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それではごー!
注意事項
・暴力、暴言あり ・主人公が一話とまるで性格が違う ・色々やヴぁい ・誤字脱字あり ・語彙力皆無
・御都合展開存在 ・全伽羅情緒不安定
「・・・ぃ・・・ぉい・・・」
・・・暗闇の中で、誰かの声が聞こえた。
低い・・・男の人の声・・・。
「ぉい、おい・・・さっさと起きろ・・・」
段々男の人の声が大きくはっきり聞こえるようになってきた。
でも、まだみぞおちの辺りが痛い・・・。叶う事ならもう一寸だけ寝ていたい・・・
俺はまた意識を手放そうとした。
然(しか)し、行き成り左腹に激痛が走る。
_どかっ
「ッさっさと起きろ糞餓鬼!」
「ぐぇッ!??」
がまがえるの様な自分の声と同時に、体が一秒くらい宙に浮いた。後、即座に硬い地面に叩きつけられた。
「!? !???!!!・・・???」
状況を上手く咀嚼(そしゃく)できず困惑に陥る。
痛みに耐えながら顔を上げると、一人の青年が視界に映った。
年齢は・・・雹さんと同じくらいだろうか。 緑色の髪を高い位置で一つにまとめている青年だった。目は猫の様に釣目。チョコレートの様な茶色の綺麗な瞳だった。
「・・・」
此の青年には見覚えがある。
どこかで・・・。あ。
一つ思い当たる者がいた。
「報告書読んでた人だ。」
そして俺のみぞおちに打撃打ち込んだ人。
彼は機嫌が悪そうに舌打した。
「チッ、やっと起きたか。糞餓鬼。」
え、くそがき・・・?
寝起き一番、真っ先に浴びせられた言葉が罵声。 ・・・ショックだ。
「あ、御早う御座います・・・?えと・・・名前は・・・」
「志那都(しなつ)だ。」
彼はふん、と答える。
「志那都さん・・・。」
「・・・!、そうだ。」
俺がさん付けしたことが少しうれしかったのか、志那都さんはやや満足気に頷いた。
若しかしたら怖い人じゃ無いのかも知れない。俺の心がふわりと浮き上がった。
・・・然しその期待は即座にへし折られる。
「糞餓鬼、一寸此の建物ン中案内してやっから付いてこい。」
志那都さんは俺を置いて歩を進めた。
糞餓鬼・・・。俺一応十五歳なんだが・・・。
そう思いつつも俺は素直に志那都さんの背中を追いかける事にした。 他にすべきことも無さそうだったから。
「・・・!・・・」
部屋を出た時気付いた。俺が寝ていた_正しくは気絶していた_部屋は装飾が施されたドアの部屋だった。あの、会議を行っていた部屋。
志那都さんはドアの木目を指でなぞりながら説明してくれた。
「此処は御前も分かってると思うが、会議室だ。俺達の会議は大体此処で行う。まぁ偶(たま)にパーティ会場に使われたりもする。」
「はぁ・・・成程です。」
次に俺が志那都さんに連れてこられたのは奥まった所にある白いドア。なんだか鼻につんとくる独特な香りが漂(ただよ)っている。
「此処は医務室だ。怪我した時は此処に来ると良い。」
「分かりました。」
俺が返事をすると志那都さんは廊下を二、三歩歩いた。後、何かを思い出したのか足を止めた。
「おい、糞餓鬼。」
「? はい。何ですか?」
志那都さんはゆっくりと此方に振り向いた。其の時の志那都さんの目は獣の様に鋭かった。 ・・・其れはもう・・・顔から血の気が引くほどに。体が硬直する。 まるで蛇に睨まれた蛙になった気分だ。
「此れは必ず守ってほしい事なんだが・・・用が無きゃ此の部屋は使うなよ。用が有っても出来るだけ居座るのは短くしろ。絶対に、だ。」
最後の「絶対に」を強く、本当に強く強調し、志那都さんはまた歩き始めた。
