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慶応元年(1865年) ある夜の路地にて…
山崎烝「…坂本龍馬、ですね」
坂本龍馬「誰じゃおまん」
山崎烝「……?…刀…抜かないんですね」
坂本龍馬「おまん、ワシを殺す 気ないやろ?殺す気あるんやったら柄に手かけるやろ、でもおまんは柄どころか殺気も感じられん、ワシに話があるんやろ?」
山崎烝「話が早くて助かります、来てもらっても?」
坂本龍馬「えいじゃろう、話し合いで解決するならいいぜよ」と笑う坂本龍馬を見て不思議そうな山崎烝、屯所へ向かう道中
坂本龍馬「おまんは 何処者何や?」
山崎烝「何だ、俺達の事も知らずに付いてきたのか、俺は新選組だ」
坂本龍馬「新選組………なら、鬼の副長とやらに合わせてくれるのかえ?」
山崎烝「ああ、その副長が会いたがっているからな」
坂本龍馬「ほんまかぁ」
数分後
山崎烝「付いたぞ」
坂本龍馬「ほう…えぇ場所やないか」
山崎烝「こっちだ」
………………………
山崎烝「連れてまいりました」
襖の隙から
土方歳三「入れ」
ガラッ
坂本龍馬「あんたが土方はんか」
ピリ付いた空気が漂う最初口を開いたのは
土方歳三「坂本龍馬_お前の日本とやらはいったい何者の為にある?」
坂本龍馬「……ワシは、皆が誰にも怯えず、胸張って生きて行ける、そんな国にしたいんじゃ、 斬るか斬られるかやのうて、
信じた道を堂々と歩ける_そんな世の中を、 作りとうてたまらんのよ」
そんな言葉を聞いた土方歳三は黙り込み
坂本龍馬は土方歳三の気持ちを察し、
坂本龍馬も数秒黙り込みそして口を開く
坂本龍馬「どんな時代でも、
どんな争いの中でも
月だけは、よう変わらんのう……綺麗じゃ」
そう呟き二人並び月を見た、そして…
沈黙のまま時間がゆっくりと流れてく
いつの間にか月は消え 朝日が昇り
始めていた、
ふと気づくと
襖の向こうから声が聞こえた
近藤勇「おい、トシ入っていいか?」
土方歳三「近藤さん…あぁ」
襖が開き、近藤勇の姿が現れた
近藤勇「ん?客人か?」
まじまじと坂本龍馬を見て…
近藤勇「坂本龍馬!何故坂本龍馬がここに居る?!」驚いた様に土方歳三に問う
土方歳三「ああ、俺が呼んだ、坂本龍馬
っつー奴を知りたくてな」
近藤勇「そ、そうか…」戸惑いながら
絞り出した言葉
坂本龍馬「ワシャ邪魔みたいやけ、帰らせてもらうぜよ、土方はん、
今度はちゃんとあんたから誘ってくれよ、
あの若者じゃなくてのぉ、
おまんの口から誘ってほしいんや」
土方歳三「誰が誰を誘うとか、
そういう回りくどぇのは苦手なんでな、
言いたい事があるなら、そっちから言え」
少し黙り込んで、
土方歳三「だが……
俺の口を選んだってなら、そんなもん、
一度言ったら引っ込めるなよ、
聞かせてやる、俺の言葉でな」
坂本龍馬「当たり前ぜよ、それがええがよ
あんたはそういう男じゃき 」
土方歳三「ふんっ」と笑う土方歳三を見て坂本龍馬はニコっと微笑む、何も言わなくても二人には通じ合えるような何かがあるのかも
近藤勇「え?ん?えっと…俺の方が邪魔か?」戸惑う近藤勇
山崎烝「局長…おはようございます……(様子を見て勘付き)ちょっと離れますか…」
近藤勇「あ、ああ」
坂本龍馬「もう帰るぜよ」坂本龍馬は屯所を出た、
土方歳三「近藤さん何か用か?」
近藤勇「ああ、たまには飯でも食いに行かないかなって、朝飯を…」
土方歳三「飯か…そうだな、たまには二人で食いに行くのも悪くねぇ」
近藤勇「ほんとか!」とちょっと嬉しそうな近藤勇
山崎烝「俺はこれで…」
近藤勇「山崎お前も来るか?」
山崎烝「え?お二人で行くのでしょう、
でしたら、俺は邪魔でしょう、では」
近藤勇「そんな事ないよ、山崎も行くぞ!
