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おお、この話……「恋ってそういうことか」って香穂にズバリ言われた瞬間、風花の心臓バクバクがこっちにも伝わってきたわ。普段はクールなのに恋愛になるとあんなに慌てるんだな、ギャップ萌えがすごい。香穂の「大事な人には正直に」って背中を押す台詞もあたたかくて泣ける。走り出す風花、めっちゃ応援したくなるエピソードだった🔥
それから放課後。「ひな、やほ」
「かほ!」
ややぼっーとしていたわたしを、茶髪のおっとりしたお姉さん気質のある「寺田香穂」(てらだかほ)が呼び止める。
香穂とは小学生のころからの仲だ。
小学生から変わらずおっとりしていて、同い年なのに年上に見える。
何もかもを許してくれそうななだらかな声色がわたしを癒す。
「どうしたのー、お悩み中?」
なんでわかるんだ。
香穂は本当にエスパーみたいに人の気持ちがわかる。
わたしが困った時、何度話を聞いてくれただろう。
「実は…」
香穂は信頼できる、最高の友達。
悩みを打ち明けるのは緊張するが、香穂の女神様のような優しい眼差しを受けると、不思議とそんな気持ちも無くなっていった。
わたしはゆっくり言葉を紡ぎ始めた。
先輩と会ったこと、先輩のバイオリンを聴くのが大好きなこと。先輩のことで頭がいっぱいなこと。
ひとしきり話し終えた後、香穂はゆっくりと口を開いて言った。
「…それさ」
神妙な顔つきで言う香穂。わたしは思わず身構えて続きの言葉を待つ。
「恋、とかいうやつじゃないのかな」
「…え」
ちょっとまって。
急に言われるとだめ。
「あまり人を恋愛的に好きになったことがない風花そこまで行ってるなんて、恋じゃない方がおかしいと思うんだよね」
なんとなく予想はできてた。
でもやっぱりだめ。
そんな急に言われると心が追いつかない。
わかってる。わかっているんだけれど。
その気持ちが大きすぎて、わたしの心じゃ受け止め切れない。
「…あ」
何か言おうとして、声が掠れる。
息をするのもやっとだ。
「あ、ていうか今日、風花が先輩の演奏聴く日じゃない?」
唐突に言われ、我に帰る。
「…あっ!」
そうだった。まずい、結構遅刻してる。
「ごめん香穂!行ってくる!話聞いてくれてありがとーっ!」
「はーい、いってらっしゃーい」
にこやかに手を振ってくれる香穂。
わたしは最大限の感謝を伝えて、廊下を走っていった。
「風花ーっ、大事な人にはちゃんと自分の気持ちを正直に伝えるんだよー!」
香穂の声が後ろからわたしに届く。
大事な人…そうか。
「わかったーっ!がんばるーっ!」
わたしは決心してそう返す。
とりあえず急がないとやばい!
わたしはフルスピードで走り出した。