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#学校生活
霧夜
80
青年のワイン
或るところに正義感の強い青年がいた
ぶっきらぼうだが、青年は其の正義感の強さから保安官として活動していた。
街の人達は青年を信頼し、少年少女達は良き遊び相手として、良き相談相手として青年と交流を深めていた。
青年もそんな街の人達に支えられ保安官としての活動を懸命に行っていた
或る日、青年は何時も通り仕事を終え帰路についていた。
すると、後ろから青年に声を掛ける者達がいた
其の者達は黒い衣装に身を包み、顔はフードを深く被っている為見えない
青年は何事かと思うと、其の者達の3人が、子供達に拳銃を突き付けていた
あの少年も、あの少女も、あの高校生も、あの中学生も、全員青年と親しくしていた街の住人であった。
其の者達を束ねる統率者らしき者が行った
『子供を殺されたくなければついて来い』
青年は其の指示に従った
青年は或る工場に連れて来られた
腕を縛られ殴る蹴るの暴行を加えられた。
青年は怯えるも命乞いをするでも無く、無表情に、無関心に其の暴行を受けていた
統率者は痺れを切らし、横たわっていた為起き上がった青年の顎を掴みこう云った
『今から御前の目をくり抜く』
青年は微かに冷や汗を流した
子供達が『自分達が死ぬから辞めてくれ』と泣きながら懇願するのを横目に
『子供の目と耳を塞ぐなら良い』『目をくり抜いたら子供は逃がしてくれ』と青年は無表情に統率者に云った
統率者は其れを了承した
統率者は部下達に子供に目隠しと防音ヘッドフォンを装着させる様命じた
青年は其れをぼーっと眺めていた
『手際が良いな』、そう青年は呟いた
『訓練させているからな』と統率者は返した
『へェ、そう見ると御前は良い上司の様だな。皆御前に忠誠を誓っている様に見える』
『別に大した事等していない 』
『そうかい。何だかんだ御前とはこんな最悪の形じゃなきゃ良い友人に成れていた気がするよ』、青年は苦笑しながら云った
少し間を開け、統率者が『そうか』と少しだけ悲しそうな、無表情な表情で呟いた
準備が終わった。
青年は光を失い、永遠に闇の中を見つめる事と成った。
統率者は青年の両目をくり抜いた。
青年は短く、そして小さな唸り声と悲鳴を上げた
子供は解放され、青年に駆け寄ろうとした
が、青年は其れを静止した
『親御さんが心配しているぞ、早く帰れ』と彼は眼球を失った状態で微笑んだ
『嫌だ』『辞めて』『御兄さんを殺さないで』子供はそう泣き叫び抵抗したが、其の行動も虚しく、子供は家に帰された
そして被害者である青年を統率者は逃がすわけも無く、プレス機の近くに青年を引き摺り近寄った
青年も、此れから自分に何が怒るのか何となく察していた
『最後に云い残す事は?』
統率者が青年に問うた
青年は____
『…生きてる内に世界で1番美味いワインが飲みたかった』
そう答えた
『そうか』、統率者は冷たく云った
直後、青年はプレス機の中に投げ入れられ、
自らの肉と骨が潰れる音を聞きながら、
死んだ。
青年は目を覚ました
何故?自分は死んだ筈だ。プレス機で潰された筈なのだから身体が残っている訳が無い
混乱する頭で思考しながら自分の手を見る
……厭、何故見える?
自分の眼球は無い筈だ。
青年は混乱していた。
兎も角、先ず周囲を見渡す事が先だ。
青年は何かに寄り掛かって座るようにして眠っていた。
寄り掛かっていたものは___
自分がプレスされたプレス機だった
大量の血が飛び散っている
此れで自分が死んだのだと再確認出来た
なら何故身体が有るのか青年は判らなかった
ふと、自分が座り込んでいる場所の隣に目をやると…
1本のワインが置いてあった
其のワインは……世界で最も美味いワイン、と云われている、青年が憧れていたあのワインだった。
『……良い奴なのか悪い奴なのか、はっきりして呉れよ』
青年はワインを手に持ち、立ち上がった
工場から出ると、入り口のすぐ隣に花束と手紙が置いてあった。
此処に行け、と書かれており、見た事の無い街の名前が書かれていた。
『変な街の名前だな…』
青年はそう云いながら花束を拾い上げた
すると__花束が突然赤黒い光を放ち始め
数秒後には……銃に変化していた
此れには青年も驚いた。【此の世界】には能力というものは存在しているが、青年は能力というものを持ち合わせていなかった
『…まァ、此れも何かの導き、ってやつか』
青年は銃を持ち、手紙に掛かれていた街に__
__『Cidade dos mortos』に向かった。
青年のワイン.終わり
コメント
55件
圧死さぁん…
おぉ、圧死さんですかな
さて勘の良い方、記憶力の良い方なら此の青年の正体に御気付きでしょう 答えは此れの返信欄です