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暗い。
どこまでも、静かで、冷たい。
ここがどこかはわからない。
でもたぶん——私の中。
💛「……はは。」
笑ったはずなのに、声がひどく空虚に響く。
私は あき。
転生した悪役令嬢。
みんなに嫌われて、断罪されて、闇に堕ちる存在。
物語通り。
完璧な結末。
💛「これでよかったのよ。」
そう思ったのに。
胸が、ずっと苦しい。
あと の睨む目。
まぜ の失望。
けち の沈黙。
そして——
ぷり の、あの迷った顔。
(見ないでよ。)
嫌われる覚悟はできていた。
でも、あの目は違った。
怒りじゃない。軽蔑でもない。
後悔。
まるで、失うのが怖いみたいな。
💛「……遅いのよ。」
私は悪役。
今さら優しくされたって、意味がない。
転生したとき、決めた。
どうせ断罪されるなら、強くいよう。
どうせ孤独なら、誰にも頼らない。
ちぐをいじめたのも——
半分は、怖かったから。
彼女はまぶしかった。
優しくて、守られて、愛されて。
私にはないものを全部持っていた。
💛「ずるい……」
ぽつりと零れる本音。
本当は。
一度でいいから。
「大丈夫」って言ってほしかった。
「一人じゃない」って。
でも私は、言えなかった。
悪役は、弱音を吐かない。
🩶「ほらね。」
どこからか、声がする。
🩶「誰も君を選ばなかった。」
🩶「君は悪役。嫌われ者。」
🩶「愛されない。」
違う。
違うのに。
反論できない。
💛「……そうよ。」
私は、愛されない。
婚約破棄されたし。
味方もいなかったし。
最後は全員、ちぐの隣に立った。
それが答え。
胸の奥が、ひび割れていく。
💛「もう、戻らなくていいかな。」
誰にも嫌われない方法がある。
最初から、いなかったことにすればいい。
闇は優しい。
冷たくて、何も感じなくていい。
痛くない。
泣かなくていい。
💛「悪役でいい。」
そう言ったのは、私。
だから——
最後まで、悪役でいよう。
ふと。
思い出す。
ちぐの涙声。
💙『戻ってきて……』
……なんで泣くのよ。
あなたはヒロインでしょう?
幸せになればいいじゃない。
なのに。
その声が、闇の奥まで届く。
胸が、また痛む。
消えたいはずなのに。
ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ。
💛「……助けて。」
言ってしまいそうになる。
誰にも聞こえない、小さな本音。
闇は、まだ閉じきっていない。