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#推しが尊い
『 雪 』@夏休み期間毎日投稿
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お城
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コメント
3件
お城さん、読んだよ〜!!🌸✨ もうね、最初から最後までめっちゃ良かった…!魔女さん、かっこよすぎでしょ〜😭💕 りうらちゃんが貴族に絡まれてるとこに颯爽と現れて「何してるの〜?」って笑顔で助ける流れ、最高すぎる!! あと浜辺のシーン、めっちゃエモかった…「君は君でしょ?」って言う魔女さん、尊すぎて泣ける。それに「女の子が好きなんだ」ってカミングアウトからの鼻歌でダンス!? もうキュン死しそうだったよ〜!! 名前教えちゃうりうらちゃんも可愛すぎるし、続きめっちゃ気になる!!🥺💕
ロウワー
祝祭の始まりを告げる鐘が鳴る
高らかに
何度も
何度も
眩しいほどのシャンデリアが広問を照らしていた
金色の光を浴びながら楽しそうに踊る人々を眺める
笑い声
音楽
グラスの触れ合う音
誰もが幸せそうだ
少なくとも、りうらにはそう見える
りうらはここの教会に仕えるメイドです
今日のりうらの役割は壁側に立ち、時折空になったグラスを回収しに行くこと
……本来はそうであった
ただ、今日は月に一度の祝祭の日
人が多い
常に踊り、歌い、キラキラして、ごちゃごちゃしている
基本、誰もりうらたちメイドの事なんて気にしない
だから
もぶメイド)貴方~こっちもお願~い♪
もぶメイド)うちら今忙しくって~♪ごめんね~?
もぶメイド)ついでにここの掃除もよろしくね~♪
此処ぞとばかりに他メイド達は仕事をサボっている
全然忙しそうじゃない
面倒だから押しつけているのだ
でもりうらは何も言えない
下っ端で空気みたいな存在だから
もぶ貴族)おい、そこのメイド
赫)……何でございましょう?
酔った貴族に呼び止められてしまった
もぶ貴族)酒が無くなったぞ、注げ
赫)……は、はぁ…
お酒はセルフサービスなんだけどなぁ……、、
赫)……あちらに替えのお飲み物がございますので、ご自分でお取りください
もぶ貴族2)メイドさーん!こぼしちゃった💦こっちに来てくれる?💦
赫)はい!今行きまs…
赫)きゃっ…、、
腕を掴まれ、強引に引かれた…
赫)ちょっと……、やめてください
もぶ貴族)まだ話している途中だったろう?途中で逃げるのは良くないんじゃないか?
赫)で、ですからお飲み物はご自分で…、
もぶ貴族)良いから注げ!!!!!!!
なんて理不尽なんだろう
怖くて声が出ない…
もぶ貴族)…ん?
もぶ貴族)……お前、よく見たら可愛い顔してるじゃないか
赫)………は、はぃ…?
もぶ貴族)メイドにしておくには勿体ない…
とても嫌な予感がする
もぶ貴族)なぁ…この後俺と…、
こちらに手を伸ばされる
赫)やめてくださっ…、、、
水)何してるんですか♪
赫)っ………!!
突然割って入って来た声に肩が跳ねる
振り向くと――
見覚えのある人物が立っていた
淡い水色の髪・瞳
不思議な雰囲気を纏う彼女
祝祭が始まる前、他メイド達が噂していた人だ
もぶメイド)“魔女さん”が来るんだってね
もぶメイド)教会に出入りしてるらしいよ
もぶメイド)気味悪いよねぇ
もぶメイド)でも美しいよね…、
そんな言葉を思い出す
もぶ貴族)な、何だお前は…!!
彼女は笑う
水) 何って (笑)
おじさんこそ何してるの~?
もぶ貴族)お、お前には関係無いだろう!!
水)まぁ~…それもそうだね!
でもほら、嫌そうな顔してるよ?
もぶ貴族)………………。
水)嫌じゃないの?
赫)……えっ…、
突然話を振られて困る
水)あれ…??………ごめん、もしかして違った…?
