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君の隣

8 - #7 わがまま

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2023年07月30日

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#7 わがまま






さて、どうしようか。

隣で寝ている彼を1人にするわけにもいかない。

冷えピタとか、その辺を変えようか。

そろそろぬるくなってしまっているかもしれない。


緑「みことちゃん、」

黄「ん、ぇ、?」

緑「みことちゃん、わかる?」

黄「んぅ、すちくん、?」

緑「ん、正解。冷えピタとか変えたいから起きれる?」

黄「______い、」

緑「え?」

黄「でき、ない、」

緑「できない、?」


たしかに、起きれるか、と聞いた。

でもまさか、できないと言われるだなんて。

予想外だった。


緑「でも、辛いのみことちゃんだよ?」

黄「いや、だ、できない、」


そういって、涙目になる彼。

困った。どうしよう。


緑「んー、、じゃあ俺が後ろから支えるから、それならできそう?」

黄「、、うん、」

緑「ん、ありがとう。」


緑「ゆっくりでいいからね、」

黄「ん、、」


ゆっくりと、俺の手を握る彼。

後ろに回って、彼を支える。

こんなに弱っている彼を、見たことがなかった。

正直驚いたし、どうしたらいいのかわからない。


緑「みことちゃん、食欲ある?」

黄「、あんまりない、」

緑「ん、わかった、」


返事がワンテンポ遅い。

熱が上がっているかもしれない。

そうするとまずい、薬だって飲まなければいけないし、なんだったら少し腹ごしらえをしなければいけない。


緑「みことちゃん、熱、測ろうか、」

黄「、うん」


体温計を彼の脇に挟む。

その間に彼のおでこについてる冷えピタを変え、新しくする。

そのとき彼が一瞬、冷たそうに目を瞑ったのを俺は見逃してなかった。


緑「ふふ、冷たかった?」

黄「、ん、ちょっとだけ、つめたい、」

緑「そっか、ちゃんと効いてる証拠だね」


ピピピ、と体温計特有の音が鳴る。

液晶に写された温度は39.6

先ほど彼を部屋に入れて測った時よりも大きく上がっている。

病院も視野に入れないといけない。

メンバーにも伝えなければ。


黄「なんど、?」

緑「んー、、言ったら辛くならない?」

黄「なら、ない、」

緑「39.6。やっぱりしんどい?」

黄「うん、ちょっと、だけ、しんどい、」

緑「薬飲もうか、ゼリーなら食べれるかな?」

黄「ん、ちょっとだけなら、たぶん、?」

緑「ん、わかった、無理はだめだよ?」


飲用ゼリーを彼に渡す。持ってきておいてよかった。


黄「も、いらな、い、けほっ、」

緑「これだけ食べられたら大丈夫、はい、薬、」

黄「う、くすり、、」


あからさまに嫌な顔をする彼。

その顔がすごく面白くて、笑ってしまう。


緑「ふはっ、みことちゃ、そんな顔しなくても、」

黄「くすり、やだ、、のみたくない、」

緑「わがまま言わないの、辛いのみことちゃんなんだからね、」

黄「う、やだ、」

緑「もー、、じゃあみことちゃん薬ちょうだい?」

黄「、うぇ、?、わかった、」


彼から薬をもらう。


緑「みことちゃん、こっち向いて?」

黄「、?うん、」


彼にこっちを向いてもらう。

後ろで支えてるから、やろうとしてることができない。

俺はその薬を自分の口に含んで水を飲む。


黄「え、?すちくん、?、、んむっ、?!」


彼の口の中へ渡す。

口移しってやつ。

彼が薬を飲み込んだことを確認し、口を離す。


緑「んっ、ぷは、はい、薬おしまい」

黄「な、すちく、いま、」

緑「んー?」

黄「ち、ちゅ、した、?」

緑「、、、?!////」


口移しのつもりだったのに、まさかその捉え方をされるとは、


緑「ちがう、!薬!薬飲ませたの!」

黄「え、?」

緑「薬飲まないから、無理やりって形になっちゃったけど、」


彼の顔が真っ赤になる。

その原因は熱が上がったのか、はたまた別の理由か、、


緑「なんか、、ごめん、ね?」

黄「いや!そんな、おれも、かんちがい、」

緑「ふふ、みことちゃん顔真っ赤」

黄「うぅ、、笑わないで!」


きっと後者だろう。

なんとも可愛らしい。


緑「じゃあみことちゃん、薬も飲めたし寝ようか?」

黄「うん、、あ、」

緑「ん?」

黄「いっしょ、がいい、」

緑「一緒?」

黄「うん、」

緑「ん、わかった。じゃあお隣お邪魔するね。」


そういって彼のお隣にお邪魔する。

彼は熱のせいかすごく熱い、放っておくと溶けてしまいそう。


緑「んー、熱いね。冷えピタ効くといいんだけど」

黄「、、」

緑「、?みことちゃん?」


顔を覗くと気持ちよさそうに寝息を立てる彼。

側から見たら体調を崩してるだなんて思わないくらい。


緑「ふふ、おやすみ、みことちゃん、」



さて。

彼には申し訳ないけど、熱が上がっていたことをメンバーに伝えなければならない。

あいにくスマホは別の部屋だし、直接伝えに行くしかない。


緑「よっと、、」


彼の隣を抜け出して、部屋を出る。

今寝たばっかりだし、大丈夫だろう。

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