テラーノベル
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お風呂から上がってきた藍が、バスタオルを巻いたまま髪をタオルドライしながら近づいてくる。
「祐希さん〜、髪乾かして〜」
「お前、自分でできんだろ」
「できるけど、祐希さんにやってほしいねん。あかん?」
そのまま膝の上にちょこんと座る。
「座る準備万端かよ」
「うん♡動かへんから好きにしてええよ?」
「好きにしていい、ねぇ……」
ドライヤーを手に取りやさしく髪を乾かしながら、祐希はふと首元にキスを落とす。
「ちょ……!?そこくすぐったいやん……!」
「仕返し」
「やだー、俺が甘えたいターンやのに〜!」
「なら、おとなしく甘えてろ」
「はい♡」
祐希の手が藍の敏感な部分に触れる度に、藍は小さな声でくすぐったがる。
「うわっ、やめてや〜!そこ敏感やねんて〜!」
「乾かしてやってるだけだろ」
「そやけど……祐希さんが触るから……」
藍の言葉に祐希の悪戯心にスイッチが入り、つい首筋や耳元に軽くキスを落としてしまう。
「ひゃっ、ちょっ……やめや〜!くすぐったいって〜!」
「仕返しだって」
「もー、ほんま意地悪やなぁ……でも……なんか、嬉しいかも」
藍はそのままちょこんと膝の上に座ったまま、祐希にしがみつくように甘える。
「祐希さん……もっと、ぎゅーってしてええ?」
「いいよ」
祐希が藍をそっと抱き寄せると、藍は目を細めて安心したように顔をうずめた。
「ん〜、やっぱり祐希さんおると落ち着くわ」
「僕もだよ。藍がいると落ち着く」
「ほんなら、ずっと離れんといてな……?」
「任せて」
藍は嬉しそうに小さく笑い、膝の上でくるっと身を預ける。ドライヤーの音の中、ふたりだけの甘い時間が静かに流れていった。
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