赫)いえっ…、、
赫)い…、嫌………………です
水)………ほら、
水)ダメだよ~?嫌がってる人にそんなことしちゃ~…
水)……ね?
その声は柔らかい
もぶ貴族)…………す、すみませんでした~~~💦
水)あ、逃げちゃった
こちらに手を伸ばされる
水)立てる?
赫)……はい
水)そっか♪
水)じゃあ僕は踊りに戻るね♪
水)またね♪
ひらりと手を振って
彼女は人混みの中に消えていった
思わずその背中を目で追った
すると
彼女は一人の男性に手を取られる
くるり
まるで昔から知っていたかのように自然に踊り出す
シャンデリアの光を浴びながら笑う彼女は
まるで物語の中の人みたいだった
赫)……綺麗
思わず零れた言葉に、自分で驚いた
赫)はぁぁ………、、
なんだか疲れてしまった
赫)……戻らないと
仕事中なのだから
そう思いながら大広間へ戻る
もぶ貴族)メイドさんー!こっちのグラスもお願いー!
もぶ貴族)ごめんなさい!お皿も下げといてくれる?
もぶ貴族)床汚れちゃったから掃除もよろしくね〜!
赫)……はい。
返事をする
断れない
断ったところで気まずくなるだけだから
グラスを回収する
皿を下げる
床を拭く
音楽が鳴る
誰かが笑う
誰かが踊る
皆楽しそうだ
忙しいのは自分だけみたいだった
赫)……疲れた
ぽつりと零れる
誰にも聞こえないくらい小さな声
少しだけ
少しだけ休もう
どうせ誰も見ていない
りうらが居ても居なくても
きっと誰も困らない
そう思った
大広間の扉を開ける
途端に静かな夜の空気が頬を撫でた
赫)……涼しい
少しだけ
本当に少しだけ
夜風に当たったら戻ろう
そう思いながら
りうらは波の音のする方へ歩き出した
波の音
月明かり
靴を脱いで浜辺を歩く
赫)……涼しい
夜風が髪を撫でる
遠くから祝祭の音楽が聞こえる
けれど
さっきまでの息苦しさはもう無かった
赫)疲れたなぁ
思わず本音が零れる
誰もいない
聞いている人もいない
少しぐらい良いだろう
ざぁ……ざぁ……ざぁ……
一定のリズムを保って波が寄せては返してを繰り返す
不思議と落ち着く音だ
赫)戻ったら怒られるかな…、
でも
少しくらいなら
もう少しだけなら
きっと大丈夫だ
水)こんばんは♪
突然、背後から声がする
赫)…!!…貴方は…魔女さん…
確か、そう呼ばれていたのを他メイドから聞いた事がある
水)魔女さん? (笑)
水)まぁ間違いじゃないけど…、 僕はほとけって言うんだ!!覚えてね!!
赫)…はい。
水)舞踏会、抜け出してきたの?
赫)……貴方もでしょ?
水)まぁね♪
赫)私みたいな下っ端はともかく…、あなたはここに居て良いんですか?
バレたらまずいんじゃ…
水)なんで?
赫)え…?
水)ここに君が居て良くて、僕がダメな理由ってある?
確かにそうだ
赫)え……でも
水)僕は魔女で、君はメイド
違いはそれだけだよ
赫)………それだけ…ですか?
水)うん♪それだけ
即答だった
迷いも
躊躇いも
何も無い
赫)貴方は変な人ですね
水)え~?
赫)普通はそんな風に考えません
水)そうかな?
赫)メイドはメイド、貴族は貴族です
皆それぞれ立場があって…
水)でも、君は君でしょ?
赫)……え?
一瞬、言葉の意味が分からなかった。
君は君
ただそれだけの言葉
なのに
どうしてだろう
胸の奥が、少しだけざわついた
メイドだから
下っ端だから
空気みたいな存在だから
ずっとそうやって生きてきた
それが当たり前だった
疑ったことなんて、一度もなかった
だから
そんなもの関係ないとでも言うように笑う彼女が、不思議だった
眩しかった
まるで
暗い部屋の扉が、少しだけ開いたみたいに
知らない景色を見せられたみたいに
世界には、そんな考え方もあるのだと
初めて知った
赫)……貴方とは一生分かり合えそうにないです
水)そうかな~?
