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おお、第7話お疲れ様です! 今回は芦兆の葛藤と月二夜の背景が重なって、めちゃくちゃ刺さりましたね…。 夜中に逃げ出して一人で濃い味の飯かきこんでる芦兆、おっさんすぎて笑ったけどw それでいて「覚悟までは持ってない」って言う誠実さが沁みる。月二夜の「ここにいさせて」って体の訴えと、涙声の告白シーンはグッときました…。 ちゃんと拒絶せずに受け止めるところが芦兆のカッコよさだよな。次回も楽しみにしてます🔥
あれから、俺の理性が引きちぎれる前に月二夜は眠りについた。
しかしこのまま密着してても危ない気がするのでなんとかして抜け出したい気持ちではある。
てか会って初日で夜這いとか狂ってる、発情期かよ。
月二夜を起こさないように布団を抜け出し部屋から出る。
することもないので夜食でも作って居間でテレビでも見ながら食べることにする。
時間が気になりすぎてたので台所の壁にかけてある時計を見るとまだ午前1時、言売はまだ帰ってきていない。
むしろ言売にこんなところを見られでもしたらたまったもんじゃないだろう。
ご飯は炊飯器に余っていたのでさっさとおかずを作る。
朝しか食べてなかったのでガッツリしたものが食べたい。
適度のサイズに切った野菜と豚肉と味付けを鍋の中にぶち込んでかき混ぜてタレごと白米を盛ったどんぶりに乗せれば完成(超適当)。
この時俺のこだわりはとんでもなく味を濃くする。
もはや調味料を直接すすってるんじゃないかと思うぐらい濃くする。
これが背徳的にうめぇ。
食べる時はタレのせいで米が崩れるのででかいスプーンでかきこむ。
2口、3口か食べ進めたら味変!
ただでさえ味が濃いのにここで追い一味!
やっぱ暑くなる季節は熱いもの食べて汗をダラダラかきながら食うのが最高だ。
タレがしみしみな時によくある…最後にタレがそこに溜まってる時…。
その時はどんぶりを持ち上げ口の中に流し込む!
1口、1口丁寧に味わう…。
あまりの濃さに脳がドーパミンで溢れかえる。
そして食器を片付けるついでに冷蔵庫でキンキンに冷やしたコ○ラ…。
甘党である僕には糖分補給も兼ねて口の中の油っこさもリセット…。
初めて開けた時、ふーってして中の白い空気抜きたくなるの俺だけかな。
「ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…」芦兆
さっき溢れたドーパミンが炭酸の刺激で全身に津波のように押し寄せる。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ…五臓六腑に染み渡るわいいいいあああ」芦兆
きっとこの時の俺は言売よりもおっさんだろうな。
食器の後片付けと歯磨きは忘れずに。
部屋に戻ろうとは思うものの、あいつが占領してるし…。
俺の部屋で…俺の布団で………いやいやいや、考えてはならん…。
男であるせいか、今までに感じたことの無い欲望が俺の脳内で蹂躙し続けている。
居間に布団敷いて寝るかー。
居間の隅に折りたたんである布団を敷き直し…てかこれ月二夜が朝寝てた布団だったな…。
そう思いつつ布団の上で横たわる。
………さすがに1日程度じゃ匂いは染み付かない。
そういえば父方のおじいちゃんとおばあちゃんはいつも居間で寝ていたことを思い出す。
おじいちゃんは外の景色が見える大窓のそばで、おばあちゃんはその反対側の部屋の端で。
今思えば居間は本来そんな場所じゃない、家は地味に大きく部屋もいくつかあるのだからそこで寝ればいいのにと思ったのだが…。
よく考えたらお父さんの兄弟は言売の他にそこそこいたらしく、特に子供の頃は部屋がなくて仕方なくここで寝てたのだろう。
その兄弟達は各々各地で元気に暮らしているらしい。
そう考えているうちにまた眠くなってきたのでいつも布団のそばに置いてあるリモコンを手に取りテレビの電源を切って眠りについた。
──朝。
すぐ隣から言売の鼻声と料理を作る音が聞こえて目が覚めた。
そういえば居間で寝ていた。
いつも通り水を飲みに台所へ向かう。
「あおはよ、そういえばなんで今日そこで寝てたんだ?」言売
「それは………」芦兆
なんて答えればいいんだ。
月二夜に夜這いされて怖くて逃げ出したなんて言えない。
それに言売に起こしてもらうにしても今俺の部屋に…。
連れ込んだと勘違いしてなんて言われるか…。
「はよござますぅ…」月二夜
「あ、おはよ」芦兆
奇跡的に眠そうな本人登場!!
