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「くっそー。全然当たんねー!!」
さっそく浦原商店の巨大地下空間で凰弥とお稽古。一護は斬魄刀なのに木刀の凰弥にぼこぼこにされた。
「これでも護挺十三隊の一員ですからね。」
凰弥は得意げである。
「ここらで休憩しないか。」
ルキアが飲み物を運んできたので、一服することに。
「フェンシングみたいな動きしてたけど、凰弥の斬魄刀って??」
「レイピアで、棘姫っていうんだ。」
「レイピアか。
「姫と言うより騎士だな、凰弥に似て逞しいぞ。もちろん一護は手も足も出なかったようだが??」
「うるせーな。」
「もう少し休憩したら、リハビリ手伝ってね。」
「おう。」
リハビリ後、制服姿に戻り一護と一緒に店を出た。
あれが噂の裏ボス??
マジ!?めちゃかわいいじゃん!!
アイツとどっちがつえーかな。
登下校中、そんな噂を耳にすることが増えた。
「もちろん、私の方が強いですけどー??」
鼻歌混じりに凰弥は言って一護を見る。
「…認めたくねぇが事実だ。」
それを聞いて余計に上機嫌になる凰弥。どうやら噂は隣街まで拡散されているようで。
「さすがの俺でも引くぞ??」
不良達が道いっぱい広がって、ぞろぞろと行進してくる。
「それでさ、聞いてる??」
言いながら凰弥は終始笑顔で、服についた埃を払うが如く不良達を倒していき。
「お大事に…。」
浦原商店に着くまでに、数メートル間隔で倒れた不良の道ができていた。
「今日も今日とてリハビリよ!!」
「だいぶ足が前に出るようになったな。」
支える面積を小さくするように、一護は横に並んだ。
「いけるかな。」
「手離すぞ。」
1歩2歩3歩…。成果が出ているようだ。
「歩けてる!!…あっ!?」
もう少しで10歩というところで倒れこむのを、一護が抱きとめた。
「やったな凰弥!!」
「うん!!」
相変わらず距離が近いことに照れる一護。
「よかったらお茶でも。」
浦原さんがお茶を置いていってくれる。
「私、明日向こうに帰るの。」
「また急だな。」
「後継者も見つかったし。傷が治った時点で戻るつもりだったんだけど…。君の成長っぷりを見るのが楽しくて。」
「その、戻ってからリハビリは。」
「ルキアにお願いしたり。ここまで歩けるようになったから自分でできることはするよ。」
「こっちの方は??」
「君以外の記憶は消してもらうようにお願いしてる。」
「もう来ないのか。」
凰弥は切ない顔で頷く。そして。
「この後デートしてくれない??帰るまでに行きたいところ行っておきたいの。」
「良いぜ。」
と2人で時間の許す限り遊び、食べ尽くした。
そして。
「またね黒崎君。浦原さん、あとはよろしくお願いします。」
「おう、またな。」
「お任せください。」
ルキアに車椅子を押してもらい、門をくぐった。
「君の隣にずっと居られたなら、こんな幸せなことはないのに…。」
苦笑して凰弥は呟いた。
「あやつも鈍いからな、凰弥の気持ちに気付いていたかどうか。」
「一方的な片思いで終わっちゃったな。」
ソウルソサエティに出る門を開く。落ち込んで丸くなった凰弥の背中にルキアはそっと手を置いた。
「落ち込んでいられないわ。絶対仕事溜まっちゃってる!!」
「手伝うぞ。」
他愛ない話をしながら隊舎に戻るのであった。
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