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【器物の指輪】
最初に手に入れた収納手段で、2層目の棺から副葬品として入手した。
入手時期自体はかなり早かったのだが、その特殊性ゆえに使い方に気づいたのはかなり後になってからだった。
インベントリのない序盤に活躍し、インベントリ入手後はおさらばとなるかとも思ったが、決してそんなことはなかった。
【器物の指輪】の容量は入れるアイテムにもよるが
矢なら100本、剣なら1本とインベントリと比べて非常に少ない。
今使っている【器物の指輪】はLv2のため
最大で二種類のアイテムを入れられるようになったが、それでも
(普通矢×100本/特殊矢×1本)のように容量にはかなりの制限がある。
では何故、他の特殊な効果を持つ指輪を外してでも、ボス戦にまでこの【器物の指輪】を着けていたのか?
答えはシンプルながらに応用の利く性能だ。
最も重要なのがアイテムの取り出し。
【器物の指輪】の場合、インベントリのような操作自体を必要とせず、対象を思い浮かべるだけでアイテムを取り出せる。
これのおかげで、まるで手品のような挙動が可能になった。
戦闘時には特に、矢の補充や武器の切り替えに大いに役立つ。
例えば
・放ったそばから矢を取り出す
・無手に見せかけていきなり剣で斬りかかる
・短剣を瞬時に直剣に持ち替える
などなど
かなり自由度の高い攻撃が、この指輪のおかげで実現した。
ノータイムでアイテムの取り出しを行えることに加えて、必ず手元にアイテムが出現するのもありがたい。
インベントリの場合、取り出したアイテムは基本的に自分の目線の先に出現する。
これに比べて【器物の指輪】では、必ず手元、それも基本的に手の中に出現する。
これのおかげで後ろ手にアイテムを取り出したり、矢筒や袋などから取り出しているふりなんかが可能になった。
このシンプルながらに高い応用性のため、他に様々な効果を持つ指輪がありながらも未だに戦闘時は決まって【器物の指輪】を使っている。
そして最後に【宝箱】
つい最近ボス部屋からむしり取ってきた、ダンジョン攻略報酬の受け取り用の箱だ。
使い始めたばかりだが、現状この【宝箱】がアイテム整理の救世主となっている。
特徴は何と言ってもその容量。
元は【ダンジョン踏破の証】と【■■■■■■の鍵】の二つしか入っていなかったのだが、インベントリを圧迫していたアイテムを移してみるとその収容能力に驚かされた。
【器物の指輪】なんかと違って、入れるアイテムに制限は無いようで、入るアイテム数もインベントリに近いかそれ以上かもしれない。
ダンジョン攻略に必要ないモノはとりあえずこの宝箱に突っ込んで、家に置いておけば、しばらくの間は収納問題は解決しそうだ。
一応、問題点もある。
例えば、宝箱の入口よりも大きなアイテムは入らない。
とはいえそれも、大剣ぐらいなら縦向きにすれば入るし、今のところ入らないのは一部の大盾や例の棺ぐらい。
宝箱自体が一抱えもある大きさなため、そこまで気にする必要はない気がする。
そして、このアイテムと収納の関係から分かったこともある。
以前から「インベントリの容量は単純に体積ではない」と考えていた。
それがこのアイテム整理を通して明確になったのだ。
例えば、
スケルトンダンジョンの二層目で拾った質の悪い鉄製の剣。
スケルトンダンジョンの四層目で拾った高い効果を持ったイヤリング。
体積だけでいえば鉄剣はイヤリングの何十~何百倍だし、その重さも同様だ
だがインベントリ内では、このイヤリングが鉄製の剣と同等かそれ以上の容量を占めることがあるのだ。
これは、現実世界における体積や重さがそのままインベントリの容量ではないことを示している。
おそらくこの現象の原因は、アイテムに含まれる「魔力」の濃度の差によるものだ。
例えば特殊な素材だったり複雑な効果を持つアイテムは、占有するインベントリ容量が大きい。それは、そのアイテムに含まれる魔力量が多いからだ。
例え同じ体積の鉄でも、より多くの魔力が含まれていれば占有するインベントリの容量も大きくなる。
こう考えれば分かりやすいし、納得がいく。
この考え方は、「アイテムを収納するアイテム」にも応用できる。
例えば魔力量:1の【器物の指輪】が魔力量:10のアイテムを収納した場合。
体積・重量は変わらないが、全体の魔力量は1+10=11である。
このため収納に必要な容量は変わらない。
インベントリや収納関係では、含まれる魔力の量が重要になるのではなかろうか?
このせいで、インベントリは階層を進むにつれて加速度的に埋まり、家が下層の魔力を多く含むアクセサリー・装飾品まみれになった。
だが逆に言えば、インベントリを占める容量から
「アイテムに含まれる魔力量」=「アイテムのおおよその希少性」
を測ることが出来るかもしれない。
まあ、この仮説にも穴はある。
魔力がゼロのはずの家のタンスなんかをインベントリに収納した際にはそれなりのインベントリ容量が必要だった。
単純に魔力量だけではなく、魔力・体積・重量の組み合わせなのかもしれない。
まあ今のところはこんなところだろう。
この辺の細かい計算方法だったり魔力量の計測方法なんかは、頭のいい誰かが見つけてくれることを願う。
もし伝説の剣なんかがあったら、一本でインベントリが埋まったりして。
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異次元空間における魔力の存在
コメント
1件
第84話、読み終えました!器物の指輪、宝箱、そして魔力濃度による収納容量の仮説…こういうアイテム周りの仕組みがしっかり練られてると、世界に奥行きが出ますよね。特に「後ろ手に取り出す」「矢筒から出してるふり」といった応用例が、主人公の戦闘スタイルを想像させてワクワクしました。家が魔力の高い装飾品だらけになる話も、生活感があって好きです🌷