーのは、非常識で
すごい恥ずかしいことだって!」
「….ね?」
黄はふっと笑ってまた見上げた。
なんだか、全てを知ってる気がした。
橙のことを彼氏と呼んでるのに、
橙のことを知ってるみたいだった。
不思議な気持ちになった。
言葉で伝えきれてないことなのに、
全てを汲み取られている気がする。
ちょっと怖くて不思議だったけど
黄は順番的に自分の番が近づいたため
「行ってきます」と言って
隣を去っていってしまった。
俺は1人になって寂しさを感じるが
ぱっと前向き、叫びを聞いた。
「好きです!!付き合ってください!!」
という言葉が、俺の耳にこびり付いた。
2年のよく居る野球系の
男子がでかいよく通る声で言った。
大きいから耳の残るのか、
橙との関係を思い出したからなのかは
不明だが、頭に残った。
橙からの告白を思い出して、
なんだか甘酸っぱい味がした。
あの 言いたいことがある の連絡から
確か30分くらい悩んだのか
連絡が経っちゃって、心配してて
急にきたのが「すき」の二文字で
驚いたのはいい思い出だ。
あの時の橙は可愛すぎる。
なんだあの二文字に悩んだ30分は。
俺は前の唐突な「好きだよ」に
成長を感じて嬉しくなった。
「…先輩、好きです」
またしても好きという言葉が
響き渡った。
黄の声だった。
「え…」
台にたっていたはずの黄は
俺の目の前に居て、下にいる生徒は
動物園並みに騒いでいるのに気付く。
もしかして
「…っ」
ちゅっという音がする
「え、黄、」
「先輩?」
「い、ま」
「…..知ってますよ、赤から
聞き出しちゃいました」
「遠距離恋愛ですよね
まだキスも、そーゆー事も
してないらしいし」
「実質、ファーストキス
奪えたよね、先輩の」
「ね、すきだよ、先輩」
「会った時から、ずっと、
いや、その前も」
「….ほら、早く、振って?」
はじめてのキスは奪われて、
そこからぎゅっと俺を抱きしめた
耳元で「振って?」と言う黄は
顔は見えないけどつらそうだった。
どうしよう、どうしよう
ここで頷かなかったら
空気読めないやつみたいになるんじゃ..
いやでも、橙とは浮気なんて…..
バレるバレないの問題じゃないし
俺、ずっと一緒に居られないんじゃ..
「…迷ってるってことは、
可能性あるってことなの?」
「え、っあ、えっと…、、。」
「…いいの、僕のことは、
気にしないで、ほら、いいよ」
「まわりなんて気にしないで
僕だけを考えてみて」
「…..橙くんを、取りたいでしょ」
こいつがどこまで聞いて、
赤がどこまで言ってるか知らないけど
俺は可愛い後輩を振るような、
最低男にはなりたくない。
増してやずっと前から知られて、
好きで、赤から色々聞き出してるし
橙のことを言いふらされたら
なんかめんどくさい事になるし
口封じにはちょうどいいのは確か。
めんどい事を塞ぐのにはいい
別に、付き合うんじゃない
「…..いいよ」
「付き合うこと’は’出来ない」
「…………」
橙にずっと溜めた物を、
全部全部吐き出してしまえば
橙には言えない物を
信頼する後輩に頼もう
そうすればきっと黄も、
俺といられるのが1番だから
きっと、きっと喜ぶ
「…….いいんですか」
「いーよ」
「…..じゃあ、お願いします」
付き合う(仮)になった。
__________________
橙side
今日もまた一日が始まる。
憂鬱な一日だ。
たしか明日は土曜日だから、
桃の家まで行かなきゃな。
早めに新幹線乗って、
行かなきゃ
そろそろお金も底を尽きてきて、
ギリいけるぐらいだった。
…土曜に言うか、
俺はもう死ぬって事を
まぁ何らおかしいことではない。
いつでも死ねる世の中だし。
いつ死んでもおかしくない辛さだし。
親だって悲しまない。
桃が悲しむのは、辛いけど
まぁ、すぐ忘れるものだ。
大丈夫、所詮はただの愛。
その愛にずっと縋ってきたのは
間違いないが、俺はそれでいいし。
_______________
翌日 桃家
「お邪魔します」
「ん、どーぞ」
桃のいい匂いがする家。
俺の大好きな場所だ。
「はい、これ」
「あ、ありがとう」
「まじ、なんで忘れるのw
駅とかに置いてたら結構危ないよね」
「そうなんよ、お金とか
結構かかっちゃうしさ」
「…でもあえて良かった、
桃の家にあって、よかった」
「あ、今日話あるって、
橙言ってたよね?」
「あーうん、そうだよ、」
「別に大した話じゃないけど、w」
「ほんとか?w橙は大事とか
よく分かってないところあるし」
「は?なんてこと言うのあなた」
「いやほんと、ガチで
絶対大事だ、俺分かるんだよ」
「誤魔化しても無駄」
そろそろ本題に入らなきゃ、
いけないみたいだった。
「….死のうと思ってる」
「死んで、またひとつ、
人生歩もうと思う」
「….は?」
「おまえ、何言ってんの」
「..有り得、ないんだけど」
「ね、ドッキリ、とか?
