テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
くろ
464
始めに。
🖤💛+💙❤️ですが
ほぼ💛❤️です。
それでも良ければ、お進み下さい。
遊園地の喧騒の中で、岩本は情けない声を上げていた。
💛「待ってぇ!めっちゃ怖いんだけどぉ!」
❤️「大丈夫だよ、照。落ち着いて」
大学の同期であり、同時期に付き合い始めた二組のカップルがいた。
岩本と目黒、そして幼馴染から恋人同士になった宮舘と渡辺だ。
今日は付き合って一年の記念として、4人で遊園地に遊びに来ていた。
宮舘の柔らかな声に岩本が一瞬だけ安堵したのも束の間、「ギャァァァアア!」という叫び声が聞こえ、岩本の脳内は一瞬で恐怖に支配される。
彼らがいるのは、この遊園地で最も有名なアトラクション――最恐と名高いお化け屋敷の待機列だった。
事の始まりは、お化け屋敷未経験の目黒が【並ぶ】に手を挙げ、極度にビビリな渡辺が【並ばない】に手を挙げたこと。
岩本と宮舘は、お互いの恋人の意見を尊重したため結局、同票となった。
話し合いの結果、ジャンケンで決めることになり勝利を収めたのは、パーを出した目黒だった。
🖤「よし、並ぼう!」
目黒のキラキラな笑顔とは対照的に、渡辺と岩本の顔は暗くなっていく。
.
.
.
それから並ぶこと1時間半。
あと数組で自分たちの番となる。
💛「宮ちゃん…俺のこと守ってぇ…!」
❤️「照…、そこは目黒に頼まないと」
💛「ダメだってぇ!目黒はお化け屋敷初めてだもん!やられちゃうよ…!」
🖤「大丈夫だよ、岩本くん。俺がちゃんと守ってあげる」
💛「目黒…♡」
長身カップルの惚気に、なんとなく居心地の悪くなった宮舘は、一歩下がって渡辺の隣へと移動する。
ふと横を見ると、渡辺の顔はすでに真っ白でブツブツと何か唱えていた。
宮舘は心の中で(……翔太、照よりダメかもしれないな)と静かに息をつく。
.
.
.
15分後。
ついに4人の番がやってきた。
並び順は、目黒、岩本、渡辺、宮舘。
先頭が懐中電灯を持ち、後ろが前の人の肩を掴んで進む縦列スタイル。
長身の目黒を先頭になることで、怖い仕掛けが岩本と渡辺の視界に(なるべく)入らないよう配慮している。
そして最後尾の宮舘は背後から迫るお化けに対処する役割だ。
「お化け屋敷のルール上、お客さんはお化け役の人に襲われないから大丈夫」と宮舘が何度も説明した。
しかし、パニック寸前の岩本は全く耳を貸さなかった。
岩本曰く、これが【完璧なフォーメーション】らしい。
「お進みください」
スタッフに促され、目黒の大きな歩幅に合わせて4人は歩き出す。
一歩足を踏み入れると、辺りは薄暗く、ひんやりとした冷気が肌を刺す。
不気味さに先ほどまで余裕の笑みを浮かべていた目黒の顔も次第に強張っていく。
🖤「やべぇ…、いきなりめっちゃ怖くなってきた」
💛「ふざけるなよ!」
💙「いいから、しっかり歩けって!」
前3人の足元は自覚なしに小刻みに震えた。
4人が辿り着いたのは、奇妙な部屋だった。
部屋の中央には古びた一脚の椅子。
正面の壁には大きなスクリーン。
目黒が懐中電灯で椅子の背面を照らすと、そこには一枚の紙が貼られていた。
『お座り頂くと映像が流れます』
あからさまに不穏な空気を感じた。
🖤「誰が座る?」
💙「……俺はパス」
💛「俺も嫌だって…!」
目黒、岩本、渡辺の3人が身を固くする中、宮舘は躊躇うことなくその椅子に腰掛けた。
その直後、ジーッという耳障りなノイズと共に、正面のスクリーンに悍ましい恐怖映像が映し出される。
💙「うわぁああっ!!」
渡辺は恐怖のあまり両手で目を覆った。
しかし好奇心に抗えず指の隙間から覗き込んでは、新しい恐怖演出を観る度にビクビクと身体を跳ねさせる。
岩本にいたっては、完全に目黒の背中に隠れ、顔半分だけをひょこっと出して怯えながら画面を見ていた。
目黒は、スクリーンの映像よりも後ろから岩本に全力で抱きつかれている今の状況に、別の意味でドキドキしていた。
淀んだ空気が部屋を支配し、やがて映像は暗転して静かに終わる。
――その瞬間だった。
ガタッ!!
