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※こうはや

ふたり一緒ならどんなことでもそれはデートです。

超短文です。










空龍街にて。

俺、工藤亘清は今は速水の兄貴とデ………間違えた、みかじめ料の集金の最中だ。

『あらあら速水ちゃん、お仕事かい?』

『あ!こんにちはおばちゃんっ』

『偉いわねぇ はい、これお小遣いね』

『いやいやいや⁉︎貰えませんって!』

『速水くーんっ うちのコロッケ、持っていきなーっ』

『わぁ!ありがとうございます!』

『速水ちゃーんっ』

『はーい!』

………俺の恋人が今日も可愛い…。

速水の兄貴…泰輝さんは、

良い意味で極道らしくない。

可愛すぎるってのも理由だが、

人懐こい雰囲気でこうして商店街歩けば年配者方々に良く声をかけられている。

完全に扱い方が孫のそれなんだよなぁ…

『見て見て亘清くんっ コロッケ貰ったよ!

ふたつあるから食べよっか』

……やっぱりコレデートだな…

うん、間違いない。

デートだ。

コロッケ持ってこんな可愛い人ってこの人くらいじゃないのか⁇

世の中の恋愛シュミレーションのヒロインと同じように背景に花が見えてしまう。

早く組の力になるため仕事を覚えなければならない身だが、こうして好きな人とふたりきりで過ごすのは……いつだってフワフワしてしまう。

恋人という仲になっても、あの頃片想いしていた時から変わらないものだと気づいた。

『うっす、頂きます』

『美味しいねー』



血生臭い世界とは無縁なこんな日も、

偶には……望んだってバチは当たらないだろう。


end

オマケ

『この単細胞ボーイ⁇

まさかだと思うが仕事中にデートとか考えちゃいないだろうなぁ⁇』

『か、考えてませんッッッッ』

『嘘つけェい‼︎‼︎』

しっかりと野田の兄貴にシめられました。


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