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あと五分。
その時だった。
ドン……
重い音が響いた。
全員が顔を上げる。
暗闇の奥から、“鬼”が現れた。
巨大だった。
二メートルを超える身体。
黒い角。
異様に長い腕。
そして、顔には能面のような白い仮面を付けている。
鬼は何も喋らない。
ただ、生存者たちを見上げていた。
『残り四名ですね♪』
またアナウンスが響く。
『ですが、生き残れるのは一人だけです』
全員の顔が凍る。
『なのでぇ……減らします♪』
その瞬間。
鬼が、一人の女性へ近づいた。
「や、やめ――」
鬼の手が、女の身体を撫でる。
異様なほど優しく。
まるで恋人を触るように。
『今から皆様には、“快感”を与えます。それに耐えてくださいね♪』
意味がわからなかった。
だが数秒後、湊は理解する。
鬼の指が、ゆっくり湊の太腿をなぞる。
その瞬間、全身が跳ねた。
「っ……!」
冷たいはずの指先なのに、触れられた場所だけ熱を持っていく。
糸に吊られたまま逃げ場はない。
腕は痺れ、足も限界だった。
それなのに。
鬼はまるで壊れ物を扱うように、優しく触れてくる。
『快感に耐えてくださいね♪』
アナウンスが楽しそうに響く。
鬼の手が服の中へ滑り込む。
ぞくり、と背筋が震えた。
「や……っ」
拒絶したい。
なのに声に力が入らない。
鬼の指は敏感な場所ばかりを探すように触れてくる。
触れられるたび、身体から力が抜けていく。
落ちたら死ぬ。
わかっているのに、頭がぼうっとしてくる。
隣では誰かが涙声で喘いでいた。
「だ、め……ぁっ……!」
快感に耐え切れず、指が糸から離れる。
絶叫。
落下音。
だが鬼は気にも留めない。
仮面の奥から荒い息を漏らしながら、湊だけを見つめていた。
まるで試しているようだった。
耐えられるか。
壊れるか。
鬼の長い指が首筋をなぞり、耳元へ落ちる。
「ぁ……っ」
吐息が漏れる。
恥ずかしい。
なのに、身体は正直だった。
触れられるほど熱くなっていく。
鬼はその反応を見るたび、嬉しそうに指を絡めてくる。
糸が軋む。
身体が揺れる。
快感と恐怖で頭がおかしくなりそうだった。
そして鬼は湊の耳元へ顔を寄せる。
仮面越しの吐息が、熱い。
そのままゆっくり服をずらし、肌へ口づけを落とした。
甘く噛まれる感覚に、湊は思わず声を漏らす。
その瞬間。
また一人、落ちていった。
鬼の舌先が、ゆっくり肌をなぞる。
「っ……ぁ……」
主人公の喉から、耐えきれない声が漏れた。
糸に吊られた身体が小さく揺れる。
腕はもう限界だった。
それでも落ちられない。
落ちれば死ぬ。
なのに鬼は、まるでそれを楽しむように、焦らすように触れてくる。
仮面の奥から漏れる低い吐息。
大きな手が腰を掴み、逃げられないよう固定する。
『残り時間、一分です♪』
アナウンスが響く。
周囲では、誰かの泣き声と喘ぐ声が混ざっていた。
鬼の指先が肌を撫でるたび、頭が真っ白になる。
怖い。
恥ずかしい。
でも――身体は、もう鬼の触れ方を覚えてしまっていた。
「ぁっ……や、そこ……」
鬼がぴくりと反応する。
仮面の奥の視線が、熱を帯びた。
まるで、“気に入った”と言うように。
長い指が背中を撫で上げ、耳元へ低い声が落ちる。
「耐えろ」
それだけだった。
命令のはずなのに、不思議と優しかった。
鬼は湊を壊さないよう、落とさないよう支えている。
なのに与える快感だけは容赦がない。
糸が軋む。
息が乱れる。
身体が熱い。
限界だった。
鬼は湊の首筋へ額を寄せ、甘えるように擦りつく。
化け物のはずなのに。
その仕草だけは、どこか寂しそうだった。
『10秒前です♪』
鬼の腕に抱き込まれる。
強い力。
なのに落ち着く温度。
湊は荒い息のまま、無意識に鬼の服を掴んでいた。
そして――。