皆で食べれば、より美味しいってよく言うだろう」
山崎烝「あっじゃあ…」
その言葉を聞いて近藤勇は嬉しそうに
近藤勇「よし!じゃあ行こうか、近清でいいよな、いつもの」
土方歳三「あぁ」 山崎烝「良いですね」
そして、近清へ向かう途中
藤堂平助「あれ?近藤さん、こんな朝っぱらから、どこ行くの?」
近藤勇「あぁ飯を食べに行こうと思って、平助も行くか?」
藤堂平助「マジか!もちろん近藤さんの奢りでか?w」冗談交じりで言う
近藤勇「え…しょ…しょうがない良かろう」
藤堂平助「よっしゃー!冗談だったのに」
近藤勇「冗談だったのか?!」
原田左之助「おう?皆でどうしたんだ?」
永倉新八「何だ俺らだけ仲間外れか?」
山南敬助「それを言うなら、私もですよ」
永倉新八「おう、山南さんおはよう」
近藤勇「皆で飯食べようと思ってな3人ともも行くか?」
藤堂平助「近藤さんの奢りだ」
永倉新八「本当か!近藤さん太っ腹!」
近藤勇「え…」
山南敬助「私は自分で払いますので」
近藤勇「山南さん……」子供の様な顔で涙目になりながら山南敬助を見つめる
斎藤一「何の騒ぎだ?こんなに集まって」
藤堂平助「お?一君、今から食いに行くんだけど、一君もどう?」
斎藤一「………行かせてもらう」
藤堂平助「近藤さんの奢りらしいぜ」
斎藤一「局長の…自分で払います」
近藤勇「一君…」
斎藤一「……局長…払いたいのですか?」
近藤勇「え?…」
斎藤一「いえ…勘違いなら、すみませんですが、俺が払うと言ったら泣き始めたので…」
近藤勇「いや!嬉しいんだよ!」
沖田総司「近藤さんからかわられてるよ」
近藤勇「え?」
藤堂平助「アワハハハァ、近藤さんは面白いなぁ、いいよ別に飯ぐらい払えるよ」
豪快に笑いそう告げる
近藤勇「あ、あぁそうなのか?え?総司いつからいたんだ?……ん?」
沖田総司「………」
原田左之助「何だぁ近藤さんの奢りじゃないんだぁw」
土方歳三「おい!お前ら近藤さんをイジメてやるな」
近藤勇「トシ…」
土方歳三「フッ…」土方歳三は笑いを堪えれなかったのかフッと笑う
山崎烝「あの…そろそろ行きませんか?」
藤堂平助「ああ、そうだな、ここで喋っててもな」
そして、皆、近清へ向かう
近藤勇「結局、皆で来てしまったな、やっぱり皆で食べる飯は最高だな」
藤堂平助「まだ食べてもいないのに」
永倉新八「てか、付いてもないぞ」
近藤勇「む、皆といるのが最高だ」
ムッとした顔でそう言い直し
沖田総司「近藤さんって寂しがり屋だね」
そう笑いながら近藤勇をからかう
土方歳三「付いたぞ、行き過ぎだ」
永倉新八「おっと…」
藤堂平助「話し込んで通り過ぎるとこだったなw」
そう言いながら店に入り
近藤勇「そう言えば、トシ、何故…
坂本龍馬を呼んだんだ?それに俺に秘密にして」
土方歳三「さっきも言ったが坂本龍馬と
言う奴を知りたかったんだ」
近藤勇「坂本龍馬にあってトシはどう思った?」
土方歳三「アイツの考えは分かる、だが アイツは俺ら新選組の敵だ、アイツが幕府を嫌う限り仲良くは出来ねぇ」
近藤勇「トシは坂本龍馬と仲良くなりたいのか?」
土方歳三「は?」
近藤勇「え?ち…違うのか?!」
土方歳三「アイツと仲良くなんて冗談じゃねぇ…だが…次誘う時は俺の口で言うと約束しちまったからな、そん時は近藤さん
アンタも一緒にいてくれねぇか?」
近藤勇「あぁ」
藤堂平助「え?何?坂本龍馬ってあの?
