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「やめろ!はなせ!」
「….無理です」
男の人、力、強い!
これじゃ、引き剥が、される!
必死になって抱きつく
タヒにかけの人を助けるために
少しすると向こうの力が突然抜けた
今度は懇願された
やめてください、離してください
この人はもうタヒぬ気らしい
でも、そんなことはさせない
なぜ人は辛いとタヒを望むのかなぁ?
まだ生きてられるのに
タヒを強制されてる人間への冒涜だと思う
捨てるくらいならその命、私に頂戴!って思う
やがてその人は自分の辛さを話し始めた
彼は私とは真逆の苦しみを抱えていた
私の知らない世界を生きてた
辛いだろうなぁ、タヒにたくもなるだろうなぁ
でも、それはやめてほしいなぁ
羨ましいとか、ムカつくとか、そういう訳では無いと思う
ただただ命を投げ出すことをやめてほしい
その一心で彼を浜辺へと運ぶ
彼の苦しみを知ったら、余計にタヒなないで欲しくなる
思わず彼に回した腕に力が入る
重たい、抵抗だってされるし
ちょっとずつしか動けない
でも、ちょっとずつでも確実に彼は生へと近づいている
近づいてはいるけれど、時間をかけすぎれない
今は冬だ、路地樹に電飾がなされる季節だ
彼が浸かっている水は刻一刻と彼の体温を奪っている
これだと、浜辺へ出れたとしても彼はタヒぬ
それじゃ、ダメなんだ
彼はまだ生きている
これからもタヒが確約されてるわけではない
いずれはタヒぬかもしれないけれど
彼のタヒに時は今ではないはず
一心不乱で浜辺へ彼を運ぶ
なるべく早く着かないと
あやちゃんは携帯で電話をしている
おそらく助けは来る
なら彼はまだ助かる
助かる可能性があるのに捨てはしない
彼は自分の人生を諦めてるかもしれないが
私は彼の命を諦めない
後ろへ徐々に下がっていく
1歩1歩踏みしめる
今、私じゃないと助けられない
私がしなかったら彼はタヒぬ
今、私がしないと、!
彼は完全に抵抗をやめた
諦めたのだろうか?
少し動きやすくなった
これなら出来る!
足首くらいしか浸からなくなってきた
もうちょっと、もうちょっと!
あやちゃんが駆け寄って来た
手には私の上着を持ってる
あやちゃん!ナイス!
水から完全に上がった
あやちゃんが通報した事を教えてくれた
上着を私に渡そうとしてくれた
彼に渡すよう言った
あやちゃんは躊躇った
私から渡すことにした
困ってるような顔をされた
そりゃそうだろう
タヒにたいと思ったんだ
タヒのうとしてたんだ
生には、近づきたくないだろう
でも、私はそれを許さない
遠くからサイレンが聞こえてくる
これが私達のためのならもうすぐ着くだろう
もうすぐ彼は助かる
救急車とパトカーが視界の端に現れた
中から人が出てきた
これで安心だ、
あやちゃんに初めの対応をしてもらった
話が終わったのか、こちらを向いた
関節は正常に動くか聞かれた
私の心配はいいんだけどなぁ
「上着とかないの?」
上着を着ろって怒られた
全て終わったって安心したら急に寒くなってきた
さっきから私は震えてたらしい
全く気づかなかった
遭難した人が渡されてそうな上着渡された
めちゃ暖かかった
ちょっと丸くなって上着羽織ってパトカーに乗る
「めちゃ犯罪者みたいじゃん!笑」
「りんりんは、呑気やねぇ」
初めて乗るパトカーにテンション上がってたら
なんで助けたのか聞かれた
助けなきゃって反射で思っただけだから
別に大した理由はない
あとは命を捨てないで欲しかった
飢餓で苦しむ地域の人が食品ロスなんで知ったら怒るのと一緒だと思う
どうせ人はいつかタヒぬんだ
だったらどうせなら最後は幸せな時間で居たいと思う
辛い時間で終わるだなんて私だったら耐えられない
だから彼にも最後は幸せな気分でいて欲しい
辛いからタヒぬだなんてやめてほしい
彼はなんだか驚いたような表情をしていた
「ん、君達はもう帰っていいよ」
「風邪ひかないようにね!」
警察署に着いたらすぐ私とあやちゃんは帰された
「あやちゃん!マジごめんね!」
「全然大丈夫だって!」
「てんきゅ!とりま送るわ」
「えー!?いいのにぃ」
「にしてもあの人って、」
「え!りんりんも思った?」
「霧雨陽斗くんじゃない?」
「だよね!?」
「え?てか霧雨くん下の名前陽斗なの?」
「えー!?あやちゃん知らんのん?」
「うん、初めて知った」
「にしても霧雨くん家、大変っぽいね」
「あ、着いた」
「もう大丈夫じゃけ帰り!」
「え?でもあやちゃん怒られん?」
「いや!大丈夫っしょ!じゃあね!」
「う、うん、じゃあね?」
1人で歩く帰り道はなんだか寂しかった
「うぅ、さぶ!」
私は帰路を急ぐことにした
ガチャ
「ただいまでーす!」
「よ、よかったぁ、心配したんだから!」