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ども、主です。それでは本編どうぞ!
ーNoside
ガタンッ…ガタンッ
馬車だろうか。大きな揺れで❤は目が覚めた。気づくと、袋から抜け出ていて、💜や💙も眠っていた。その隣には、桃華が座っている。
桃華「よく眠れた?」
桃華はにっこりと微笑む。❤はこの女に悪意があるように見えなかった。昨日までのあの恐ろしさはどこへ行ったのかと質問したくなるほどに。
❤「、、、ここは?」
桃華「ここは馬車の中よ。今、私は狛一族のお世話になってるわ。」
❤「どうして、一族と手を組もうなんて、、、。」
桃華「そこまではお兄様に聞いていないようね。私のお母様はここの一族出身なのよ?」
❤「そうなんですか、、、。」
気絶していてよくわからなかったが、確か💙の祖父が現皇后の実父であること。そうすれば、💙の一族はこの国の反逆者と捉えられる。もし、そのことが分かってしまったら、💙も桃華も殺されかねない。❤は自分の憶測な考えが当たらないことだけを祈った。
❤「、、、ねぇ桃華さん、もしかして、💗様の権力を奪おうとしたのは、貴方ではない、誰かの望みだったのでは?」
桃華「、、、ふふっ、❤さんは勘がいいのね。」
❤「、、、じゃあどうして、、、。」
桃華「兄を溺愛してたのには変わりないわ。でも、それだったらお兄様の権力までは私は奪おうとはしないわ。、、、嫌がらせしてしまったのは確かに反省してるわ。誰だって、独り占めしたくなるようなものはあるのよ。」
彼女はにっこり笑う。❤は黙って聞いているしかなかった。他の2人はまだ寝ている。相当疲れているんだろう。
桃華「、、、でも、あんなことをしてまでお兄様の権力を奪おうとしたのは、、、お兄様自身の望みだったからよ。頼まれてはいないけど。お兄様は権力者になることを拒んでいた。お兄様は生まれながらに皇帝にいずれは即位しなくてはならない身。私は、もしかしたらそれがいずれお兄様の心を蝕んでしまうことになるのではって思ったの。」
❤「、、、行き過ぎた気遣いってやつですか、、、?」
桃華「ええ。『お兄様がこれ以上苦しむなら、いっそのことこの不平等な世から開放してしまえばいい』って。頭を冷やした今思えば、随分我ながら物騒なこと考えたわ。」
❤は何も言うことができなかった。あんな非行の裏側はこんなふうになっていたのだと。まるで、物語の結末から読み聞かされたような感情だった。そんなことを考えている間に、目的地に着いたようだった。❤は他の2人を起こす。眠そうな目を擦って、「ここどこ?」なんて間抜けな声で聞くものだから、❤はプッと吹き出す。
桃華「私について来てちょうだい。」
すたすたと桃華は歩き出す。❤たちは黙ってついていった。しばらくすると、大きな神殿が見えた。これが、現皇后と💙の祖父の生まれ故郷か。💙はそんなことを考えていた。💜はというと、脱出作戦を考えているらしく、何かを手のひらに書いていた。
💜「、、、俺たちに何をなさるおつもりで?」
桃華「別に大したことじゃないわ。人質って言ったほうがいいんだけど、人聞き悪いかしら?」
💙「僕達を人質にしてどうするんだよ。」
桃華「、、、別に大したことないって言ってるじゃない。ただ、あそこで過ごしてもらうだけよ。旅行の一環として考えてほしいわ。」
桃華はちらっと❤を見る。まるで馬車の中で言っていたことを言えとでも目で訴えているようだ。説明が面倒くさいのだろう。それとも、ただ自分だと説得力に欠けるのか。
❤「と、とりあえず、神殿探索しよ〜」
💜「珍しいね。❤くんがこんな状況でも怖気づかないなんて、、、。」
💙「頭でも打った?」
❤「打ってない!ほら行くよ!」
💜・💙「は〜い。」
彼は、2人の手を引っ張っていった。そう、それが❤なりの桃華を支えたい思いだった。
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