黄赤
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ちょいグロ、ホラー注意
重い愛
小さい頃2人で約束したんだ。
黄)りいぬ、大きくなったらけっこんしようね!
赤)けっこん、?
黄)そう!けっこん!
だって、りいぬはぼくのことすきでしょ?
赤)うん!るぅちゃんのことすきだよ!
黄)ぼくもだいすき!じゃあやくそくね?
ぼくいがいすきになっちゃだめだからね
赤)うん!やくそく!
そうして小さな小指を絡めた。
そしていつの日か呪いへと変わった
僕たちは箱庭で生まれ育った。
お屋敷は高い塀で囲まれていて、僕たちを守り閉じ込めているようだ
僕たちは外の世界を知らない
何度か逃亡を試みようとしたが、鉄格子を触れた時怒られて捕まった
鉄格子の奥は先が見えないほど暗かった
でもいつか2人で遠い場所へ行きたいね
微かな物音が聞こえて、俺は目が覚めた
まだ隣で寝息をたてているるぅとくんを起こさないようにそっとベットから降りた
俺はこうやって1人静かに窓を開けて景色を見るのが好きだ
何も変わらない景色をただひたすら見ている
でも毎日が全部同じ訳では無い
突然視界に映った黒い物体
その正体は猫だった
黒猫は俺に向かって短く鳴いた
まるで俺を呼んでいるかのようにじっと見ている
急いで玄関へと走り、外に出た
黒猫はすぐ俺に近寄ってきてすりすりと体を当ててきた
赤)ねこっ、!
)んにゃぁ~、!
優しく撫でてやると嬉しそうに鳴く姿に心を奪われた
そして夢中になっていて後ろからやってくる人に気が付かなかった
桃)こ~ら、1人でなにしてんだ、
俺たちのお世話係の1人、さとみくんが背後からやってきた
俺は黒猫を抱き抱えて見せてみた
赤)さとみくん見て、!猫だよ!とっても可愛いの!
桃)迷い込んで来たのかお前?
)にゃぁ~
赤)ね、この子飼ってもいい、?!
ちゃんと俺お世話するからさ!
さとみくんはしばらく黙り込んで口を開いた
桃)駄目だ
赤)ぇ、なんでっ、俺ちゃんとお世話、!
桃)飼えないものは飼えない、駄目だ
赤)迷惑かけないからっ、!
桃)りいぬ、我儘言うな
赤)っ、はぃ…
いつもそう言われる
そうなると大人しく言うことを聞かないといけない
だってさとみくんに勝てないもん
桃)ん、いい子だな
でもいい子と言って撫でて貰えるの好きだからいいの
それに俺いい子だからちゃんと言うこと聞くの
桃)そろそろ朝ごはんできるからるぅと呼んでこい
赤)はぁ~い、!
そう言われ、少し走って部屋に向かった
桃)…るぅとに見つかる前に帰りな
赤)るぅちゃん朝ごはんだよ~、!
黄)んんっ…
部屋に戻り、まだベットに眠っている彼を起こそうと肩を少し揺らした
眠そうに目を擦りながら何とか起きてくれた
2人で手を繋いで食堂へと歩く
紫)お、りいぬくんるぅとくんおはよ~!
赤)おはよ、!
黄)おはようございます、
お世話係の2人目なーくん
朝から明るい笑顔で俺たちに挨拶をしてきた
テーブルにはもう既に俺たちの朝ごはんが並べてあって、手を合わせてから食べた
なーくんの作る料理はどれも美味しい
黄)ねぇ、りいぬ
ご飯を食べ終わり席を立とうとした時るぅとくんに腕を掴まれた
その力は次第に強くなって顔を少し歪ませてしまった
黄)何か触った?
赤)何かって、?
黄)触ったか触ってないか言って
赤)さわっ…
橙)2人ともおはよ~さん!!
お世話係3人目のじぇるくんが俺たちの会話を遮るように大きい声で挨拶してきた
るぅとくんは腕を掴んでいた手を俺の手に変えて、じぇるくんから離れるように歩き出した
橙)ちょいちょい、!2人に朗報!
黄)なんですか
橙)今日暑いからプール入りたない?!
黄)僕嫌いで…
赤)プール、?!入る!
橙)だよな~!じゃあ水着とプール用意するな!
赤)るぅちゃんプールだって、!
黄)…そうだね
るぅとくんの顔はまだ曇っているが、さっきより大丈夫なように見えた
俺はそんなるぅとくんの顔色なんか忘れてプールしか頭になかった
青)僕が掃除したんだよ感謝してね!
お世話係の4人目ころちゃんが自慢げに屋内プールの部屋を見せてきた
床のタイルは綺麗に掃除されていて、プールには浮き輪やらアヒルやら色々浮かべてあった
赤)ころちゃんありがとお!!
