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#原作無視
Akiha
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ab.side
境界線から戻ったあとも、胸のざわめきは消えなかった。
羽の先に残る体温が、まだじんわりと熱い。
(まだ、お礼も言えてないし…。このことは誰にも言えない、言ったら絶対に怒られる。)
俺はまだしも、
ほとんどの天使が最も警戒している『悪魔』に助けられたなんて、法律的にも、精神的にも、問題しかない。
でも――
(佐久間になら……)
同じ天使で、昔から俺のことをよく見てくれているし、秘密を話しても絶対に笑ってくれる。
佐久間なら、起こるんじゃなくて、まず心配してくれるよね。
そう思ったら、羽は自然と佐久間のいるほうへ向かっていた。
sk「おーい! 阿部ちゃーん!」
元気いっぱいの声と一緒に、少しピンクがかった丸めの羽が勢い良く近づいてくる。
sk「なんか顔赤くない?どしたの?」
「…ちょっと、聞いてほしいことがあって」
sk「うん。教えて?」
佐久間はぱっと羽を畳んで雲の上に座ると、俺も一緒に座らせてくれた。
心を落ち着かせて、佐久間に打ち明ける。
「…境界線で、落ちそうになって」
sk「えっ!?大丈夫だったの!?」
「うん…それは、その……助けてもらって」
sk「誰に?近くに天使いたっけ?」
佐久間の興味津々な様子に、今は救われた。
だけど、言葉が喉に詰まる。
佐久間の瞳がまっすぐで、嘘なんてつけない。
「……黒い、羽の人」
佐久間の表情が、一瞬で固まった。
sk「……黒い羽?阿部ちゃん、それって…。」
「ん、悪魔だったけど、悪魔じゃなかった。羽の形は天使みたいに少し丸くて、柔らかくて。毛先は少し白くて。」
佐久間は息を飲んでから、こう続けた。
sk「それ、堕天した元天使だよ…。アニメで見た。」
ハッとした。今まで感じた全てが繋がったから。
佐久間はしばらく黙っていた。
風がふんわりと二人の羽を揺らす。
sk「……その人、阿部ちゃんに触れたの…?」
「うん、落ちそうになったときに抱えられて 腰、支えられた…」
佐久間はもともとクリクリな目を更に丸くして、
その瞬間、頬をぷくっと膨らせてから、風船が破裂したみたいに噴き出した。
sk「なにそれ!めちゃくちゃアニメじゃん!てかドラマじゃん!」
「へっ?」
予想もしてなかった佐久間の反応に肩の力がすっかり抜けていった。
「だって堕天した天使って、普通は天使に近づかないよ?天使を毛嫌いしてるから境界線近くにだって来ないし。助けに来たってことはさ……、」
佐久間はニヤニヤしながら俺の顔をのぞき込んできた。それから口を開いて、、
sk「その堕天使、阿部ちゃんのこと、今頃気になってるんじゃない?」
「ち、違うよ!そんなわけ……!」
アニメ脳の佐久間に言われているとわかっているけど、なんか恥ずかしいなっ!
sk「にゃはは!阿部ちゃん顔赤い~~~!!」
体中が火照る俺を横目に、佐久間は楽しそうに笑いながら俺の羽をぽすぽす叩いてくる。
でも、笑われても怒れなかった。
だって――
佐久間の言葉が、ほんのちょっとうれしかったから。
(……また会えるのかな)
境界線の向こうで見た黒い羽が、ふわりと風に揺れた気がした。
continued…
コメント
3件

ちゃんと話を聞いてくれ少し茶化すくらいが楽だよね。それを楽しんでるのだから 又会えると良いなめめあべ🖤💚
いや~、佐久間の「めちゃくちゃアニメじゃん!」に思わず声出たわ(笑)。でもわかる、黒い羽の堕天使に抱えられて腰支えられたって、ガチでドラマのワンシーンすぎる。主人公の「また会えるのかな」が甘酸っぱくて胸キュンしちゃった。続きめっちゃ気になる!