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トリニティ総合学園
ー杏山カズサー
気付けば周囲は静かになっていた。瓦礫の影から周囲を見渡す。酷い光景だった。辺り一面にヘイローは砕け、全身を食い荒らされている人、喉、お腹を貫かれ倒れる人。何故こうなったのか、さっきまで私たちは…
ヨシミ「あんた私のシュークリーム食べたでしょ!?」
いつも通りヨシミの怒声と相変わらず意味不明な事を呟きながら胸ぐらを掴まれるナツの光景が広がっていた。
ナツ「まぁまぁ良いじゃないか、これもまたロマン…いや、スイーツをいつ他の者に取られるかのスリル…」
ヨシミ「あんたのロマン理論聞いてないわよ!!」
アイリ「ま、まぁまぁ…ほら、ケーキもあるし、皆で食べようよ。」
スイーツ部設立者のアイリが間に入る。しかしその瞬間…
カズサ「うわっ、ビックリした。いきなり何..」
けたたましい音を立てるスマホを手に取り画面を見つめる。そこに書いてあった事は..
カズサ「…?ねぇ皆、山海経で大爆発が…感染が広まって…」
次の瞬間外から爆発音が外から響いてきた。
ヨシミ「うわっ、何この音!」
ヨシミが窓を開け外の様子を見たその時だった。
サクッ
まるでスナック菓子を口に入れたかのような軽い音を立て、何故かヨシミは後ろに倒れる…が…
カズサ「えっ…は….」
ナツ「こ..れは…」
突如部室の壁が突き破られる。そこには赤黒い液体の垂れる人の形を保っていない化け物が立っていた。
カズサ「なっ..!!」
とっさの判断で銃を構え化け物に発砲する。しかし金属に跳ね返されるように、また化け物もほぼ無傷だった。
アイリ「皆危ない..っ..!.」
突如アイリはそう叫び皆反射で地面に屈んだ。その時目が眩む光が迸った。
そこから今私は起き上がり、周りを見渡す。
炎に包まれ無残に倒れるトリニティの生徒たち。その光景はまさに地獄そのもの。
カズサ「っ…!ぉぇぇ…」
先程まで食べていたスイーツを戻してしまった。状況は分からない事が多いが確定している事が1つ。
ヨシミは死んだ。あの何かに首を紙のように裂かれもがれた。
その事実を認めたくない。しかし見てしまった。夢だと思いたくても目の前の光景が現実に戻す。
カズサ「みんなに…連絡…っ…」
モモトークを開きグループに投稿。しかし既読は1人しか付かなかった。
突如電話がかかってくる。
アイリ「良かった、繋がった..!」
カズサ「皆は…!」
アイリ「…残念だけど分からない。さっきの爆発…?が収まった頃には私は全く違う場所に…」
カズサ「…そうだ、ティーパーティー..!ティーパーティーの人達は!?」
アイリ「それが…まだ状況が広がったばかりで、掴めてる事は少ないって..ティーパーティーの方々も何処にいるか分からないし…」
カズサ「..あの、あの化け物はなんなの!?」
アイリ「最新の記事を見る感じ…山海経のバイオテロ..?の影響で感染した人だって…感染経路は…不明だって。」
カズサ「とにかく…今、何処にいるか分かる?私は部室..だと思う。」
アイリ「私は…そうだね、シスターフッドの教会近く、かな。見た感じ…生きてる人は.,」
アイリ「それに、ナツちゃんも何処にいるか..連絡もつかないの。」
カズサ「とにかく、合流したらすぐに探しに行こう。」
アイリ「うん….!そういえばさっき爆発が起きる直前生徒の人がいきなり化…物….に..戻っ……」
カズサ「..?アイリ!アイリ、聞こえてる!?」
アイリ「…え….っ….!い、いやぁ..!!!」
カズサ「アイリ..!?アイリ!!」
電話が切れてしまった。でも最後アイリに何かあったのだろうか、気が気ではなく、急いで向かおうとした。
カズサ「アイリ…無事かしら。…少なくとも化け物には注意、ね…」
少し傷を負った身体を起こし教会へ向かった。
……
カズサ「あそこだ…アイリ、いる..?」
暗く、既に荒らされた跡のあり薄暗い教会へ入る。
その直後…
カズサ「っ..!もしかして化け物.,!?」
直後カーテンの裏から出てきたのは…アイリ..?だった。
カズサ「びっ..くりした、驚かせないでよ…」
アイリ「…そうだね、ごめんね。」
カズサ「それで、まずはどうする?」
アイリ「私に擣いできて。」
カズサ「いや外は化け物がいるし、変に動くのは危険、」
アイリ「ワ…慥月以留から….」
カズサ「..!アイリ..?」
何かがおかしいと感じた直後、アイリ..いや、アイリの身体..?が破裂し、形の変わった化け物が出てきた。
感染者「異巻ボコ盧既」
カズサ「…!?」
咄嗟の判断で足が動き、ようやく逃げ出す判断に落ち着く。
カズサ「早…く逃げないと..!!」
手元の銃を乱射するが当然効かなかった。上のシャンデリアを撃ち、動きを止めながら逃げる。
はぁっ…はぁっ…..なんで、こんなことに…?
すると遠くにナツの背中が見えた。しかし遠い。追いかけようにも行き止まりだ。
..早く遠回りで…ナツに追いつかないと…..
そう思い翻しナツの元へ走ろうとする。しかし..既に経ち塞がれていた。
初めから私はこうなる運命だったのか。最後に皆で食べた甘味の味など忘れ、過呼吸になりながら逃げようと試みたかった。
報告書 死亡3人
行方不明1名
伊原木ヨシミ
放課後スイーツ部活動中に外の騒音を聞き窓を開け外を確認した瞬間感染者に頭を潰され死亡。
栗村アイリ
杏山カズサとの電話中に突如化け物に襲われその時点でほとんど意識は消えていたと思われる。しかしその後化け物に操られ最後は杏山カズサをおびき寄せ、化け物に破裂させられ死亡。
杏山カズサ
栗村アイリとの通信が途絶え彼女のいる場所へ向かうが既に手遅れであり逃走したが、その先で行き止まりに遭うが柚鳥ナツが遠くに見え、追おうとした瞬間先程の化け物に遭遇。既に疲れた身体に、愛銃を持っていない状態で一切の抵抗も出来ず、身体を食い破られ死亡。
柚鳥ナツ
爆発直後アイリ同様別の場所に居たようだが連絡は出来なかった。その後何らかの方法でトリニティの敷地外に脱出したと見られるが…
以上
コメント
4件
ナツも敷地外で感染者に♡♡♡れてそうですね 投稿早くて助かります、毎度貴方の文才には驚かされ見るたびにワクワクしています。 御体を壊さないようにお気をつけ下さい。