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「……周辺諸国との関税の修正案については、早急に、くっ……!?」
皇太子執務室と同じフロアにある会議室。側近たちが今後の国益を熱弁する声が響く中、上座に座るカイル殿下が突如、言葉を詰まらせて固まった。
(よし、食いついたわね♡)
彼の手の中にある万年筆が震え、書類に黒いインクのシミを作った。
《……っ、なんだ、この……っ!?》
テーブルの下。パンプスを脱いだ私の足先が、彼の膝をなぞり、太ももの内側をゆっくりと這い上がっていた。優しく、けれど容赦のない蹂躙。
《会議中だぞ、この悪女が……! だが、理性がドロドロに溶かされていく……》
「殿下? お顔が真っ赤ですわよ。……今日はそんなに暑かったかしら?」
私はわざとらしく扇子で彼を仰ぎつつ、その「中心」を挑発的に、執拗に、つま先で弄ぶ。
「……っあ、あ、失礼。……続けてくれ……」
掠れた声だった。もはや関税のことなど一文字も頭に入っていないのだろう。
会議が終了し、側近たちが退出するや否や、彼は飢えた獣のような手つきで私の腕を掴んだ。
「ソフィア……。貴様、後悔させてやるぞ」
「あら、楽しみですわ♡?」
引きずり込まれるように連れ込まれた、皇太子専用執務室。扉が閉まる音を合図に、私達は崩れ落ちるようにソファへと沈み込んだ。