⚠️特定の国を賞賛する、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️戦争の描写があります
⚠️100%史実ではありません。一部、私の妄想が入っています
 ・BL
・二重帝国×独帝
・なんでも許せる方向け
・死ネタ
 書き方変えてみました。
多分、いい感じになってるはず…です。
 墺洪→オーハン(二重帝国)
独帝→ドイツ帝国
 
 では、どうぞ⬇
 
 
 
 
 
 
 
 
 ✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
 
 
 
 
 
 
 
 風が吹くたびに、あの頃の記憶が蘇る
まだ戦なんて遠い世界の話だった頃
ドイツさんは、私の家にある音楽室でピアノを弾いていた。
 独帝「この曲、大好きなんだ。小さい頃、父上がよく聴いていた」
 ドイツさんはそう言って微笑んだ。
私はただ、「…そうなんですね」としか言えなかった
言葉にすれば…私たちの関係が壊れてしまいそうだったから
 ーー好きです。
 その想いは、最初から形を持たなかった
幼なじみで、同盟国同士。
お互いの国の関係は親密だったが、それでも越えられない境界があった
二人は貴族の家系に生まれた。
お互い裕福で何一つ問題はなかったが、私が好きになった相手は「男」だ。
今の社会では、絶対に許されない恋だった
それでもドイツさんは、そばに居てくれた
 墺洪『…私がどんな想いであなたを見ているのか、知りもしないでしょうね…』
やがて、戦が始まった。 
きっかけは「皇太子の暗殺」だった
私たちの二つの国は肩を並べて戦うことになった
同盟は形だけではなく、命を懸ける絆になった
 同じ戦線に立てることは少なかったが、時折補給拠点で顔を合わせると彼は昔と変わらない笑顔を見せた。
 独帝「無事で良かった」
 墺洪「えぇ…ドイツさんも無事で何よりです。」
 そのやり取りだけで、心が救われた
私の世界はドイツさんの一言で色を取り戻す。
 だけど、伝えられない。
戦の只中で「好き」なんて言葉は、あまりに脆い
命が明日どうなるか分からない状況で、
そんなものは残酷なだけだと思った。
 だから私は、言わないことを選んだ。
代わりに剣を磨き、仲間を守り、
ドイツさんの国の兵たちを守ることで、自分の想いを誤魔化していた。
 
しばらくして、最前線で大規模な戦闘が起きた。
敵の進軍が予想より早く、同盟国は押されていた
私たちは急遽増援として投入されることになった。
その中に、ドイツさんの名前もあった。
 灰色の空の下で、ドイツさんは凛と立っていた。
かつて優雅にピアノの弾いて微笑んでいた時とは違う、冷たい眼差しで冷淡とした顔で
私を見つけると、彼は笑って
 独帝「また一緒になったな」
 墺洪「ええ…」
 言葉はそれだけだった。
でも、それで十分だった。
隣にドイツさんがいる。それだけで、戦場の恐怖も消えた。
 銃声が響き、土が爆ぜる。
叫びと怒号、そして血の匂い。
誰かが倒れるたび、世界が少しずつ崩れていく。
私は彼を見失わないように、必死で視線を追った。
 墺洪「ドイツさん!」
 煙の向こうに、彼の姿が見えた。
敵の砲撃が落ちる寸前、私は全力で駆けた。
だが——間に合わなかった。
 閃光。爆風。
体が地面に叩きつけられ、息ができない。
耳鳴りの中で、名前を叫ぶ。
 墺洪「ドイツさん!!!」
 地面が赤く染まっていた。
その中心に、ドイツさんが倒れていた。
 墺洪「ドイツさん!ドイツさんッ!!しっかりしてください…!」
必死に名前を叫んで、 震える手で彼を抱き起こす。
冷たい。
けれど、まだ微かに息があった。
 独帝「オー、ハン…無事で……よかった」
 ドイツさんの唇が微かに動く。
その声は、風に混じって消えていく。
 墺洪「喋らないでください。もうすぐ医療班が来るので…」
 必死で言葉を繋ぐが、彼の瞳はもう焦点を失っていた。
それでも、彼は笑った。
いつものように、穏やかに。
 独帝「…なあ……俺、言えなかったことが……ある、んだ……」
 その瞬間、心臓が止まった気がした。
けれど次の言葉は、もう聞こえなかった。
 風が吹き抜けていった。
俺の腕の中で、彼の体が静かに冷たくなっていく。
 墺洪「……ドイ、ツ…さん…?」
 名を呼んでも、返事はない。
指先が震え、涙が滲む。
こんな戦場で泣くなんて、ありえないのに。
 言えなかった。
何も、伝えられなかった。
たった一言の「好き」が、どうしてこんなにも遠いのだろう…。
 
 戦が終わったのは、それから数ヶ月後だった。
敗戦の知らせが街を満たしていて、私の心は静まり返ったままだった。
 ドイツさんの国では、賠償金に追われていて、経済が悪化していた。
彼の弟であるヴァイマルさんが、今でも返済するために金を稼いでいるらしい
 あの日の感触が、まだ指に残っている。
あの冷たさを知ってしまった私には、何もかも空虚 だった。
 夜、私は音楽室に行った。
風が吹くたびにドイツさんの声が聞こえる気がする。
「この曲、大好きなんだ。小さい頃、父上がよく聴いていた」
――あの日の笑顔のままで
 もし、もう一度だけ話せるなら、言いたい。
 
 墺洪「……大好きですよ、ドイツさん…愛してます」
 
 でも、ピアノに向かって言葉を放っても、
答えは返ってこない。
ただ、窓から流れてきた風が頬を撫でて通り過ぎていく
 まるで、彼が微笑んでいるみたいに。
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい
いやぁ…想いを伝えられない切ない恋をイメージして書いたんですけど、思ったより重くなってしまいましたね…()
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。今いただいてもお答えできませんのでご了承ください
では、閲覧ありがとうございました!
コメント
3件
オーハンと独帝が幼なじみ設定なの解釈一致すぎてしんどい。もう神、ほんとに神すぎる、夜中なのに叫んじゃいそうなくらいです。舞海さんの書く二重独帝ほんと最高すぎます、もっと見たいくらい…………… 語彙力なくてすみません…ww 次の話も楽しみにしてますッッッ!!!
…………😇(尊すぎて語彙力喪失)
いやもうすっごい好きですね…! 尊敬に値する語彙力にもう…やばいですッッ!