ざわざわ…
周りの声がうるさい。
「ねぇ、あんな子いたっけ?」
「え、誰?転校生?」
今、私は学校にいる。頑張って勇気を振り絞って行ってみたのだ。
その結果これ。予想はついてたけど。
私は何も言い返さず、時が過ぎるのを待った。
「ねーねー、君、なんて名前?」
昼休み。1人の女の子が私に話しかけてきた。髪は結んでいて、顔が整っている。
同級生と話すとか久しぶりすぎて…どうやって話せばいいんだか…。
「…え……あ、……………」
めっっっちゃ静か。あー混乱してきた。
「あっ机の前に書いてた!!えー、高瀬 美音…めちゃくちゃかわいい名前だね!私は福川 真美!よろしくね!」
なにこの人…こんなに浮いてる私に話しかけてくるとか…早く帰りたい。
そう思っていると、真美という女の子は私の筆箱に入っていたカードを見た。
「あれ…?まって、このゲーム、えー…リズミンだっけ?今流行りの音ゲーの子だよね〜!名前って確か…木川 佳奈ちゃんだよね!?」
あ、持ってきちゃってた…私が大好きな音ゲー、リズミン。そのグッズ。
「可愛いよね〜この子!最初クールだと思ってたんだけど、めっちゃかわいくてー!」
ま、まって本当にそれな。凄く共感できる。
「私も…同じ……」
頑張って声を出した。これでも精一杯。
真美は私を見て嬉しそうにした。
「美音ちゃんとたくさん話したいな〜!また帰り話さない?」
「え……うん…」
少し嬉しかった。懐かしい記憶も蘇った。
…でも。
「えーまってよ真美。うちらと帰んないの?そんな転校生と話してもさぁ。」
多分真美の友達であろう子が割って入ってきた。あと転校生じゃないし。
「今日は美音ちゃんと帰ってみたくて。じゃあ明日一緒にかえろ?」
真美は頑張って説得をしようとする。その友達は半分諦めた様子でとぼとぼ帰って行った。
…嬉しかったけど、なんだか罪悪感。早く帰りたい。私はずっと、そう願った。
「あえ、帰り道違ったのか〜…ごめんね。帰ろうとか言っちゃって…」
放課後。どうやら一緒に帰る予定だった真美とは帰り道が別方向。運がない。
「じゃあ、また明日、昼休みでいっぱい話そうね〜!!」
そう言い残すと、私を振り返らず足速に去っていった。やっぱり最終的には1人か…。
考え事をしながら帰り道をゆっくりと歩く。今日は色々あったな〜。
「そこのお嬢さん。」
…男性の低くも高くもない声。近くで聞こえた。
「あなたですよあなた。高瀬 美音さん。」
びっくりした。いきなり私の名前を出されるとは思わなかった…。恐怖を感じながらも後ろを振り返ってみた。
そこには、白髪の黒メッシュで白衣を身につけている男がいた。明らかに怪しい。こういう時ってどうすれば良いんだっけ…?
「あなたに朗報です。君に話しかけてきた子、名前は真美さん…でしたか。あの子の裏アカウント、見たくありませんか?」
何が朗報なの…。それに真美って子の名前も知ってるなんて。怖すぎるでしょ…
でも、裏アカウント…その言葉には少し興味が湧いてしまった。
「う、裏アカウントってなんですか…嘘言わないでください」
恐る恐る聞いてみた。少し距離をとって。
「真美さんの裏アカウントです。おや、早速呟かれてますよ。あなたのこと。」
その男はそう言って、笑みをこぼした。
あとがき
こんばんは。氏神とうです。
今回も読んで下さり、ありがとうございます。
結構思いつきでじゃんじゃん書いたのでめちゃくちゃな点も多いかもですが、温かい目で見て下さい。
そして今回は絵も描いてみました。雑めですが想像しやすくなったと思います。
名前も変えました。
がみ→氏神とう
になりました。これからもよろしくお願いします!