『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
最終頁 私の答え。
月曜日の朝。私は珍しく早起きをして寮の自分の部屋を出た。
そして、心を落ち着かせる為、華道室へ向かった。
『……。』
(落ち着くな…。花を生けてると。)
その時、ふわりと甘い香りがした。
『抹茶の香り…?』
ガラッ。
『先約がいましたか。』
『ユーハン……。』
『私も目が覚めてしまいましてお茶を点てて落ち着こうかと。』
『珍しいね。ユーハンも落ち着かないことがあるんだ。』
『…花澄さんがそんな顔してたら尚更ですよ。』
『……。』
『今日、でしたよね。告白の返事…。』
『…うん。』
『悩んで…おられるんですね。』
『……うん。』
一方その頃――。
『はぁっ!』
『甘いっ!』
『くっ!』
『どうした、バスティン。今のお前は隙だらけだ。何か追い詰めてるような…。』
『……もう1回だ。ハウレスさん。』
『…。お前が朝早く俺を起こして鍛えろなんて言うから驚いたが…。お前は何を追い詰めてる?』
『言うまでもねぇよな?バスティン。』
『ボスキ…。』
『きょうは花澄が誰かを決める大事な日だ。そんな日に落ち着けるわけねぇだろ。お前だけじゃなく…他の2人もきっと…なにより…
花澄本人が1番悩んでんだろ。』
『……っ。』
『…おかしいな。いつもなら早起きして弁当作ってるはずなのに寝坊しちまうなんて。』
(焦ってんのか…俺は。)
『……。眠れませんでした。結局。』
(花澄さんの答えを聞くのが…とても怖い。)
『花澄さん。私はどんな答えを出そうとそれが花澄さんの選んだ答えなのなら……私は尊重します。私だけでなく、他の皆さんも。』
『…そうかな…。』
『はい。そうですよ。あの3人はライバルですけど、花澄さんを想う気持ちなら同じですから。大切に想う気持ちも。好きという気持ちも。』
『……。』
私は3人の絆が壊れるのが怖くて怯えてたんだ。もし1人を選んでしまえば3人の絆が
無くなってしまうんじゃないかって。
『……ユーハン。ありがとう。』
わたしはユーハンに微笑む。
『吹っ切れた顔をしましたね。』
『うん…っ。ちゃんと…決めたから。』
そして、放課後…。
私は場所を指定した。
体育館。
屋上。
教室。
そして、16時の鐘がなる時――
扉を開ける音がする。
次回
『同じ教室で貴方と過ごす』
〜青と緑が指す教室〜