不意に、宮舘の座る椅子が大きく傾いた。
💙「あぁぁあああっ!!」
突然の出来事に渡辺は、悲鳴を上げて腰を抜かすようにその場へ倒れ込む。
岩本は目をギュッと瞑り、目黒の腰に回した腕に更に強く力を込めた。
パシャッ!
その決定的瞬間を捕らえようと、壁に仕込まれた隠しカメラのフラッシュが一瞬、部屋を白く染める。
そんな中でも、宮舘は涼しい顔をしていた。
何事もなかったかのように立ち上がると、床にへたり込む渡辺に優しく手を差し伸べる。
❤️「翔太、大丈夫?」
普段なら「平気だっ!」とツンツンした態度を取る渡辺だったが、今ばかりは素直に宮舘の手をぎゅっと掴んだ。
一方、目黒は岩本の凄まじい腕の力による抱擁に「い、岩本くん……。苦しいっ……!」と息を漏らす。
3人が心臓をバクバクさせながら、命からがらに、その部屋を飛び出した。
そこからは怒涛の恐怖だった。
次々に襲いかかるギミックに悲鳴を上げ続け(宮舘だけは周りを見る余裕あり)漸く最後の部屋へと辿り着いた。
赤から緑のランプが点灯し目の前の扉が、自動で左右に開いた。
外の光がうっすらと見える。
🖤「……やっと終わりだぁ」
先頭の目黒が安堵の息を漏らしかけた、その刹那。
4人の背後の闇から【ドタドタドタ!!!】と、何かが無数に迫ってくるような激しい足音が響き渡った。
🖤💛💙「「「うわあああああ!!!」」」
限界を迎えていた目黒、岩本、渡辺の3人は、思いきり大声をあげた。
そのまま全力ダッシュで出口の光の中へと消えていく。
静まり返った部屋。
そこには、ぽつんと取り残された宮舘。
❤️「はぁ……置いていくなんて酷いな」
小さくため息をつき、出口へ歩き出そうとした、その時だった。
『い〜れ〜て〜♡』
冷たい感触と共に、すぐ耳元で聞いたこともない不気味な声に囁かれた。
.
.
.
.
.
――その頃、一足先に出口へ飛び出していた3人は、荒い息を整えながら漸く我に返った。
💙「はぁ、はぁ……あれ? 涼太は!?」
渡辺の声に、目黒と岩本がハッとして振り返った。
宮舘を中に置きざりにしたことに気づき、3人が焦り出すと、出口からゆっくりと宮舘が姿を現した。
しかし、お化け屋敷に耐性があるはずの宮舘の顔は、かなり真っ白だった。
💙「涼太、大丈夫か!? 」
心配した渡辺が、近くにあったベンチへと宮舘を座らせる。
宮舘はぐったりとした様子で渡辺の肩に頭を預け、静かに目を閉じて休んでいた。
.
.
.
数分後。
宮舘がゆっくりと瞼を持ち上げる。
その瞳は、いつもの彼らしい輝きはなく、どこか妖しく歪んでいた。
「あ〜、やっと馴染んだ〜♡」
宮舘の口から漏れたのは、いつもよりワントーン高く楽しげな声。
💙「……え? 馴染んだって、何?」
意味のわからない3人が眉を顰めると、宮舘の姿をした【それ】は、ふにゃりとだらしなく口元を歪めて笑った。
「この子(宮舘)の身体、借りちゃった♡」
💙🖤💛「「「は……?」」」
一瞬、冗談かと思った。
しかし、目の前にいる男の仕草や喋り方は明らかに自分達の知る【宮舘涼太】ではない。
その瞬間、3人は直感する。
彼はこのお化け屋敷の【本物の幽霊】に、身体を乗っ取られてしまったのだと。
あまりの異常事態に言葉を失う3人をよそに、幽霊に乗っ取られた宮舘は悪戯っぽく小首を傾げる。
「この子から出ていってほしいならぁ〜……俺とデートしよ♡」
幽霊が指差す先にいたのは、
……目黒の恋人である―――岩本だった。
.
コメント
5件

おぉ〜!おもろそう👍