どうも、今回は第5話冬彰デート回です!
※冬彰 ※年齢操作 ※年上受け
ー第5話ー
(彰人目線)
今日は思ったより早く仕事が終わったし、奇跡の定時帰りできそうだな…。
あれ?あそこにいるのって…?
「これを渡せば東雲先生も…ブツブツ」
「…青柳??」
「し、東雲先生!?」
「お前こんな時間まで何してたんだ?門限大丈夫か?」
「あぁ〜少しカフェで勉強していたら遅くなってしまって(先生との恋愛相談をしていたなんて言えない…)。あ、そうだ丁度いい」
ん?
「これ、駅前に新しいケーキ屋ができたっぽくて。そこのパンケーキ2つ無料券を貰ったんですけど、今度一緒に行きませんか?///」
「え、パンケーキか!?行きたい!!」
…あれ、でもこれって、デート??
(///ω///)ボッッ
「え…っと、青柳…。それって2人きり、だよな?///」
「え、はい。そのつもりですが…駄目ですかね?」
青柳が少し首を傾げ、困り眉でこちらを見つめる。…やめろ、俺はその顔に弱い///
「い、いや…良いよ///」
「本当ですか!?嬉しいです!」
「それじゃあ…今週の日曜、どうだ?」
「はい!楽しみです!!」
そして当日。
青柳とデート…。いや違う違う、パンケーキを食べに行くだけだ!!
[まもなく、2番線にーーー]
ドキドキして体も暑い…人が多いからか?/// …いや、緊張してるのか…///
[ドアが閉まります。ご注意ください。]
今回のデート、あいつ意識してんのかな?もし俺だけだったら恥ずかしいな…///
“さわっ…”
…ん?なんか尻に当たったか?
“さわっ…すりっ…”
違うッ…これ、人の手…ということは、
痴漢…!?
「君いくつ?大学生くらいかな?ボソッ」
ビクッ…
「可愛い顔してるよね…」
ゾクッ…怖い。アイツの言葉が蘇る。
『見た感じ、東雲くん可愛い顔してるし♡いい体つきしてるし♡』
吐き気がする。気持ち悪い。今すぐにでも叫びたいのに、声が出ない…!!
“スルッ…”
コイツっ…服の中にッ…!?
「あれ、もしかして濡れてる?笑」
“くちゅっ…”
やめろ、それ以上来るなッ…!
“ぬぷっ…”
「ん゙ッ…!?///」
必死で口を手で押さえた。
「感じてんの?可愛いねえ♡」
「んな訳ッ…♡」
“ぐちゅっ…”
「ひぁ゙っ!?///」
声が…勝手に…!?
やだ!怖い…!気持ち悪い…!!
助けてッ…司センパイ…青柳…!誰か…!!
「なに汚い手で人のモノに触っているんだ?」
え…?
「あ゙?んだてめぇ誰だよ」
「俺のことはどうでもいい。さっさとその手を離せと言っているんだ。次の駅で降りろ」
この、声は…。
[渋谷駅ー渋谷駅ー]
「チッ…クソが」
痴漢野郎はそそくさと降りていった。
俺たちもホームの隅へ避難した。
「…大丈夫でしたか!?“東雲先生”!!」
「あ、ああ…ありがとう、“青柳” 助かった笑」
「…そんな余裕そうな顔してーー」
青柳は俺を抱き寄せた。
「ーー震えていますよ、先生」
青柳の腕の中で感じた温かみに、俺は自然と涙が出てきた。
「…っ、あおやぎッ…おれっ…!」
「泣いていいんですよ、こんな時くらい…」
「…うっ、こッ…こわッかったぁ…!! またこんなことになるなんて…もう、何も信じられないッ…!!」
俺はそこで、今まで抱えていた気持ちを全て吐き出して泣いた。今回のことも、大学時代のことも。
(冬弥目線)
「…ぐすっ、ぐず…///」
「だいぶ落ち着いてきましたね」
「わ、悪い青柳…お前の服、濡らしちまって」
「そんなの良いんですよ。貴方の役に立てたのなら本望です」
何ならめちゃくちゃ嬉しい…。口が裂けても言えないが。
「ありがとう…みっともないところ見せちまったな」
「そんなことないですよ。…えっと、パンケーキはどうします?」
「…行くっ///」
可愛いっっ!!
