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#さのじん
チェスト🍼ᓀ
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#塩レモン
かちゃん、と小さめの鍋をコンロに置いて。
お気に入りのカエデのまな板と包丁を準備する。
さっき自分の飯を済ませたからちょうど米が余っていて、冷凍するためにラップに包まれた状態。
冷蔵庫には何があったかな…
にんじん、しめじ、えのき、舞茸、青ねぎ…
それに常備している卵。
うん、これなら今のアイツも負担なく食えそうだ。
ちらりとリビングのソファーを見やると完全にオフになったアイツが座っている。…いや、
あれは座るというより溶けてんな。
毎日エネルギッシュに分刻みのスケジュールをこなしてきて、ごく稀に張り詰めていたものがぷつんと切れてしまうようだ。
そんな時アイツはうちに来る。
まぁ、愚痴も睡眠も取りあえず食わしてからだな。
鍋に水を張りコンロをカチリ、出汁パックを入れて沸騰を待ちながら野菜ときのこを手早く切って投入していく。
卵は溶いておいて、青ネギは最後に散らそう。
沸騰したら出汁パックを取り出して、くつくつ鍋のなかで踊るように煮えていく野菜を見る。味付けはあくまでシンプルに、塩少々に薄口しょうゆ。和風バンザイだろ。
一般的には米を入れたあと卵でとじる、でも今日は自分流に。火を少し弱めて卵をゆっくり回し入れ、衣のように舞う姿を確認したら米も鍋へ入れてもうひと煮立ち。トロトロじゃなくてふわふわの卵もうめぇんだよな。
青ネギを散らせば簡単なきのこ雑炊の出来上がり。
「勇斗、飯。」
雑炊を運びながらソファーで溶けてるアイツに声をかける。
「…いいにおいする…」
ゆっくりとこちらを振り返るコイツの顔はまぁ疲れてますってデカデカと書いているようで。すっぴんを加味しても顔色が良くない。
「食えるだけでいいから胃に入れろ。」
コトン、と出来立ての雑炊をローテーブルに置いてやる。
「…いただきます…」
…ふー 、…ふー…
ぱく…
…こくん
「…んまぁ…」
視線は雑炊に向いたままホッとした表情で笑う勇斗。
よかった、食事がとれるなら少しずつ元気も出てくるだろう。
「仁人、ありがとな。」
いつも先頭に立ってグループを引っ張ってくれてるコイツにだって、着飾らず、表情を作らず声も張らなくていい安心できる場所が必要なんだ。
「ゆっくり食えよ。」
今日もお疲れさん。俺たちのエース。
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