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深夜
薄暗く湿っぽい空気が立ち込めた
誰も踏み入らぬ森の奥に佇んだ廃墟
廃墟の入り口を抜けた
その先────
傷だらけのソファに座り込む
スーツを着た肥満気味の偉そうな男
男は葉巻を咥えて顔を上げ
鼻でフッと笑い飛ばして口を開く
『遅かったの〜〜〜ぅ……?雇い主待たせるとはエエ度胸しとるわ……』
男の視線の先
開かれた扉から差し込む月明かり
そこに立つ
逆光に黒く映し出された人影
夜風に白い短髪を靡かせた細身の男
“ソワーフ・ノマジェド・ギン”
差し込む月明かりに
腰に携えた刀が不敵に煌めく
『すんませェん……途中で変な輩に絡まれたんですわ………』
どことなく笑みを浮かべたギンは
着物の懐に手を入れ
────何かを掴んで差し出す
ドチャッ────………
『乱暴な…物乞いサンらに』
それは
血塗れの生首だった
『ほな…国家異能師ィ……殺りましょか』
第18話【ギンという男】
ソファに座った肥満気味の男は
落ちた生首を見てニヤリと口角を上げる
『物乞いサン……そんなんに足止めくらうほど、アンタァ弱かったっけ?』
ギンは生首を足で退け
ゆったりとした足取りで男の元へ歩む
『まーまー、そー怒らんといてください……ボクだって商売や…多忙なんです』
『ガキが……次は無ェ』
小さく舌打ちをして男は
封筒を鞄から出してギンに投げ付ける
ヒュッ────
バサッ
『乱暴な男やな〜!』
『うっさい…そいつが標的や』
ギンは封筒を受け取り
紐を解いて中から書類を取り出す
書類に書かれた名前
国家異能師の名前
『………ほぉう…』
ギンは
“それ” を見て深く笑う
『オモロイ依頼やないですか……標的に…標的に……ボクなら勝てると?』
『さぁな?ただ〜…アンタの今までの功績を見るにィ……』
男は真上を向いて
大量の葉巻の煙を吐き出す
そして、
ギンの顔を見つめながら言う
『光に追い付く……見込みはあるやろ?』
飄々とし
常に余裕を感じさせるこの男
“ソワーフ・ノマジェド・ギン”
彼の異名は近年名を轟かせる
その異名────
“国家異能師殺し”
圧倒的才能、圧倒的戦術、圧倒的力
そして、圧倒的異能力
全てにおいて “圧倒的” な男が今
ルイ・カントニオの首を捉える
もののあはれ
45
3,709
#闇
ruruha
1,823
#一次創作
カカカカオ
89
コメント
1件
うわっ…第18話、すごいインパクトでした🥀 ギンって飄々としてるのに、血塗れの生首を投げ出すシーンで一気に「只者じゃない」って伝わってきました。あの「国家異能師♡♡♡」って異名もカッコよすぎる…。 それにしても「光に追い付く見込み」って台詞、ルイに対してなのかな。実力者同士の因縁、気になりすぎます。次が待ち遠しいです🌙