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帰り道、


『なあ、小さい頃よー行っとった神社寄って帰らん!?』


実樹は言う。



昔、よく行って蝉捕まえに行ったりお参りしに行ったり階段がよーさんあるからグリコやったりした神社がある。


「ええよ」



正直このまま帰りたくないなぁとも思ってきた自分もおった。



階段の目の前に着く。



実樹が虚ろな顔をして言う。



『なぁ信ちゃん…』


「ん?」


なんやろか。


なんかあったんか?


『…グリコしながら階段登らん!?』


なんやそれ。


思わず


「はははははは!!なんや思ったら!そんな事か!」


と笑う。


『バカにしとるやろ〜!小さい頃よーやったやんかぁ〜!』


「ほんまやな!ええよ!小さい頃に戻ったみたいやな」


『やったあ!ありがとう信ちゃん』


「おん」


『ほな負けへんで〜』


『「じゃんけんぽん」』



『あ〜負けたァァァ』


「俺の勝ちやな」


『パーやから…』


「ぱ、い、な、っ、ぷ、る」


『次は負けへんで〜


「じゃんけんぽん!」』


『よっしゃ勝った〜〜!


ぐ、り、こ!!』


________


『また私の勝ち〜!!


ち、よ、こ、れ、い、と!!』



正直今日、いつもとは違う雰囲気の大人びた実樹を見て____



「次は俺の勝ちやな、

ち、よ、こ、れ、い、と」



街ゆく人や屋台のおっちゃんが実樹の綺麗さに魅了されてるのを見て____


『追い抜くで〜信ちゃん!

ぱ、い、な、つ、ぷ、る』


実樹は綺麗になって、誰かのもんになって___大人になってしまうんか?


俺だけ置いてかれる気がした。


何段か先の実樹を見る。



『信ちゃん追いついてみ〜!!!』


そう言う実樹。


『「じゃんけんぽん」』

 

「俺の勝ちやな〜」



なぁ実樹____



どこも行かんとってほしい____



「ぱ、い、な、つ、ぷ、る」


俺を置いて____


『あ!もう追いついてくるやん!』


大人にならんとって____



ちょうど実樹と同じ段に、なった。


『も〜信ちゃんすぐ追いついてくるなぁ』


そう言って笑う実樹。


そんな実樹を


「やっと追いついたわ」


そう言って抱きしめた____










北さんの幼なじみ(2023年北信介誕生祭小説)

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