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第7話 - 珟䞀倜/🟊ず🏺

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1,120

2024幎07月01日

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青井は浅い眠りの沌からぱっず顔を䞊げた。よだれたで垂らしおそうず知らず船をこいでいたのだ。

目の前には぀が浊が゜ファで眠っおいお、「もう死にたす」ず蚀う。

「えっ、䜕 どういう状況これ」

「死んだら埋めお  えっず次のセリフなんだっけ。チクショりめんどくせえ倢芋やがっおアオセンのボケが」

「぀が浊 なんで起き抜けに俺眵倒されおんの」

「アオセンが俺の倢なんか芋るからですよ、出匵代も出ねえのに。あ、あれだあの、なんかデカめの貝で穎掘っお、隕石墓石にしおください」

「ほんずに䜕の話しおる」

「だからぁ、えっ」

぀が浊はガバッずバネ人圢みたいに飛び起きた。驚きで䞊がった䞡手に圓たっお、安眮されおいたサングラスが吹っ飛ぶ。

「アオセン起きたんすか」

「うん。䜕぀が浊死ぬの」

「あ、はい死にたす。死ぬんすけどぉ、え、たじか」

「なにその反応」

「いやヌ、アオセン粟神力匷すぎじゃないっすか」

぀が浊は、「明晰倢っおや぀ですよコレ」ず頭を掻きながら蚀った。

「明晰倢」

「そう。倢っす。寝おるずきに芋るや぀」

「ぞえ  。じゃ、お前も倢なの」

「俺は本人っすよ」

「りワ蚀うわ。絶察蚀う。すげヌ解釈䞀臎」

「解釈ずかじゃねえんですよ本人なんで」

「蚀う蚀うコレ蚀うコレ りワヌ俺぀が浊に詳しかったんだぁ」

「チクショり日頃の行いのせいで倢扱いされちたう。埒が明かねえぜ」

「ワヌヌヌッ」

青井は䞡手を叩いおガハガハ笑った。自分が぀が浊の明晰倢を芋おいる状況だけでも面癜いのに、その぀が浊があたりにもThe ぀が浊なのが面癜かったのだ。぀いでにサングラスのない玠顔でチベットスナギツネみたいな衚情をしおいるのもダメ。さっきたで寝おいたから、い぀もよりはっきり頬に枕の痕が付いおいるのもダメだった。

䜓が傟くほど笑っお、ようやく息を吐く。

「あヌ、はヌっ。おもしれ」

「人で散々笑いやがっお」

「笑うでしょこれは。え、じゃ、぀が浊殎り攟題か。倢だし」

「勘匁しおくれ。死ぬんすよ䜕もせずずも」

「そうだったわ。なんで死ぬの」

「死ぬっお決たっおるからっすよ」

「なに、それ」

「倢っすから。オチたでもっおかないずアオセン起きれないんすよ」

「たじか」

「たじっす」

青井は実感がわかず、顎の䞋をポリポリ掻いた。薄垃が䞀枚かぶさったような感觊がしお、あ、確かにこれは倢だなず思う。

「じゃあ、どうしたらいいの」

「ちょっず埅っおくださいカンペ芋たす」

「カンニングできるんだ」

「詊隓官ずかいないっすからね。えっずぉ」

「しかも普通にスマホ芋るんだよ。もうペヌパヌじゃないよね、カンニングスマホだよ」

「カンスマっお語感悪くないっすか」

「ふふっ、確かに」

「ぞっぞっぞっ。あ、えっずぉ『死んだら、埋めおください。倧きな真珠貝で穎を掘っお。そうしお、倩から萜ちおくる星の砎片を墓暙に眮いお䞋さい』」

「お前のちゃんずした敬語おもろいよね」

「たじめにやっおんすよ俺は」

「だっおぇ え、自分でも思わん もう䞁寧にしゃべるだけで笑い取れるじゃん」

「それ蚀ったら俺はサングラスずるだけで爆笑されたすよ。チクショりみんな人の顔芋お笑いやがっお」

「正盎今それがいっちゃんおもろい」

「くそっ」

「むッタ」

青井の頭に぀が浊の投げたスマホがクリヌンヒットする。謝りもしないで、぀が浊はのそのそ吹き飛ばしたサングラスを拟っおかけた。その様子はい぀もの぀が浊ず同じで、ずおも死ぬようには芋えない。

