水「すちくんとみことくん、大丈夫かな。」
こさめは言う。
一同は沈黙。何も言い出せない状態だった。
桃「俺たちがしょんぼりしてちゃだめ。ほら、動こう。」
沈黙を破ったのはLAN。
彼はこのグループのリーダー。
普段はいじられキャラだが、すごく真面目でいい人だ。
彼の言葉をはじめに、4人は動き出した。
暇72は暖房とストーブをつけて窓を閉める。
それからLANの手伝い。
LANは温かいものを作る。スープとか、ココアとか。
いるまはお風呂を沸かす。浴室暖房もつけて。
こさめはみことが使っているベッドに湯たんぽを入れる。いつでも寝れるように。
4人が自分の職務を全うした時、
ばん!!!
と、扉が乱暴に開く音がした。
きっと2人のことだから仲直りしてにこにこしながら帰ってくるんだろうと4人は思っていた。
ただ、それはすちの焦った表情によって掻き消された。
紫「みこと、?」
ぐだっとしていて、返事をしない彼。
4人はすぐさま異変を感じた。
紫「なぁ、すち、みことどうしたんだよ。」
緑「、、」
紫「すち!!!!!」
緑「っ、!ごめん、聞いてなかった。なに?いるまちゃん。」
紫「みことは、」
緑「みことちゃんは、多分、体調不良だと思う。
こんな気温の中薄着で出ていっちゃったから体がびっくりしたんじゃないかな。とりあえず、すぐに暖めた方がいいと思う。」
紫「わかった、怒鳴ってごめんな、」
緑「大丈夫だよ、」
水「すちくん!みことくんのベッド暖めておいたから、はやく、」
緑「うん、ありがとう。こさめちゃん。」
はやく、はやく彼を暖めないと。
姫抱きしていた彼をベッドの上に下ろし、肩まで布団をかける。
緑「らんらん、スープとか用意してくれたんだよね、ありがとう。でもまずはみことちゃんの熱を測りたい。誰か持ってきてくれたりする?俺は、みことちゃんのそばにいたい。」
赤「わかった。俺持ってくる。」
緑「ひまちゃん、ありがとう。」
いそいそと部屋をでて、体温計を持ってくる彼。
暇72。
彼はこのグループの赤色担当で、口は悪いがメンバー思いで涙脆い一面もある。多分ただのツンデレ。
赤「すち、もってきた」
緑「ん、ありがとう、」
すちは冷静に、みことの体を動かし体温計を脇に挟む。
ピピピ、と体温計特有の音が鳴る。
液晶に映し出された温度は38.4
立派な高熱だ。
緑「、っ、みんな、ありがとう。ここからは俺1人で診るよ。俺の責任だから。」
水「っ、でも_」
紫「わかった。」
水「、?!」
こさめの言葉を遮ったのはいるまだった。
彼はこのグループの紫色担当で、公式配信では司会も行う頼り甲斐のある男。よくリーダーと間違えられるけど違う。
紫「すちに任せる。でも困ったことがあればすぐ言えよ。」
緑「うん、わかった。ありがとう、みんな。」
水「こ、こさめも!呼ばれたらすぐくるから!」
緑「ん、ありがとう。」
彼は雨乃こさめ。
このグループの水色担当で梅雨生まれだからか梅雨の妖精と名乗っている。愛してる、などキュンキュンする言葉をサラッと言う人でLANはすでに堕ちている。
4人は部屋を出た。
残されたすちは、みことの手をぎゅっ、と握る。
緑「みことちゃん、ごめん、ごめんね。」
すちは涙を流してそういった。
彼も人間だ。体力の限界はある。
みことの手を握ったまま、彼は眠りについた。
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