何故医務室に滞在する事が其程駄目なのだろうか。 消化しきれない疑問が俺の腹に残った。
他にも色々回った後、次に連れてこられたのは地下。先程の廊下とは遥に雑・・・否、それは失礼か。簡素な設計だった。
「此処、もしかして・・・」
「そうだ。此処は主に罪人を閉じ込めるために作られた・・・所謂(いわゆる)監獄だ。因みに御前が居た部屋はあすこだ。」
志那都さんが俺の肩の奥を指さす。彼の指先を見るとドアが開けっぱなしの部屋が在った。
部屋の中にあるのはベッドのみ。ああ、見覚えがある部屋だ。
あの部屋を見て、俺は不安を覚えた。
「俺はまたあすこに閉じ込められるんですか?」
俺はもう、あすこには絶対に入りたくない。
俺の気持ちが伝わったように、志那都さんははっきりと否定した。
「否、御前は当分あすこには戻らない。ってか、そもそもまた閉じ込めるなら俺が態々(わざわざ)時間割いて建物案内すると思うか?」
志那都さんは白い歯を見せて二ッと笑った。
「・・・思いませんね。」
「な?だから安心しろ。」
志那都さんは俺を元気づけようとしてくれたのだろうか。志那都さんの「安心しろ。」という言葉から俺はそう都合よく受け取った。
其処迄考えた後、ふと疑問が頭に浮かんだ。
「・・・ん? じゃあ俺の次の寝床は何処に?」
「あァ・・・其れなんだが・・・一寸御前には悪い事しちまってな・・・」
志那都さんが申し訳なさそうに口ごもる。
「え、もしかして・・・野宿とかですか?」
志那都さんは再び首を振ってはっきりと否定。
「そういうんじゃねぇ。ちゃんと屋根もあるしベッドもある。」
「じゃあ何故・・・」
屋根もある上にベッド・・・。いい部屋じゃないか?
俺は疑問を頭にぽこぽこ浮かべながら志那都さんを見つめる。
彼は顔を顰(しか)めていた。此れ以上聞くな、と言うように。
「・・・。」
俺は彼の意に従い、此れ以上深く聞くのは辞めることにした。
二分弱歩いた後、志那都さんが足を止めた。
彼が足を止めたのは無論一つのドアの前、亜麻色の頑丈そうなドアだった。 此の廊下は他にも似た様なドアが幾(いく)つもある。
「此処は俺達の寮だ。一部屋に二人ずつ住んで、同じ部屋で寝起きする。だから部屋が同じ奴は同居人・・・ルームメイトになる。」
そう言い乍ら志那都さんはドアの中央周辺を軽くノックした。すると案の定中から明るい返事が返ってきた。
「は~い!」
_がちゃ
部屋の中から俺のこれからのルームメイトが元気よく登場。彼は俺に手を振りながら声を弾ませた。
「やっほ~、うり君!御久(おひさ)~」
「どうも・・・って、雹さん!?」
部屋から出てきたのは、他ならぬ虎白雹だった。 そう、あの眼帯男。
「・・・えっと、志那都さん、これ・・・」
俺は雹さんがルームメイトって事ですよね?の意を込めて志那都さんに目を向ける。 志那都さんは憐(あわれ)みの目で頷いた。
御愁傷(ごしゅうしょう)様(さま)、とでも言うように志那都さんは顔の前で手を合わせる。
「そう、ですか・・・。」
俺の口から力のない声が漏れた。
「俺は隣の部屋にいるからなんかあったらすぐ呼べよ?」
_そう言って、志那都さんは部屋を後にした。
志那都さんが居なくなった後、雹さんは俺に向き直り、笑顔で手を差し出す。
「え?」
「ほらほらうり君、握手握手」
にぎにぎと手をぐーぱー動かす雹さん。俺は言われるまま彼の手に自分の手を重ねた。
「じゃ、うり君改めてよろしくね。」
「宜しくお願いします。」
ぎゅ、俺達は握手を交わした。
俺と手が離れた時、雹さんがふふ、と笑みを零した。
「なんか、前に一回こういうのやったよね?」