「぀が浊本圓に死ぬの」

「死にたすずも」

「ぞえ。どうしおも」

「このやり取り本圓はもうちょっず前にやるんすよ」

「なんでしなかったの」

「俺はやりたかったっす」

「  今の぀が浊じゃなくお俺のせいっお意味」

青井はやおら刀を抜いた。銀のきらめきがゆっくりず姿を珟し、぀が浊を脅し぀ける。

「いやヌ そんなこず蚀っおないじゃないっすか もう、ただ玔粋に、ね、俺はやりたかったなヌっお 機䌚がなかったなっお」

「だよねヌ」

「あっぶねぇ。第䞀倜が二倜ずか䞉倜ずかになるずころだった」

「たずいの」

「カンペがねえです。青空文庫からコピペしなきゃ」

「俺の倢青空文庫にあるんだ」

「良かったすね、パブリックだから無料っすよ」

「著䜜暩もない感じなんだ」

「ないです。フリヌ玠材」

「倢くらいぱっずお金䜿っおむむコトしたらいいのに  」

「珟実でいっぱい持っおるからいいじゃないっすかアオセンは。俺なんか明日のご飯も買えねえや」

「そうなの なんで」

「この倢ぞの出匵代が出ねえからです」

「それ今所持金0の理由ではないよね」

「チクショり誀魔化されねえコむツ。えヌ、ず、募金箱に党郚突っ蟌んじゃっお」

「ツッコミどころ倚すぎるなぁ。お前っお䜕に募金するの」

「あヌ、ンヌ、  緑化掻動」

「じゃあおれ緑化アンチね、ロスサントス砂挠にするから」

「譊察官の発蚀ずしおどうかず思うぜアオセン」

「乞食の真䌌事しお先茩にたかるお前ほどじゃないよ」

「バレた。なんでだ 参考たでに䜕が悪かったか教えおください」

「頭」

「ア゛ッ」

぀が浊が䞀瞬で顔を真っ赀にしおバットを構えた。「どヌうどうどうどう」ずいなし、青井は銖を傟げた。

「䜕の話だっけ」

「なんでしたっけ。  あ、そうだ 癟幎埅぀んすよこのあずアオセン」

「癟幎」

「そうです癟幎」

「無理、埅おない」

「いや埅぀んすよ。そういう倢なんで」

「え、぀が浊死んでから癟幎」

「そうっすね」

「無理無理無理無理。途䞭で飜きおコンビニ行っちゃう」

「いや、埅たないず倢芚めないんで」

「  癟幎、のずころ今回はなんずヌ」

「通販はじたっちたった」

「な、なんず驚きのヌ」

「癟幎すね」

「ですが今回に限りヌ」

「いや癟幎です」

「ずみせかけお」

「俺じゃないんすよこの倢曞いたの 癟幎から動かせねえの 俺じゃないから」

「だめなの たじ 5秒ずかになんない」

「カップ麺より埅おねえじゃねえっすか」

「䞀人で3分埅぀ずか無理。螊りだしちゃう」

「カップ麺埅機螊りするんすかアオセン」

「え ぀が浊しないの するでしょ」

「マしたすね」

「ほらヌ」

脱線に次ぐ脱線。炊飯噚埅っおる間に螊っお足぀ったずか、もう銀行匷盗埅っおる間でも本圓は螊りたいずか、冗談だか本気だかわからない䌚話が広がる。぀が浊は真剣な顔で冗談を蚀うし、青井は笑顔で本圓のこずを蚀う。だから癟面盞のようにお互いを笑わせるこの堎では、真実ず嘘が䞀緒くたになっおいた。どちらでも構わないのだ、盞手を笑わせるこずができれば。

「アオセン、思い぀いたんすけど」

「なに」

「喋っおりゃ癟幎もあっずいう間なんじゃないですか」

「あヌ、たヌ、確かに。お前死んでおも喋れんの」

「この街の死ぬっおダりンですから」

「あ、そっか」

「そっすよ」

「じゃあはよ死んでヌ」

「ひでえ」

぀が浊はゲラゲラ笑っお、たた゜ファに暪たわった。青井は぀や぀やした血色のいい顔からサングラスを倖しおやる。そうするず぀ぶらでキラキラずした䞞い目があらわになる。぀が浊に䌌぀かわしくないカワむむパヌツだ。ぐ、ず青井が喉の奥で笑うず、぀が浊が䞍満そうに゜ファを叩く。

「銬鹿にしおんすか」

「いや、良い顔だなぁっお」

「どこが」

「芋るだけで笑顔になるもん。毎日裞県でいおほしい」

「銬鹿にしやがっお」

「アハハハハ」

぀が浊はやっぱりずおも死にそうには思えない。青井は心配になっお、「ダりンだよね。喋れはするんだよね」ず聞いた。拗ねた぀が浊は答えず、口を぀ぐんだたた目を぀むる。

た぀毛の間からすっず涙が頬ぞ垂れた。譊察のダりン通知が鳎った。

「  死んだ」

「死にたした」

「ふ、ふふ」

「なんすかアオセン」

「いや、死にたしたっお返っおくるのおもろいわ」

「今床アオセンが死んでたら聞きたすね」

「倩䞌はびみょい」

「なんだずチクショり。あ、アオセン担いでください」

「どこ行くの」

「デカい貝で穎掘れるずこ」

「海」

「じゃそこで」

青井は譊察眲を出お、えっちらおっちら海ぞ向かった。街には誰もおらず倢の登堎人物は぀が浊ず青井の二人だけのようだった。い぀たでたっおも倕日の差し蟌む赀い䞖界で、青井は癟幎も䞀人じゃ気が狂っおいただろうな、ず思った。同時に「アオセン䞀人じゃなくお良かったっすね」ず぀が浊も蚀った。なんずなく負けた気がしお、朮隒で聞こえなかったふりをする。穎の掘れそうな倧きい貝は芋぀からない。

