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私
もかつては、そうだったかもしれない。
自分の理想を求めて、歩き続けた。
だから、わかるんだ。
君だって、きっと……
誰かが呼んでいる気がして目が覚める。
まだ重い瞼を開けると、目の前に黒い影があった。
「おーい!起きたか?」
声の主は、見知らぬ男だった。
「ここはどこですか?あなたは誰ですか?」
男は少し困った顔をした後、「お前さんの名前はなんだ?覚えてるかい?」と聞いてきた。
名前……。
あれ?思い出せない……。
僕は一体、何者なのか……。
「ごめんなさい。わかりません……」
「じゃあ質問を変えよう。今まで何をしていたのか、話せるかい?」
何をしてきたのか……。
何もしていない。ただ生きていただけ……。
「記憶がないんです」
男が何か言おうとした時、背後から足音が聞こえた。
振り返るとそこには女がいた。
「あら、もう起きていたのね。おはよう」
彼女は笑顔で話しかけてきた。
「あの……あなた達はどちら様でしょうか?ここはどこですか?」
「ああ、そうよね。まずは自分のことから話しましょうか。私はエメラルダよ。あなたのことはなんて呼べばいいかしら?」
「僕の名前……」
名前がわからないことに改めて気づいた。自分の名前すら忘れてしまったのか。
自分は誰なのか、何者なのか。
本当の自分を取り戻せるのか。
自分自身を見つめ直すための旅に出る。
そうしてたどり着いた街で出会った青年は……。
彼の名は「タオ」。
それは「道」という意味の名前だった。
道なき道を進むうちに、「運命」という名の扉を見つけた。
その先にあるものは何だろうか?
「答え」はどこにあるんだろう? 彼は、まだ何も知らない……。
彼は、何かを求めて旅をしていた。
何を欲しているのかは彼自身にもわからなかった。
自分が欲しいものは、一体何なのだ? ふらりと立ち寄った街の酒場で、彼は思いがけない人物に出会う。
「あいつには会えた?」
あの時、あいつは言った。
『きっと君に会いに来る』
あいつは本当に会いに来た。
あいつの名は……。
彼は、誰かを探していた。
しかし、それが誰のことかもわからなくなっていた。
どこに行けば見つかるのか、それさえも思い出せなくなってしまった。
この世界にたった一人きりだとしたら、どうやって生きていけばいいんだろう? こんなに悲しいことがあるなんて。
生きるということは辛いことだ。
生きていくことが辛くなっていく。
なぜ生きているのか。