俺も会ってみてぇ」
斎藤一「おい…」
藤堂平助「っ……すまねぇ」
永倉新八「隙あり!」
藤堂平助「あっ!おい!」
原田左之助「じゃあ、俺も」
藤堂平助「おい!
俺の飯 無くなるだろうが!」
土方歳三「フッ騒がしいなw」
和気藹々でご飯を食べ終わり
沖田総司「土方さん…近藤さんに坂本龍馬を会わせる時、俺も呼んでくださいよ」
笑顔だけど、目は笑っていなかった
土方歳三「お前を呼ぶ事は出来ねぇ」
沖田総司「どうしてです?」
土方歳三「あたりめぇだろ、お前を呼んだら、他の奴らも会いたがるだろ…」
沖田総司「そう…ですか…」
永倉新八「沖田、 今日は俺らが見廻りだろ
沖田総司「そうだったね、今行くよ」
永倉新八達は見廻りへ行き、
土方歳三「俺らも帰るか」
斎藤一「そうですね」
近藤勇「なぁ、トシ餅買わねぇか?」
土方歳三「食いたいのか?」
近藤勇「あぁ」
土方歳三「はぁ…じゃあちょっと寄るか」
藤堂平助「よっしゃあ、俺も買おうと」
山崎烝「そんなお金あるんですか?」
藤堂平助「う”っ!」
山崎烝「辞めといた方が良いと」
近藤勇「皆で食べようじゃないか」
藤堂平助「近藤さん太っ腹!」
そして、屯所に戻り
近藤勇「ん?トシお前は餅要らないのか?
土方歳三「あぁこの後、用があるからな」
一方…坂本龍馬は
中岡慎太郎「坂本!おんしゃあ、何しとったね、こんな時間まで飲みゆうがよった」
坂本龍馬「ちっと新選組ちゅう 奴らに
会ってのぉ、
そいでちっと話して来たぜよ」
中岡慎太郎「新選組じゃと!どういて
そんな所に…」
坂本龍馬「気まぐれぜよ」
中岡慎太郎「は?」
坂本龍馬「ワシも分からんぜよ、
どういてかぁ行け言うちょる気がして」
中岡慎太郎「おんしゃあ、自分で何、
言うとるか分かっちょるんか?」
坂本龍馬「ワシも分からん 言うとるじゃき
」中岡慎太郎が呆れ顔で坂本龍馬を見る
中岡慎太郎「おんしゃあ、もう新選組には近づくでないぞ」
坂本龍馬「分かっちょる、分かっちょる」
中岡慎太郎「誠か?」
坂本龍馬「まっことじゃ、
まっことまっこと、ワシを疑うんかえ?」
中岡慎太郎「はぁ…呆れて言葉も出んわ」
坂本龍馬「なんじゃ、そんなに信用できんのかえ?」
中岡慎太郎「もう…勝手にしろ」
坂本龍馬「そうさせてもらうぜよ」
いたずらっ子みたいに無邪気に笑う
坂本龍馬、呆れて言葉も出ない中岡慎太郎
坂本龍馬(今後何が起こるんじゃろうな)
そして、内心楽しみにしてる坂本龍馬
そして月日が流れ、
土方歳三「坂本龍馬…お前を誘いに来た」
坂本龍馬「おう、土方はんかぁ
ん?なんじゃ近藤勇やないか」
近藤勇「ああ、久しぶりだね、坂本龍馬…」
坂本龍馬「なんじゃおまんもワシに会いたかったんか?それは嬉しいのぉ」
いきなり真顔になり…
坂本龍馬「ほんで、何ちゅう用ぞ?」
土方歳三「ああ、山崎が言うにはお前… 幕府に狙われてるぞ…」
坂本龍馬「なんじゃそない事か、おまんら
幕府やないか、どういて…そない事を?」
土方歳三「………お前と一度知り合ってしまったからな、後は知らん勝手にしろ」
坂本龍馬「もう帰るんかえ?」
土方歳三「ああ」
坂本龍馬「ちっと、一杯どうぜよ?」
土方歳三「すまねぇ、それは今度だ…
お前が次生きてたら…その時は一緒に
飲んでも良い」
坂本龍馬「………絶対ぜよ?」
土方歳三「誠だ、俺は嘘はつかねぇ、
お前こそ………誠だよな?」
坂本龍馬「誠ぜよ…」
二人はやがて背を向け歩いて行く…