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カーテンの隙間体差し込む朝の光、チュンチュンと可愛らしい小鳥のさえずり。 日曜日の朝、カーテンを開けると雲一つない青空を見ながらグーっと背を伸ばして朝日を浴びる……はずだったのに。
――どうしてこうなった!?
まず俺は悪魔の着信音でハッと目が覚めた。電話に出るまで鳴り止まない恐怖の電話。もちろん着信相手は姫咲だ。鳴り止まない電話の音に気づいたのか美桜も目を擦りながら「んぅ〜」と言っている。控えめに言って俺の妻は可愛い。
鳴り止まない電話、反射的に通話ボタンを押してしまう自分が憎らしい。
キーーーンと耳に刺すような勢いで姫咲の声がスマートフォンから漏れた。
「遅い! 三コール以内に出なさい!」
「んな朝っぱらから無茶なこと言うなよ」
「朝? 私はまだ眠りについていないから朝は来ていないけど? それよりも招集よ。猶予を与えよう。二時間以内に来たれ」
「え、おいっ! ちょっと!」
ツーツーツーと切れた音が耳にこだまする。てか来たれって何だよ……寝てないって言ってたからテンションやばそうだな……行ったら行ったで地獄絵面、行かなきゃ行かなかったで地獄行きだろう。
「隆ちゃん! 早く準備しないと!」
さっきまで「んぅ〜」って可愛く眠そうにしていた美桜はどこへ行った!? 既に目は大きく見開きベッドから降りている。
「美桜、聞こえてたのか?」
「もちろん! 早く準備して行こう! 二時間とは言わず一時間で行けるよ!」
行く気満々の美桜に押されて結局一時間で準備を終え姫咲のアパートへ向かった。
まだ朝の七時。夏の終わりの九月下旬、半袖だと少し朝は肌寒い。
アパートのインターホンを鳴らすとガチャリとドアが開いた。「おはようございます」とぬるっと広志さんが出てきたのに俺は驚いたが美桜は全く動じずに「おはようございます!」と体育会系の学生のような大きな声で挨拶を返していた。そっちにもかなり驚いた。
「どうぞ、お入りください」
つ、ついにこの一歩を入れてしまえばなかなか帰る事は許されないだろう。何をさせられるのか……また広志さんと絡めとか言うのだろうか。
「隆ちゃん、そんな所に立ってないで早く入らないとお姉さん待ってるよ?」
背中に美桜の小さくて可愛い両手がピッタリとくっつき、徐にぐいぐい押されてリビングまで来てしまった。