テラーノベル
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如縣 遼太
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魔王軍の重要拠点を翌日に控えたその夜。討伐隊のキャンプは、いつもと変わらない圧倒的な明るさに包まれていた。
「よーし! 明日はついに大物との決戦だからな! 今夜は景気づけにドカンと盛り上がろうぜ!」
大河蹴介が焚き火の前に立ち、弾けた笑顔で両腕を広げる。その太陽のような明るさに、引き締まっていた空気は一瞬でいつもの賑やかさを取り戻した。
「じゃあ俺、明日の勝利を予言する一発ギャグやりまーす!」
笠原裕人が焚き火の明かりを浴びながら全力でネタを披露すると、キャンプ地は爆笑の渦に包まれた。
「ギャハハ! 裕人、お前それ決戦前にやるギャグじゃねえって!」
井上泰輝が、まあまあイケメンな顔をクシャクシャにして笑い転げ、愛用の白球をポンポンと空に放り投げる。
「まぁ、明日の戦いも俺が特大のホームラン打って、全員で生きて帰るだけだけどな!」
「全く、明日がどんなに危険な戦いになるか、分かっててそんなに騒いでるわけ?」
緒方晴翔が、腕を組んでフンと鼻を鳴らした。童顔の顔を険しくさせているが、その目は焚き火の炎を反射して優しく揺れている。
「…まぁ、お前らが騒がしいのは今に始まったことじゃないし、明日も僕が完璧にディフェンスしてやるから、せいぜい後ろで安心してバットでも振ってなよ。別に、お前らの心配をしてるわけじゃないからね」
「相変わらず素直じゃないね、晴翔は」
末田渉がメガネの位置を直しながら、冷ややかな、しかしどこか楽しげな口調で割り込む。
「僕の完璧な戦術計算があれば、前衛がどれだけ無茶をしても死なない確率は98・7%だよ。…まぁ、計算通りに動いてくれないと困るから、一応明日は僕の視界から消えないでよね」
ツンデレ2人のいつものやり取りに、周囲から「お、出た出た!」と冷やかす声が上がる。
「はは、2人とも本当に頼もしいよ」
上埜瑠偉が、美しい顔に爽やかな笑みを浮かべて、2人の頭脳戦(?)を見守っている。瑠偉の頭の中にはすでに明日のシミュレーションが何通りも組み立てられていたが、今はただ、この愛おしい仲間たちの笑顔を目に焼き付けていた。
「はいはい、明日はいっぱい動くんだから、今のうちにこれ食べてね」
お人好しの檜村賢太が、聖水で煮込んだ特製の具だくさんスープを全員に配って回る。
「みんなが笑ってると、僕も不思議と負ける気がしないんだ。明日も絶対に大丈夫だよ」
「…ん。賢太のスープ、ちょっと熱すぎ。でも、味は悪くない」
綿部翅が、可愛い顔でスープをフーフーと冷ましながら、至って普通のトーンで呟く。
「明日も足の速さなら負けないし、普通に戦って普通に勝とう」
「あはは! 翅は相変わらずブレないなー!」
石神秀都が、素の明るい笑顔で翅の肩を叩く。
「明日はどんな敵が出るかマジで楽しみ! 俺のスピードで攪乱して、一気に仕留めてやるぜ!」
「…フッ。全員、良い面構えだ」
最後に長田零が、完璧な容姿のまま静かにスープの器を掲げた。
「これほどの絆を持った俺たちだ。どのような敵が来ようとも、決して揺らぐことはない。明日は我が討伐隊の真価を見せる時だ。」
「おう!!!!」
10人の乾杯の声が、静かな夜の森に響き渡る。笑い声、ツッコミ、そして未来への希望。そこには一切の異変も、不穏な空気もなかった。彼らは間違いなく、最強の、そして最高の10人だった。
翌朝、彼らを待ち受ける魔王軍幹部の影など、誰も知る由のないーー
これが、第参期魔王討伐隊の、最後の明るい夜だった。
コメント
1件
うわぁ〜〜〜〜!!😭💕 このエピソード、めっちゃ尊いんだけど!!! 焚き火を囲んでみんなで笑い合うキャンプの夜…最高の仲間感が溢れてて、読んでてこっちまで温かい気持ちになったよ🥺✨ でも「最後の明るい夜」ってタイトルが…怖すぎるよぉ…!この明るさが逆に不穏すぎる!! 明日の決戦、絶対に無事でいてほしい…信じてる…!! 千導さん、めっちゃエモい時間をありがとうございます…!!💖