〜パンケーキ屋〜
「うんっま!!」
「ふふ、良かったです」
可愛いな…さっきまで俺に号泣していたとは思えない。
でも、さっき泣いている時…
『“また”こんなことになるなんて…』
「また」ってことは、前にも同じようなことがあったってことか?…でもこれは、聞いていいのだろうか?更に傷を抉ることになるんじゃ…
「青柳…さっきは、本当にありがとな」
「え…?」
「俺、あんなに人に縋り付くように泣いたの初めてでさ。そんなだせぇことできないって思ってたんだけど…不思議だよな、青柳になら、もう何でも吐き出せる気がする」
「…!」
今この人の悩みを聞けるのは、俺だけ…。内に秘めている辛い事も、俺に話したら少しは楽になってくれるだろうか?
「東雲先生」
「あ、そうだ。プライベートのときは先生呼び外して欲しい」
「わかりました、東雲せ…東雲さん。…もしかしてさっきみたいな経験、他にもあったんですか?」
東雲さんは驚いた様子でパンケーキを食べる手を止めた。
「あぁ…やっぱわかっちゃうよな。あんなこと言ったら…」
「無理して言う必要ないですよ!?辛いことだと思うし…!!」
「良いんだ青柳。俺自身も、そろそろ吐き出さないとキツイから」
俺はふと、フォークを持っていた東雲さんの手に目を向けた。…消えかかっているが、彼の手首には微かに、何本か切ったかのような跡があった。…そんなに、辛かったのか。
「…今まですごく辛かったですよね。だからこそ、俺に全てぶつけてください。もう、貴方の苦しい顔を見たくない…」
「…! わかった。全て話す」
そして俺は、東雲さんの大学時代の話を聞いた。(第3話参照)正直今すぐにでもその先輩とやらをなぶり○しに行きたいところだが…東雲さんとの方が先だ。
「…話してくれて、ありがとうございます。東雲さんに、そんなことが…」
「ああ、悪ぃなこんな話して…気持ち悪いだろ?笑」
「そんなことないです!!気持ち悪いって思ったのはその先輩だけです!立派な強姦じゃないですか!? 」
「まあな…。でも合意がなかった証拠もないし、当時は男同士なんて有り得ない…みたいな風潮だったから、信じて貰えたかも怪しい」
「そんな…。何で、それで貴方が苦しい思いをしなければいけないんだ!」
「ありがとう青柳…。でももう良いんだよ。あの件のおかげで俺は、自衛の大切さを学んだ」
「勝手に相手を正当化しないでください。少なくとも俺は絶対許せない。いや許さない」
「青柳…何でそんなに…」
「何でってーー」
あの時の俺は、怒りで我を忘れていた。言葉のタカが外れていた。
「貴方が好きだからっ…!!」
東雲さんの表情を見て、今自分はとんでもないことを言ってしまったのだと理解した。
「あお、やぎ…?」
やってしまった。今東雲さんは恋愛がトラウマだという話を聞いたばかりなのに…!
「…悪い青柳。 俺は今触られるだけでも恐怖を抱くようになってしまっている。だから付き合ったとしても…お前を満たすことは出来そうにない。だから……すまない」
そういうと、東雲さんは席を立ち、お金だけ置いて行ってしまった。
ただ彼が席を立つ時、前髪で隠れてよく見えなかったが、彼の瞳から1粒の雫が零れ落ちた気がした。
ーENDー
はい、第5話終わりです!このあと2人はどうなってしまうのか!?
次→♡100(ちょっと上げます)
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