「主様、僕の方が主様の事いっちばん大切に思ってますよ!!初めて会った時から、皆よりもずぅーっと!!!」
「いいえラムリ、私の主様を想う気持ちは誰にも負けません!それに私だって出会った時から主様を大切に思ってます!」
「お、俺だって!主様をい、1番大切に思ってるよ…!こんな事言うなんて恥ずかしいけど、負ける訳にはいかないからね!」
「主様を1番に思っているのは俺だ。そして主様が1番に思ってくれているのはこの俺だ。」
「それは聞き捨てられませんねバスティンくん。主様を1番想っているのはこの私です。これだけは譲れません…!」
「ふふ、皆主様の事大好きだね♪けど、私だって主様を想う気持ちで負ける訳にはいかないよ。」
「主様の事で引き下がる訳にはいかないな。少なくとも、ルカスよりかは主様の事を大切にしている。」
「主様の事になると皆歯止めがきかないんだから…まぁ、そういう俺も主様の事で負ける訳にはいかないッスけど♪」
「お、俺も…!俺も主様を1番大切に思ってるよ!これだけは、譲る訳にはいかないんだ…!」
「主様はいつも俺の作った飯を美味しそうに食べてくれるし、主様が俺の為に飯作ってくれるし、これはもう俺が1番で決まりだろ!」
「いつもは止めに入る所なんだが、主様を1番大切に想っているのは俺だ。『いつだって俺はハウレスの事を想ってる』と主様は俺に言ってくれた。だから主様は俺の事を1番に想ってくれている。」
「俺が1番主様を想ってる。そして主様も俺の事が1番好きだ。その証拠に、俺といる時はいつもの恋愛なんて知りません見たいな主様が顔を赤らめて女の顔をするからな。」
「クフフ…つまりは私以外全員倒せば、私が主様の1番になれる訳ですね?」
ちょっとボスキは後でこっちでお話しようか。後ラトは何をする気だやめろよ?…こういった具合いに現在進行形で俺は13人のイケメンに俺を1番に想うのは誰だと言い争いをされている。何故だ。どうしてこうなったかと言うと、それはムーの何気ない一言で始まった
いつも俺と一緒に居るムーは、俺と執事の個人的な会話も聞いていることがある。それで疑問に思ったのだろう、ある日執事全員が集まった時、ムーは言った。
「皆さん、主様の事を1番に想っているのは自分だって言ってますけど、それだと1番じゃないですよね?本当は誰が1番なんですか?」
わいわいと賑やかだった空間が一瞬で静まり返った。なんて事を言うだムー!それは禁句だぞ…!
「まぁ?それは当然僕でしょ!いつだって主様の事を考え、主様を楽しませるのが僕の仕事なんだから!」
「いやいや、何言ってんだ主様を1番に想ってるのは俺だろ!」
「いーや!ご飯くんじゃなくて僕だし!」
「主様の事をいつも考えるのなんて当然ですよ。だって私達は執事なのですから。それにラムリくんの仕事は掃除でしょう?」
「お、おーい?お前ら??その辺にして…」
「いえ、主様。これだけは皆譲れないんですよ。」
「そうだぜ主様。そういえば、主様は自己肯定感が低いよな?これを機に、俺達がどんだけ主様を思ってるか覚えておくんだな」
「ちょ、ボスキ???ダメだもう行きやがった!!皆落ち着けって!ベリアンもルカスもいつもなら止めに行ってるところだろなんで参戦してんの!?なぁ、ハウレスは止めるだろ???」
「主様…すみません、俺も行ってきます。」
「んなバカな…フェ、フェネスは止めてくれるだろ?」
「主様。男には、負けられない時があるんですよ。」
「どっかで聞いたことあるセリフ!!!嘘だろ!?こうなったらミヤジしか…ってもう参戦してるーーー!!マジで!?常識人枠どうしちゃったんだよ!?」
「フフ、楽しそうですねぇ。私も混ざりに行きましょう」
「おい待てラトが行ったらカオスが更にカオスになるだろうが!!これ以上状況悪化させんな!!?」
「嘘でしょ行っちまったよ…」
皆いっちゃった…どうしよ。ハッ…!そういえば、こういう時こそあのセリフを言うべきなんじゃね…?!1度は言ってみたかったあのセリフを!
「お、俺の為に争わないで…」
「ほら、そこは間をとって俺が1番ってことで♪」
「どこが間を取ってなの?」
「ア無視ですかそうですか」
ドキドキして言ったセリフガン無視された…うわ泣きそう。というか俺の事思うなら言い争いするのやめて???
と、言う訳で冒頭に至る。あんま回想挟む意味なかったな。現在では“誰が主様を想ってるか”から“誰が1番主様に想われてるか”にシフトチェンジされた。本当に何故だ。こうなったらもうこっちに来ない事を祈るばかりだ。
「〜っもう!埒が明かない!こうなったら主様に聞いて誰が1番が決着つけよう!」
「そうだね、ねぇ主様。主様は誰が1番なんですか?」
フラグ回収早かったな…これで私も一級フラグ建築士だよおめでとうって現実逃避してる場合ちゃうわ。こうなったら奥の手を使うしかない!
「あー、皆1番だよ!」
そう、誰も選ばない!こうすれば誰も傷つかず円満に終わる。これが最善手。けどこれにはリスクがあるんだよ。
「皆じゃなくて誰が1番か決めて下さい!」
「そうです!それじゃ納得できません!」
「俺だよな、主様?」
そうだよこうなる事だよ。なんで納得できないの!?いいじゃん別にぃ!皆違って皆いいだよ!まって、本当にどうしようか。うーん…
「主様。」
「ん?なぁに、ムー。」
「僕、主様の1番になれなくても、主様を一番に想ってますからね!」
「優勝」
即決したよね、うん。何この可愛い生き物。くっっそ可愛ええんだが???
「ムーが1番だよ…!可愛いねぇムー!!」
「えへへ、嬉しいです!」
「ぎゅんときた」
「ムーちゃんが1番の強敵ですね…」
「とりあえずささみ抜きにするか…」
「大人気な…けど賛成する」
「ちぇー、ムーはずりぃッスよ。」
「焼くか…煮るか…どっちがいいのでしょう。」
「ラト何する気!?」
「クフフ、冗談です」
ムー…可哀想に…今度俺がささみ買ってあげるからね……
コメント
2件
ムー、ご愁傷様ですw o(^▽^)o