TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する



白く無機質な建物は、炎と血に包まれている。そんな中、ハッカーである彼女らは突破口を探していた。


ハレ「部長、正面玄関のシャッター突破されてる…!!緊急用シールドの用意は!?」

チヒロ「今やってる..ッ!!解凍まで出来たのに、ハックが上手く行かない..!」

コタマ「もう最終防壁まで来てるよ..ッ..誰か来ないの!?」

マキ「部長たち、もう持たないっ..!私ももう..止められないって…!」

その時ヴェリタス部室の扉が外から開かれる。

ユウカ「っあなた達、着いてきて!!」

ノア「こっちです、こっちに一時避難場所が..」

コユキ「先輩たちも無理はしないで下さいよ!?」

ユウカ「コユキにまで心配される必要は無いわよ..!ほら、着いてきて!」

チヒロ「ありがとうユウカ..!皆、撤退!!マキも引いていいよ!」

チヒロの合図で皆が戻る。

ユウカ「皆、走るわよ!」

ユウカの声を聞き皆シェルターまで走る。着くとそこにはミレニアムの生徒が居た..が十数人程度だった。

ユウカ「暫くここに隠れてあの…感染者達がどこかへ行くまで待ってて。」

完全に密室でありミレニアムの技術を駆使したシェルター。避難するには十分過ぎるはずだった。

ヒマリ「…エイミ…」

シェルターの角に特異現象操作部長である明星ヒマリが車椅子に座って居た。同じく部員でありよく活動を共にする和泉エイミが居ないのである。

ユウカ「..皆、ヴェリタスを戻しに来たわよ。」

ヒマリ「っ..!皆さん、ご無事で…エイミを、エイミを見ませんでしたか!?部室から何とか逃げ延びてから…姿が見えないのです。」

チヒロ「残念だけど…見てないね。..ヒマリの推理力って人並み外れてるけど、分からないの..?」

ヒマリ「私も必死に手がかりを探しました..が…痕跡は途絶えていたのです…恐らく」

ヒマリが途中まで言いかけた所で外の強化ガラスを叩く音が聞こえる。

コタマ「っ..!皆、静かにして。…もうここまで追って..!」

ノア「一応ミレニアムの生徒の皆さんが化学を駆使して作ったはずなので..すぐには突破されないでしょうが..それでも時間は多くありません、皆さん..外に繋がるそのダクトから脱出してください。」

突如ガラスにヒビが入る。

ユウカ「!?なっ…こんな簡単に傷を入れられるなんて..!!早くして、皆!!」

ミレニアムの生徒がダクトから飛び出していく。

ヒマリ「戦力にはなれませんが..私も残ります、最後まで皆さんと一緒に戦います。」

ユウカ「..!体は平気なの?」

ヒマリ「はい、…!!来ます!!」

その瞬間シェルターの強化ガラスが破られる。

感染者が襲いかかる中、ヴェリタス、セミナー全員で一斉に発砲するが中々倒れない。

マキ「..これはまずいね..」

コユキ「先輩っ..!これ以上は弾を無駄にするだけです、暗号が解けた扉から出ましょう!」

ユウカ「っ…悔しいけど時間稼ぎは出来たはずだわ…撤退!!」

ユウカの指示で扉から脱出する。曲がり角には既に数体の感染者が待ち受けていた。

ユウカ「っ..行き止まり!?」

ノア「天井のダクトから出れるはずです..!急い..っ!」

感染者は彼女たちに気づき一斉に襲い掛かる。

ユウカ「ノアッ..!!」

ノア「ぐっ..!」

ノアの肩に感染者の爪が突き刺さる、が芯は避けたようだ。

コユキ「私が止めておくので早くっ!!」

コユキが懐から閃光手榴弾を取り出し周囲が目が眩む程の光に包まれる。

ヒマリ「っ..」

ヒマリは足腰が弱い影響で中々前に進めなかった。だが前からユウカが引っ張る。

ユウカ「ぅぐぐ..!!」

何とかダクトから脱出し外に出る。幸い今はまだ化け物が居ないようだった。

ユウカ「ノア..っ..!皆も無事!?」

ユウカがノアの止血をしながら皆の安否を問う。幸い誰もまだ手遅れな状態になってないようだった。

ノア「..!ユウカちゃん、コユキちゃんが居ません!!」

ノアがその事に気付いた瞬間感染者が飛び出てくる。

チヒロ「っここまでかな..」

その瞬間辺り一帯が爆風に包まれる。ミレニアムの校舎内からコユキが叫ぶ。

コユキ「先輩たち、早く走ってください!!」

コユキがトラックを指差し、ユウカ達に乗るよう伝える。

ユウカ「コユキっ飛んで!!」

校舎内からコユキが車に飛び乗る。

コタマ「な、何とかなったのかな…」

しかし走る車の背後から大量の化け物が迫る。

ユウカ「っ..!不味い..追いつかれる..!!」

コユキ「…先輩。」

ユウカ「..っ…何!?」

コユキ「あとは…」

コユキが車から飛び出し、化け物の前に出る。一体でも倒す事の出来ない化け物が目の前に数十匹。勝てる訳はなかった。ユウカが驚き一瞬車を止める。

ユウカ「コユキっ..!?やめなさい、勝てるわけないわ!!」

その直後コユキに化け物が飛びかかりコユキは銃を乱射する。が当然為す術なく感染者に囲まれてしまった。コユキにジリジリと感染者が近づく。

ユウカ「やめっなさいコユキ!!何を企んで..!!」

コユキ「先輩に…じゃれて良いのは私だけなんですよ..!」

先程コユキが外した弾丸の着弾点から火が広がる。

コユキ「先輩たち、あとは..」

ユウカ「コユッ」

コユキ「頼みます!」

突如ミレニアム校が大爆発し、周囲の化け物が吹き飛ぶ光景が目に入る。

ノア「っ..!ユウカちゃん今はアクセルを踏んでください、これは…コユキちゃんが私達に託した意思ですよ!!」

ユウカ「コユッ…キ..」

ユウカが涙を流しながら車を進める。その間もコユキによって起爆したミレニアム中の爆弾が爆発し続ける。


コユキは、文字通りユウカ達に遺志を託し、自身の命と引き換えに、多数の感染者を、自身を含め爆風で包み、抹消しようとしたのである。



報告書

死亡1名


黒崎コユキ ミレニアム中の情報をハッキングし、校舎自体を自分のタイミングで爆破出来る爆弾にし、生存者に遺志を託し、自身のおびき寄せた感染者と共に爆風に包まれ死亡。


以上 1名

覚めぬ夢、喰われる運命

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2

コメント

8

ユーザー

この作品をさいきんしったのですが、とても気に入りました。最高です!

ユーザー

い、一番被害が少ないや… そっかぁコユキかぁいつもの行動に自負の念が有ったのかなぁ エイミは無事ですかねぇ…服の装甲低そうだしなぁ それと山海径が発症地だから一番被害でかそう それにしてもフォントの使い方がやはりお上手だ。 声を大きく見せたい時にでかいフォントを使うと通常の音声と区別がつき、尚且つ強調出来るんですねぇ… 三話目も大変楽しませて頂きました。これからの活躍も期待させて頂きます

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