青)ふへへ、どういたしまして!
黄)りいぬ溺れないようにね
赤)大丈夫だもん!
広いプールに2人で入った
泳いでみたり浮き輪でぷかぷか浮いたりして楽しんだ
その時、窓に黒い物体が見えた
赤)ぁ、猫だ、!
朝に会った黒猫がまた顔を覗かせていた
黄)ほんとだ、こんなところに猫が…
赤)かわいい
黄)は、?
赤)ぇ…?
可愛いと言った瞬間るぅとくんが俺を睨みつけるかのように見てきた
次の瞬間体を引き寄せられた
黄)僕以外にそう言わないでって何回も言ってるよね
赤)そぅ、だっけ、?
黄)そうだよ、約束破らないで
りいぬはいい子でしょ?僕のこと好きでしょ?
赤)ぅん、いい子…るぅちゃんのこと好き、!
黄)そうだよね、そうだよね
るぅとくんから目を逸らした時、まだその黒猫はそこにいた
きっと帰る場所が無くて俺に助けを求めているんだ
赤)ねぇ、るぅちゃ、あの猫…
黄)猫はもういいから、ほらプール入ろ?
赤)ぅうん、もうプールいいの、
きっとあの猫帰る場所無くて可哀想だよ
俺あの子のお世話したいの、!
赤)ぁ、さとみくんには言わないで、朝も怒られたの
黄)朝会ったの?あの猫と
赤)ぅん、窓見てたらあの猫いて、
とりあえず俺行ってくる!
黄)…
赤)猫、!
)にゃぁ~、!
るぅとくんを置いて猫に駆け寄ると、猫は俺に近づいてまた短く鳴いた
とりあえず抱っこして庭の茂みに猫を置いて俺は一旦お屋敷に戻った
首輪つけないと迷い込んできたって勘違いされちゃうかも
ちゃんと俺のペットだって証明するものを
倉庫から1つの箱を見つけて箱の中から赤色の首輪を見つけた
この箱の中は俺が昔使っていたものが色々入っている
この首輪何に使ってたか忘れちゃったけど
首輪には名前が書いてあったけど何も分からなかった
赤)猫~、!
首輪を手に取ってさっきの茂みに戻ってきたつもりなのに猫が何処にも見当たらなかった
鳴き声も聞こえないし、黒い物体も見当たらない
黒い物体の代わりに人影が見えた
俺は何故か恐る恐る近づいた
赤)るぅちゃ、?
黄)…なぁに、りいぬ
呼びかけると笑みを浮かべながら振り返った
なんで嬉しそうなんだろう、いい事でもあったのかな
なんだか俺まで嬉しい気持ちになる
赤)何してたの?
黄)ん~、なんでも!
プール遊びしてたら疲れちゃった、りいぬお昼寝しよ?
赤)んぅ~、俺も眠くなってきたかも、お昼寝する!
るぅとくんの手を握った時、少し鉄の匂いがした
また鉄格子に触ったのかな、それとも
黄)寝れないのりいぬ?
赤)んぇ、?
黄)余計なこと考えてると眠れないんだよ、ぁ、そうだ僕のことだけ考えてればいいんじゃない?
起きたら僕となにしよっか?
赤)起きたら…るぅちゃんと外で遊びたい!
黄)ふふっ、いいね楽しみだな~
赤)でしょ!
黄)それじゃあ、寝よ、ね?
赤)ぅん、!
前飼っていた犬の首輪も庭で出会った猫も全部忘れちゃおう
みんな元の場所に還してあげて
りいぬの視界に映らないように
りいぬは僕だけでいいのだから
庭に1箇所だけ少し盛り上がっている土
その土の上に1輪の花を乗せてあげた
だから言ったじゃん、るぅとに見つかる前にって
あいつはまたそのまま植えたらしい
まぁりいぬ以外なんてどうでもいいのだろう
小さな亡骸を箱に詰めてあげた。
山積みになった箱がまた増えた。
コメント
15件
この作品ちょっと前に新垢の方で拝見させて頂いたんですけどコメントしてないのでさせていただきます!!! 伏線だったのはわかってたんですけど、意味が全く分からなかったので最後、すっごく納得しました.笑笑 一瞬赤くんが首輪付けられるのかと思ってたのはここだけの話です🤫💞((
やっぱヤンデレ系っていいなぁ(*´∇`*) いつかお世話係も○しちゃいそうだな。 赤は純粋なんだろうなぁ笑 桃以外に知ってる人はいるのかなぁ。
うぁああ!!🤦♀️💓😵💫 尊すぎる~!!天才すぎる~!! ざっ!歪んだ愛って感じ!! 黄赤はこれだからほんと最高~!!