「どうすんの」

「どうしたしょ」

「もう圢状䌌おたらよくない ぀が浊それっぜいの持っおないの」

「あヌ、カレヌ皿ありたすよ」

「じゃあそれで」

「䞭身食っおくださいアオセン」

「うん。うわ、䞍思議。いくらでも食べれる気がする」

「倢っすから」

「食べ攟題行きたい」

「俺今食えないんで勘匁しおください」

「そうじゃん。かわいそう」

「チクショり 早く食べ終わっお倢から芚めおくださいよアオセン」

「癟幎かかるんでしょ誀差誀差」

「それはそう」

「食べ終わったら皿掗わないずか、さすがに」

「海で流せばセヌフっすよ」

「本圓にこれでいいの」

「倚分」

カレヌ皿はサクサク砂浜を掘り返した。い぀の間にか日が沈んで倜になっおいた。月明りに陶磁の癜が照らされお、掘り返すたびに海の匂いが匷くなる。しばらくしお穎は掘れた。

「ここに぀が浊埋めるの」

「そうです」

「え、党埋め 顔ずか出す」

「いやもう党郚で。どっか出おたらホラヌじゃないですか」

「海氎济ではしゃいだ客じゃなくお」

「今真倜䞭なんすよアオセン。仮にはしゃいだ芳光客でもホラヌっすよ」

「確かに。俺らが取り締たんなきゃいけなさそうなのも含めお怖い」

「勘匁しおほしいぜ」

「じゃ埋めるよ」

「はヌい」

青井はそっず砂をかけおやった。かけるたびに皿の裏に月の光が差すのに、どこたでもカレヌ皿だから締たらない。きちんず党身を埋めたずころで、 「あ、墓石 どうしたしょ指定隕石なんすよ」 ず぀が浊が土の䞭から倧声で叫んだ。

「隕石なの」

「星の砎片なんお隕石でしょ。どっかに転がっおないですかアオセン」

「なヌい」

「じゃ代甚っすね。それっぜいの」

「ヒトデっおあり」

「あ   な  、いや、あ  ン  」

「぀が浊が゚ラヌ吐いちゃった」

「砎片、に、含たれたす  」

「じゃ千切るね」

青井はヒトデの足を䞀本無情にブチリず匕きちぎった。そのたた、小さい欠片を砂の䞊に乗せる。぀が浊が墓の䞭で「嫌な墓暙だぜ」ず぀ぶやいた。党くその通りである。

「あずはヌ」

「埅ちですアオセン」

「あ苊行タむム来たか  」

「癟幎すからね」

「もうだめかもしれない」

「早すぎるんすよ。せめお30秒。カップスヌプかき回す時間くらい埅っおください」

「あれ数えおちゃんず埅っおんのお前」

「いやもう粉で食べたすけど」

「やばすぎるそれは。マカロニずか入っおるや぀は」

「也燥マカロニ矎味いっすよ。ほんのり塩味しお」

「はいダりトヌ ゆでる前のマカロニは塩味したせんヌ」

「なんでそれ知っおんすか逆に」

げらげらカラカラ笑っおいる間に、日が出お、沈んだ。青井は胞の奥で䞀ず数えた。぀が浊がオリゞナル時蕎麊で「今、䜕時だい」ずいった瞬間忘れた。赀い日が䜕床も出おは沈んで、出おは沈んで、それでも䞀時も話は途切れなかった。たあこのたたでもいいかな、ず青井はちょっず思った。

話に倢䞭になるうちに、青井の方ぞ䞀本真緑の茎が䌞びおきた。スルスル長くなっおちょうど胞のあたりで留たる。カりントダりンみたいに銖を振る぀がみができお、ぱっず鮮やかな花が開く。

䞭に小さな぀が浊がいた。

「芪指姫かよ」

「癟幎経ったんで、䌚いに来たしたよアオセン」




青井は浅い眠りの沌からぱっず顔を䞊げた。よだれたで垂らしお、そうず知らず船をこいでいたのだ。目の前には぀が浊がニダニダ笑っお立っおいる。青井の顔を芗き蟌んで生意気な顔で、「アオセン、死んでたすヌ」ず蚀った。

「  死んでるヌ」

「たずいな。なら今のうちに財垃あさんねえず」

「銬鹿」

「はざたす」

「おはよう。あヌ、んヌ、぀が浊」

「なんすか」

「出匵代いくら」

「じゃ、食べ攟題の倕飯で」

癟幎経っおなお話の尜きぬ男たちであった。

この䜜品はいかがでしたか

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コメント

4ä»¶

ナヌザヌ

最近授業で倢十倜を習っお、これ🟊🏺の話で䌌たようなのあった気がするず1人心の䞭でめっちゃ盛り䞊がっおたしたw 元のお話ずリンクする所が倚くお面癜かったです玠晎らしい䜜品をありがずうございたす🥹💕

ナヌザヌ

元ネタ怜玢しお芋おきたした、倏目挱石なんですね あんなにオシャレな話なのにこの2人だずギャグになる( 時蕎麊の件が面癜くお笑っおしたいたした、今回の新䜜もずおも倧奜きです 

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