おもんないからほんとやめて」
「………嘘じゃない」
「ほんと、まじがち」
「……っなんで、そんな、急に」
「……俺なにかした?」
「なにもしてへんよ」
「俺が原因?」
「違うよ、親だから」
「親..?なんで、親が」
「…….かくして、た、の」
「…うん、ごめん」
「かなり、酷いからさ、
俺がずっと長袖なのも、そうで」
「酷いから、見せたくなくて」
「..っそんな、俺、なんでも、
受け止めるって、言ったのに」
「………..、じゃあ親に」
「親に要らないって、
家追い出されたりゴミ扱いされたり
もうほとんどいじめみたいなこと」
「されて、人に、相談出来る?」
「家に居ることが苦痛だった
けど、学校でも居場所は無かった」
「….家が心地いいわけじゃない
ここに居ないと俺は、桃に会えない」
「だから、生きてきた」
「桃が会える、それが、
俺の生きがいなんだよ」
俺が話を終わらせた時は、
桃は大号泣していた。
ずっと俺の服の裾を引っ張って、
ぎゅっと抱きしめて聞いていた
「っ…….、、」
「もっと橙の彼女でいたい
もうなんでも、遠慮してたこと
ぜんぶしていいから」
「なんでもわがまま聞くから
奴隷にでも女の子にでも…..
時間かかるけどしっかりなるから」
「おねがい、もっと生きて
もっと、おれのとなりにいて」
「…………..俺はもう」
「明日は居ない」
「…えっ」
「今日だけだよ、好き勝手
なんでも出来る日は」
「まっ、待って、はやすぎるんじゃ」
「そんなもんだよ、俺はいつでも..
死ぬ覚悟は出来てるし」
「じゃあ明日じゃなくても…」
「死にたい人に、生きろってのは
息苦しすぎるよ」
_______________
泣き疲れて眠った桃を
寝室のベットに寝かす。
綺麗な桃色の髪をかきあげて、
少し赤くなった目元を指でなぞる。
悪いことをしたように思えて、
なんだか罪悪感を感じた。
「……桃」
「….すき、すきだよ」
「今まで一緒に居てくれて、
もっと生きようと思わせてくれて
本当にありがとう、」
「…それと、ごめんね」
ちゅとキスして、最後だし
何度も何度もキスする
「っ…はぁ、っ、はぁ」
少し開いた口に興味を持ってしまった。
いや、桃起きそう..でも、
でも……….いや….、
何度も何度も頭を悩ませ、
顔が赤くなってくのを自覚する。
俺は顔を近づけた
「ん…!!?」
グイッと桃が起きて、ぐっと
桃の舌が口内に入る。
こいつ起きてた!?!
なんかムカついて俺も
負けじと桃の口内に舌を入れた
ぬるぬると滑るように
舌が交差する。
「ん”、はっ、桃、っ」
「っ、は、っ…んっ….!」
「っ…、んぐ、んん、..!!橙..!」
両者息が出来なくて、
苦しくなり桃がまずギブアップする。
顔を赤くして酸素を取り入れ、
必死に震える体を抑えてるみたいだ。
「お前、俺が寝てるからって」
「っ….いーだろ、別に
今日が最後」
「っはー…最後にそーゆー事
出来たら、俺もう泣かないから」
「まじ?言ったな?」
「俺に二言はない」
「葬式でも居ないあとでも
絶対泣かねぇから、見とけよ」
寝たから色々考えが整理したのか、
桃の瞳に曇りはなかった。
「じゃあ泣かせないように
ちゃんとしておこうかな」
_____________
桃side
あの日の翌日、
あいつは屋上から飛び降りた。
今、この世にはいない。
即死だったらしい。
潔いい所がアイツらしいな。
俺は約束通り泣いてない。
今だって平気で学校に行ってる。
いつもの月曜だけど、誰にも
怪しまれないように。
「あ、先輩」
「お、桃ちゃんおはよ〜!!」
橙の笑顔に似た可愛い後輩は、
今日も俺に笑ってくれる。
俺の親友だって、笑顔で
楽しそうに話してくれる。
他にも、クラスは
昨日1人死んだってのに
平和に笑ってる。
まぁ知ってるのは俺ぐらいで、
俺しか知らない事なんだけど
伝えたって、絶対
伝えたその翌日には
平和に笑ってる。
1人くらい、死んだって
かまわないのだ。
橙はきっと、俺が寂しがり屋で、
橙の声を聞かないと生きていけない
体質にさせた事を覚えてないし。
あの日したことも、あの日
はじめて(仮)のキスもしたし。
俺はあの日だけで、
寂しがり屋を克服したよ。
あいつがいなくても、
寂しくない。
ひとりでも、寂しくない。
きっとあいつはそばに居る。
可愛い後輩も親友も居る
もう何も、奪われたくないから
俺はこいつらを必死で守るよ。
それがいいんだよね、橙
_______________
ありがとうございます…(ヘトヘト)
もし、彼氏や大切な人が
死ぬってこと急に言われたら
生きてって言っちゃいません?
だって死んで欲しくないってのを
表に出せる最大の語彙力が
「生きて」っていう言葉だから
何でもかんでも考えずに
生きてくれるだけで嬉しいし
死ぬなんてもったいない
私一気にかくんじゃなくて
積み重ねて完成する系なんですよね。
しかも他のも色々書いちゃってて
この話に30分かけても
他のもあるから余裕で2時間とか
真面目にかかっちゃうんよ(汗)
ほんとまじはよ書けよって話()
善処致します
読んでくれてありがとうございます