「おはようお嬢さん、そういえば今日はどこで寝てたんだい?」言売
月二夜は明らかに頬を赤らめ目線を逸らす、裾を両手で握りしめ口は開かぬままもごもごとさせている。
「なんだよ二人して…」言売
「いいだろ別に、ほら飯焦げるぞ」芦兆
「あああいけねっ…」言売
月二夜の様子を見るに、まだ脈の力を制御できなくても記憶はあるみたいだ。
「芦兆さん、ちょっと…」芦兆
月二夜が俺の袖口を掴んで小声で呼んだ。
ここでは話せないことなのか袖口を掴んだまま廊下を歩き、俺の部屋を通り過ぎ奥の大間へと向かった。
窓は西側にあるため、この部屋はこの時間帯はまだ薄暗い。
「ごめんなさい…」月二夜
月二夜は振り返り俺の目を見て急に謝った。
「何がだ?」芦兆
「いや、夜にあんなことをしてしまって…まだ知り合ってばかりなのに…気持ち悪いよね」月二夜
「…じゃあなんであんなふうになったのか教えてくれないか」芦兆
そういうと月二夜は再び目を逸らした。
これはきっとあまり言いたくないものなのだろうと勝手に脳内で処理されてあまり気にしないようにしようとした。
「そろそろ朝ご飯だ、行こうぜ」芦兆
部屋から出ようとした時、先程とは違い俺の左腕をしっかり掴んで引き止めた。
きっと勘違いして欲しくない何かがあるんだろう。
…ダメだ何を考えてるのかわからん、誰かと全然関わりもしないせいでどう答えたらいいかもわかんないし言売助けてくれよぉぉぉ…。
「ここに来る前は…私が私でいられる場所なんてなかった、私を認めてくれる人なんていなくて、その時までは自分を押さえ込んで生きていればいいやって思ってた、でも…やっぱり苦しくて…抜け出したらここに来たの…完全な言い訳だけど、芦兆さんは芦兆さんとして優しい人だって分かって、安心した…その反動なのかな…なんか、変に調子乗って昂っちゃって…ほんと、嫌な気持ちにさせちゃったよね…そろそろ…そろそろ………帰らなきゃ…」月二夜
涙声になりながら小さな声でそう呟いた。
文言では言い訳とここにいることを諦めているものだが体は正直だ。
それでも月二夜の両手ははこれまで以上の力で俺の腕を掴んでいる。
俺には「ここにいたい、ここにいさせて」、そう訴えているように感じた。
「俺は優しい人じゃない、本当に不快なら今の月二夜にだってそう言う、俺にその気がないうちは好きなだけここに居ればいい」芦兆
「………わかった」月二夜
こういうのは得意じゃないから目を見て言えなかったが俺なりに素直な気持ちだけは口にしてみたつもりだ。
「…あと、そろそろ腕が痛い…離してもらえると…」芦兆
「あっ!ごめんなさい!」月二夜
やっと俺の左腕が開放された。
相当拒絶されたくなかったのか指の後がすごい。
「ふぅ…でも、ああいうのは本当に心に決めた好きな人にしときな…面倒は見るけど、俺はそれ以上の責任をとれる覚悟までは持ってない」芦兆
「………」月二夜
「ほら朝ご飯もう少しで出来るし早く行こうぜ」芦兆
「…うん」月二夜
先程の濁った表情が少し明るくなった気がする。
でもやっぱり何かまだ物言いたげな雰囲気を醸し出しているようにも見える。
まだ若いし色々考えてしまうこともあるだろうからそれ以上は触れないことにした。
羽海汐遠
13,131
つばのさら
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