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爽矢「だから嫌つってんだろ耳腐ってんのか」 夏油「それでも愛してる…」 未希「ほぇ……?」
この夏油は誰が奥さんかな~
妻だった、人がいた。
私はその人を犯罪者とずっと、今迄思っていたんだ。
でも、違った。
違ったんだよ。
途中迄、一緒に暮らしてた。
「本当にこの人が犯罪者か?」
そう思ったこともあった。でも。
私は
「でもこの優しさもどうせ、表だけだろう」
それで、片付けてしまったんだ。
後悔しても、しきれないんだ。
理子ちゃんも、黒井さんも。
生きてた。
ある人が保護してくれたと。
垂れ目で、髪の毛が長くって。
優しい。
そんなのもう、あの人しかいないって。
思ってさ。
私は、なんてことをしてしまったんだろう。
もう一度謝りたい。謝りたいんだ。
それで、私はあわよくば。
もう一度。やり直したいと。
思ったんだ。
きっと、あの人は優しいから。
今になってそんなの、赦してくれるだろうと。
そんな事もないのに。
優しい。そんなところだけしか見てなかった。
芯の強い女性だったという事は。見てもなかった。
ずっと追い掛けていた。ずぅっと。
もう永遠に現れもしないかもしれない。
そんな事は絶対に無いと。信じたかった。
でも、7年。
7年ずっと。
もういないかと思って。
でも。諦めなかった。
絶対に。
見つけてやると。
呪霊が怖いあの人に、呪霊を使って捜させようとしなかった。
自分で見つけて。
謝りたかった。
赦してくれなくてもいい。
殺そうとしてきても、私はちゃんと殺されたい。
君の手で。
それ相応の事をしたと思うから。
とある遊園地で。
朝倉未希、という男の子がいて。
その子が迷子だったんだ。
狐みたいな三白眼。
あの人に似た大人しめの髪。
何よりも、苗字が朝倉なもんで。
反応してしまった。
私の顔にも、あの人の顔にも、
似ていたから。
それで、母親を見つけたんだ
垂れ目で、大人しめで。
何よりも、名前。
その言葉に、反応してしまった。
”爽矢お母さん”
お母さん?
其処でやっと気付いたんだ。
私はこの人を散々苦しめてきた挙句。
孕ませてもいた。
私って最低だな。
本当に。
自分が憎らしいよ。
殺したくて仕方がない。
爽矢、君に気付かないなんて。
私って本当に。
その時君が行こうとして。
手を掴んでしまった。
どうしても引き留めたくて。
恋人繋ぎで、掴んでしまった。
そんな事する資格も、手を繋ぐ資格もないのに。
別れを告げられてしまった。
当たり前だろう。
なんで残念がっている私がいる?
この仕打ちは当たり前だろう?
散々苦しめて来たツケだろう。
なのになぜ。
あぁ、
結局私も好き”だった”んだな。
いや、今も好きなのか。
行かないで
今よりもずっと幸せにさせたい。
ごめんなさい。
だったら、高専で引き取ればいいじゃないか。
そんな声が聞こえた気がした。
あーあ、私の悪い癖だ。
欲しい物は、すぐに匿って、外堀を埋めて、自分の物にしてしまう。
ニヤついてしまった。
駄目だと分かっていても
だからなんだと言う?
また、好きにさせればいいじゃないか。
高専に連れて帰ってしまった。
本人が嫌だと言っているのに。
もう駄目だな、引き返せない。
出来なかったプロポーズも、渡せなかった指輪も。
もっと経ってから。
渡そう。
どんなに否定されても。
ずっとし続けるよ。
爽矢。
ごめんね。私のせいで。
せめて、受け取ってくれるだけでいいから、
それだけでいいから。
今度は君が抱かれていない状態で、
「愛してる。」
その一言だけでいいから。
言ってくれないかな。
今日もそんな淡い期待を抱きながら、
君にプロポーズと花束を渡して、
生徒達に訓練やら体術やらを教える。
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完
夏油 傑
朝倉爽矢の旦那の夏油でした。あの後実は攫って高専に持ち帰った。否定されても何度でも立ち上がる。嫁も息子も愛している。高専では名物になっている。絶対にまた好きにさせてやる。そう誓った。
おハム
強いて言うなら「薬屋のひとりごと」の猫猫とフォンシェンと羅漢みたいな感じ。この親子実は気に入ってる。明日は寝ないようにしようか。