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─追憶、孤独と渾沌が私を包む─
あぁ、私はどれほどここに閉じ篭って居たのだろう。私は、自分の孫のゼウスに、魔法少女を倒してみないかと言う提案を受けた。それに私は承諾した。
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それはどれほど前だっただろう。あぁ、どれほど前だったか忘れそうになっても、今でも覚えている。
あぁ、それは神話の通りさ。ただ、自分の子を暗黒界(タルタロス)に閉じ込めた事により、男性器を我が子のクロノスに切られた。そしてその後、私も閉じ込められた。けれど、私には”アイツ”がいた。
渾沌(カオス)。私が生まれた時から何故かいた、黒いスライムの様な奴だった。
ただソイツは、一人で居る私にずっと寄り添ってくれたし、愛してもくれた。
ただ、それだけだった。私が愛されて何の意味があるのかも知らず、愛を欲した。
何故だ。何故私はそうしてしまったのだ。
時の流れも忘れ、ただただ愛を欲する。その度に私は快楽に溺れていく。
太陽の光も浴びれず、天井の岩に描かれた偽りの星空を眺める。
たとえ老いたとしても、私は私のままでいる。ソレが私でいれる方法だった。
とある日、クロノスがこちらへと来た。ゼウス達との戦争に負け、閉じ込められる事になったらしい。
その日から、私は一人では無くなった。
とにかく私は、クロノスに無償の愛を溢れんばかりに注ぎ込んだ。
あぁ、何と愛おしいことか。出来ればずっとこのままでいたい。
だが、その時はやがて終わる。
ゼウスから、魔法少女を○さないかと、提案された。
私は承諾した。何故なら、また太陽の光を浴びれると思ったからだ。
私は前にも、1度だけ、ゼウスを抱きしめた事があった。
その時は、とても暖かく、私にしか感じれない “太陽の香り”がした。
だが、前とは違って、その時のゼウスは、微笑み、ただ私を見つめてくる。それだけだった。
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今では、魔法少女を○し、魔法少年を連れ帰り、私の愛を注ぎ、渾沌に飲み込ませるを繰り返し、
その度に、私は外に出た。
いつの間にか、外は変わっていた。久しぶりに浴びた太陽の光は、とても暖かく、時に寂しく感じる。
人はいつの間にか、何かに手を出し、何かを作り出していた。
だが、私は…私…は…あぁ…何だ?…まぁいいか。
さて、昔話はここまでにしようか。渾沌、そろそろ行くぞ。
でも、その時は私は何も知らなかった。
いつの間にか、”支配”されていた事に。
─追憶、時の刻巣(クロノス)─
私は負けた。我が子であるゼウス達との戦争に負けた。
けれど、それは私がやってしまった過ちを償う為。その為に私は閉じ込められる事になったのだ。
後悔は無し。ただ、神々の王となった我が子に別れを告げる暇もなく、私は閉じ込められた。
閉じ込められた後はもう何も無い。時が過ぎるのを待つだけ。私は許しを得るまで、ここに居ようと決心した。だが、私は何かを忘れていたのだ。
ウラヌス。私の父上だった。
父上は…私がかつて父上の性器を切ってしまい、その後に閉じ込めていた。その後、私はそれも知らずに神の王の座を受け継ぎ、その後は…お前らの知ってる通りだろう。ハデス達が生まれた時、私は彼らを飲み込んだのだ。その時、私は飲んだはずみと、ゼウスに吐き出されたはずみで口が裂けたのだ。
父上と久しぶりに出会ってからは…すべてが変わった。ただ、父上から溢れんばかりに愛を注がれる。それが時が過ぎる事も忘れてしまう程に。父上はただ、私に愛を囁く。
その囁きは、天使でも悪魔でもなく、神でもない。私をひと思いに包み込む囁きなのだ。
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その後、私の元にゼウスが来た。私はついに罰せられる時が来るのだと恐れていたが、全く別だった。
その提案は、「時空神の座が空いているから、折角だし、父さんが時空神になったらどうかな。」と。
私はすぐに引き受け、急ぐ暇もなく私は時空神に帰り咲いた。けれど、周りの神々は軽蔑的だったが、私は気にせず、自分の役目を果たそうと決心した。
けれど、父上は私が神の座を譲り受けた事を全く気にせずに、私を愛してくれた。
今はそれが心の癒やしとなり、私を安心させてくれる。
だが、ある日…悲報が入ってきた。
我が子であるゼウスが、人間を○した事を聞かされた。
困惑の中、私は我が子にこう言い聞かされた。
「父さん、魔法少女を○してくれるかな。大丈夫、簡単な事だからさ。」
その言葉を聞いた途端、私はゼウスの異変に気がついたが、言う訳にもいかずに引き受けた。
それが私の償いとなるなら。それが心の傷となっても。私は○す事を選んだ。
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いつの間にか、日は堕ちていた。やがて夜となる空を、返り血の着いていた手で仰ぎ見る。
一刻一刻と、時は過ぎ行く。そして、刻まれていく。
私は、時を刻む秒針になりたい。そして…
また、我が子と共に過ごしたい。
─追憶、第三者でいたかったのに─
俺はポセイドン。ゼウス三兄弟の次男。まぁ…兄ちゃんとゼウスの真ん中にいる。
それと、俺は神話の通り、昔は親父の腹ん中に兄ちゃんといた。けれど、ゼウスが助けてくれて、戦争にまで発展しちまった結果、俺達が勝った。今は…親父の奴には、俺は少し反抗感を抱いている。
この話はここらへんで切っといて、本題に入るか。
まぁ…俺と兄ちゃんとゼウスは、ある日…子供が出来たんだな。まぁ、3人で出来るもんじゃないって、俺は思ってたけど、予想の斜めを行く結果が出ちまったって訳。
それで、数カ月して兄ちゃんから生まれて、その子はきっと良い子になるんだなって思ってた。
そんな訳、無いよな。
兄ちゃんが襲われたって、ゼウスから聞かされたときは他人事の様に思ってた。
けれど、悲報を聞かされた時は、俺は困惑する事しか出来なくて…なのに、ゼウスはあんなに笑顔だった。なんで笑顔なんだ?そう疑問に感じていた。
俺には関係ない。どうせゼウスの事だ。…そう思ってたのも束の間、俺はこう聞かされた。
「兄さん、一緒に魔法少女を○そうよ。」ってな。
俺は…駄目って言う訳にもいかずに…引き受けちまった。まぁ、正直後悔はしてる。
俺が初めて魔法少女を○した時は、謝りたい、でも謝れない。そんな言葉が俺によぎった。
帰ってきた時は、弟は笑顔で俺を迎えてくれた。無理矢理なのか、無意識に作った笑顔が、俺には切なく見えてしまった。なんてこんなに俺は愚かなんだろう。
俺は関わりたくなかったのに。俺は第三者でいたかったのに。何で関わっちまったんだろう。
兄ちゃん、俺はどうしたらいいんだ?って俺はそう聞きたい。
久しぶりに我が子の顔を見てみた。彼はまだ幼く、今は寝ていた。けれど、俺は少しだけ…いや、何でもない。……あぁ、哀れで愚かな俺を…誰か救ってほしいのに。
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今となっては、俺は普通に魔法少女達を○していた。その度に、兄弟と愛を誓っては交わる日々。
俺にはそれが当たり前になってた。けれど、少し罪悪感はある。でも…これが家族の為なら…
俺は神の座を捨ててでも、非道に走っても構わねぇ。そう誓う。
─Prolog③ Fin─