戸惑いの思いに、反射的にコーヒーカップを両手で包み、
「……先生が…私のことを……?」
どこかまだ信じられないような面持ちで、ふと呟いた。
どんな言葉を返したらいいのかもわからず、政宗医師が私のことを好きだなどと、ましてやあまり現実味がないようにも思えていると、
「ですが、あなたにも好きになってもらおうとは、今は望んではいません……」
彼がそう話して、コーヒーの一口をごくりと飲み込んだ。
「……君は、私を好きではないですよね…?」
続けて、胸の内を探るようにも尋ねられて、答えを迷っていると、
「無理には言わなくても構いません。わかっていますから、あなたの気持ちは……。……私は、君に好かれるようなことを、これまで何もしてこなかったのですから」
彼は、やや心もとなげな表情で話すと、
「けれどこれからは、あなたを好きになっていきたいんです……。その中であなたがもし私を好きになるなら、それに応えてくれればいい……」
視線を上げ、私の目を真正面からじっと捕らえた──。
コメント
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うんうん、これから少しずつ2人の気持ちを擦り合わせていけばいいんじゃないかな😊