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「ここが、ボクが作られたラボさ」
渡し守のボートから降りると、そこは灼熱の土地。白くて大きな建物が立っていて、四角いドアの上には「LAB」と看板がついていた。
「さあ、入って」
メタトンと一緒にドアの前に立つと、ドアは自動で開いた。
ラボの中には、大きなモニター、雑然とした机、冷蔵庫など様々なものがあった。
「散らかっているけど、気にしないで!インスタントラーメン食べる?」
そう言って、メタトンは冷蔵庫からインスタントラーメンを取り出すと、ポットで水を沸かした。
「メ、メタトン!か、勝手にインスタントラーメン作らないでっ!」
奥の部屋から白衣を着た黄色い爬虫類のようなモンスターが、慌てた様子で出てきた。
「ドクター・アルフィー、お客さんを連れてきたんだ」
メタトンはそう言うと私を指差した。
すると、アルフィーと呼ばれたモンスターはブルブルと震え出した。
「ももももっ、もしかして、ああああなたはニンゲン!?どどどどどうしよう!!」
アルフィーは気が動転してしまった様子で、手足をバタバタさせている。
「私はアリス。メタトンとは遺跡で会ったんだ。地上から来た本物のニンゲンだよ」
「それで、アリスをこのラボでかくまおうと思ってるんだけど…」
「うんうん、私も賛成っ!ニ、ニンゲンが1人でいたら危ないもんね!そ、そうだ!いいこと思いついた!」
アルフィーは机から2つの物を取り出して、私に渡した。
「ま、まずこの携帯電話、持っていて!これで、いつでも連絡できるし、何かと便利だよ!」
「ありがとう!…それで、これは?」
もう一つ、アルフィーに渡された物は…ネコミミ付きカチューシャだった。
「い、いや、これは別に私の趣味って訳じゃなくて…
いや、ちょっと私の趣味も入ってるけど…
こ、これをつけてたら、ぱっと見ニンゲンに見えないでしょ?
だ、だから、外を歩いても安心ってこと!」
なるほど、そういうことか。私は納得して、ネコミミ付きカチューシャを付けた。
「か、可愛い!みゅうみゅうみたい!」
アルフィーは楽しそうにピョンピョン飛び跳ねている。
「似合ってるよ、こねこちゃん!」
2人に褒められて、ちょっと照れてしまった。