俺は頷く。
「確かに一回握手してましたね。半月前。」
監禁された日。あの時が俺と雹さんの初めての会話だった。 数ヶ月前に感じる事だが、あれからまだほんの半月しか経っていない。そう感じる位ぐらい、あの監獄生活は絶望的に苦しかった。
「もう、あんな目に合うのは御免です。」
そう言ったとき、顔が引きつって苦笑いの様な表情になった。 雹さんは他人事のように再びはははと笑う。
「御疲(おつかれ)様(さま)。此れからは余程の事でもしなけりゃあ、あすこには入らないから、だいじょぶだよ」
けらけら笑う雹さんに、俺もつられてくすり。
「それ、志那都さんにも言われました。」
雹さんは大きい左目を更に大きくぱちくりさせた。
「へぇ?終(つい)に彼奴(あいつ)も其処迄気遣い出来る様になったのか。一寸前までは自分の護神を操るだけで手一杯だったのに。」
「・・・? ごしんってなんですか?」
今の雹さんの一文に、よくわからない言葉が混じっていた。
問いかけると、雹さんは近くの椅子に腰を下ろして足を組んだ。そして思い出した様
に呟く。
「あーそうだね。そろそろ少年にも説明しないとか。」
正面のダイニングテーブルに肘をつく。彼のその佇まいは、何所か怪しげな、独特な気
配があった。
俺も近くの椅子に腰かける。 異様なほどにクッションが柔らかかった。
「先ず何から説明しようか・・・うーん、じゃあ、先ずは此れから。」
そう独り言を雹さんは空中に投げ出した後、再びこちらを見た。
「此の世には守(しゅ)神(しん)って言うものがあってね。それはこの世のもの、生物が宿し手放す事のない一生一大の友達・・・なのだけど。」
雹さんは最後の「なのだけど」の部分で一寸残念そうにはにかんだ。
「大体のものは自分の守神の正体に気付かないまま一生を終える。其れは単に護神の力が弱すぎるから。哀しい事に、守神って自分の主(あるじ)を護る力しか持ってないからさ。
でも、そんな守神の中にも数少ないけど強力な・・・主を護る以上の力を手にした守神が存在する。其れは主を護る以上に特化した神力を持つ守神・・・其の名も護神。」
ゆっくりと目を細めながら、彼は其処で一旦言葉を区切る。 長い前髪の奥から、全て
を見透かす様な神秘的な瞳がのぞく。
「守神は唯(ただ)何も考えず主を護るだけだけど、護神は自我を持つんだ。まるで人の様に。
_大袈裟(おおげさ)な例だけど_殺戮(さつりく)をくり返すことに快楽を感じたり、反対に戦闘を恐れ、主を護る事を放棄したり。終いには主を殺すなんて荒くれ者もいる。
・・・そんな荒くれ者を自身で制御出来る猛者は早々居ない。居ない訳でも無いけどね。大抵が苦しみながら護神に殺されるのがオチだ。」
にっこり、「殺される」なんて言葉を使っているのに似つかわしくない爽やかな笑顔。
俺は怖くなって、たった今考え付いた単語を並べ口走った。
「じ、じゃあ唯死ぬのを待つだけなんですか? 其の、護神の主さんは。」
声が震えた。
「いや? 解決法はある。無論簡単じゃないけどね。」
「でもどうやって? 護神は自分じゃ何とかできないんでしょう?」
俺の問いに雹さんは一拍間を開けた後、笑って細くなっていた眼を開いた。
「其れを解決するのが我々_。 対護神相談所の仕事さ。」
首を傾げて、愛苦しく雹さんは微笑んだ。
おわりー!
いちにちに三本も投稿してしまった(笑)
いつも皆さんハートありがとう!
これからもハートコメントフォローしてくれたらうれしいです!
次回はハート10でだします!こりゃあしばらくは投稿やすめるだろ!
それではみなさん次の作品で会いましょう!またね!