『おらふくん…?』
〈えっ…あっ…だっ…どちら様ですか⁉︎〉
しどろもどろになりながら答える。この男の子は身長が低く、パーカーを羽織ってフードを被っている。その為よく顔が見えない。
男の子が口を開く。
『俺の名前はーーと言いたいところだけれど、ここではできないんだ。ついてきて!』
知らない少年のついていくのは怖いが、名前を知っているあたり、知人かもしれない。
逆に知人なら関西に戻される。それだけは、嫌だ。
新宿のビルやマンションなどの裏の細い路地裏につく。
男の子はフードを取り、元気にはねた髪の毛がちょこっと飛び出す。そして彼は口を開く。
『俺はおんりー。簡単に言ってしまえば、この世界の神だよ。』
せかいのかみ、と一回発音し、やっと意味を飲み込む。それと同時に、すっとんきょうな声が出る。
〈か、かっ…神⁉︎〉
『しっ‼︎声が大きいよ』
〈ぁ、ごめん…〉
『まぁ初めてならそんな反応だよな…』
そう言って話を続ける。
『正確にいうと宇宙の神。』
〈そらって、あの青い空の事なん?〉
東京の晴れた空を指差す。
『いや、宇宙と書いてそらって読むんだよ。何かを司る者は皆宇宙って呼んでると思う。』
〈というか、何で僕の名前知ってるん?〉
『え、何でって、君が迷ってそうだったから。』
よくわからない。迷ってそうなら名前がわかるのか。
『俺は宇宙を司る役目もあるけれど、迷っている人を星で導く役目でもあるんだよ。』
何それ、かっこええやん。
『だから、君が東京に来ている間、精一杯、迷子の君の進むべき道を導けるように頑張るから、よろしく。』
そう言って、僕の初の東京での進むべき道を探す旅が始まったーー
こーいうの好きです。
コメント
3件
私もこーゆーのめっちゃ好きです
僕もこーゆーの大好きです
私もこーゆーの大好きです