赫)そうです。
水)僕は案外いけると思うけどな~♪
赫)自信満々ですね…
水)うん!
赫)即答…
ほとけが笑う
そんな貴方を見てりうらも少しだけ肩の力が抜ける
水)あ、そうだ!!
君って名前は?
赫)……え?
水)ずっと「君」って呼ぶのも変じゃない?
赫)それは……そうですけど……
赫)私はただのメイドですし……
水)?
赫)名前を覚える価値なんて無いですよ
水)あるよ?
またまた即答
この人に躊躇いは無いのだろうか
水)僕は知りたいよ
君のこと
赫)りうらの事は別に………、、、、
あ…//
しまった
口が滑った
ほとけが嬉しそうに笑う
水)へ~♪りうらって言うんだぁ~?
赫)あぁ……、、もう……//
水)りうらかぁ~りうら!!
可愛い名前だねぇ!!!!!!
赫)べ…別に可愛く無いし…//
水)え~可愛いじゃん!!
赫)…………っ…ありがと…、、
そこから色々な話をした
教会のこと
祝祭のこと
海のこと
赫)そういえば……
舞踏会で踊っていた方は?
水)ん?
赫)あの…、一緒に踊っていた男性です
水)あ〜!
あれは向こうが勝手に誘ってきただけだよ〜
赫)そうなんですか?
水)うん
水)僕、男性にはあんまり興味ないんだよねぇ〜💦
僕、女の子が好きなんだ!
赫)そうなんですか…、
水)うん!!例えば…
君みたいな…♪
赫)…っえ……//
水)なんてね♪
あ、でも女の子が好きなのは本当だよ?
唇に人差し指をあてられる
水)皆には内緒だよ…?
唇から指が離れた
それでも距離は近いまま
吐息が届きそうなくらい
赫)…………///
顔が熱い
思わず目をそらしてしまう
水)あれ?
もしかして照れてる?(笑)
赫)て、照れてません……!!///
水)あははっ♪
水)ねぇ
手を差し出される
水)一緒に踊ろ?
赫)いえ…私なんかが貴方と踊るなんて…
水)またそんなこと言って〜…
踊るのに立場とか関係ないよ
水)ほら♪
少し強引に手をとられる
驚くほど優しく
温かい手だった
こんな風に誰かに手を取られたのはいつぶりだろうか
水)大丈夫大丈夫!!
僕もそんなに上手じゃないからさ♪
手を引かれるまま、一歩踏み出す
赫)………でも、音楽が無いですよ
水)それなら——
ほとけが小さく笑った
そして、鼻歌を歌い始める
水)〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪
穏やかな旋律だった
夜の波音に溶けるような
優しくて、心地いい歌
ざぁ……
ざぁ……
波が静かにリズムを刻む
まるで海そのものが伴奏してくれているみたいだった
水)そうそう♪
その調子、その調子♪
赫)こ、こう……ですか?
水)うん!!
そこでくるって回る〜♪
赫)えっ!?
きゃっ……!!
勢い余って少しよろける
水)あははっ!!
惜しい惜しい♪
赫)笑わないでくださいよ……!!
水)ごめんごめん(笑)
今のは左足を出すんだよ〜♪
赫)左……?
水)そうそう!!
右、左、くるっ♪
赫)……右……左……
ぎこちなく足を動かす
足が重なる
肩がぶつかる
その度に二人で笑った
水)下手だね~(笑)
赫)……っ…貴方もでしょ!!
水)もっと練習しないとな~
とても不格好で強引なダンスだった
水)あ、そうだ!!
踊りを中断してほとけがくるりと回る
そしてこちらに手を伸ばした
水)僕のダンスの練習相手になってよ♪
赫)…………え?