コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
みこちに怒られちゃうな…
先ほどまで無断欠席のし過ぎで教師の説教を受けていたため、もうすでにオレンジの光が差し掛かっている廊下を早足に歩き、教室で待っているだろう恋人のことを考える
「今日記念日なのに本当タイミング悪すぎ…」
今日はみこちと付き合って二ヶ月記念日。
みこちに会うために学校に来てそのままデートする予定だったというのに今日は今までの分すべてまとめて怒られたのかとても長く、説教中はみこちとどこへ行こうなどしか考えていた事が顔に出たのか話を聞けと追加で怒られてしまっていた。
教室の前につき、ドアの窓から見える桜色のアホ毛に安心しながらドアに手をかけようとした時、しんと静まり返っている廊下に泣声のようなものが響いていることに気づいた
声はどうやら目の前の教室から漏れているものらしく
窓から除けば見えるのは先ほどみた桜色の後ろ姿。
一応確認するが他に人はおず、よくみると1番後ろの私の席にみこちは座っており、前のみこちの机には何かが置かれているようだった
私はドアを開けると、何事もなかったかのようにごめん、待たせすぎたと声をかける。それにみこちは慌てたように顔を隠し、そ、そうだかんな…!とよわよわしい言葉が返ってくる
「なにしてたの?」
「別に何も」
「じゃあこれは?」
「え?」
みこちに近づいてみこちの席に座ると、机にはすいちゃんとの記念日にしたいこと!!と可愛くデコられている大きな文字と下に細かくやりたい事が書かれているノートを見つけそれをみこちに指摘する
「あ!!?//」
出しっぱなしだったことに気づいていなかったのか泣き顔を隠すことも忘れ、耳までふんわりと赤くなったみこちはみるなぁ!かえせぇ!と手を伸ばしてくる
私はそれを拒否して内容を確認させてもらう
みこちがみないでぇ〜!!と言っている声を無視してノートに視線を移す。ノートの内容はたい焼きを食べる!カラオケ行く!など記念日じゃなくてもいいんじゃないかと思うものから温泉いきたい!海外旅行!など記念日ぽいものもあり、全部で100個以上あるのではないかと思う量の”すいちゃんとやりたいこと”が書かれていた
「…みこち」
「ん…?」
「なんで泣いてたの」
ノートの端には涙で濡れた跡と寂しいという一度消したんだろうなとわかる文字がみえた
「えっ…別になんでもない」
「ごめんね」
「なにが」
「またせちゃった」
「うん」
「これ記念日じゃなきゃだめ?」
「…ううん、書いてたら記念日関係なくたくさん思い浮かんできてとりあえずしたいこと全部かいた」
「じゃあ今日から全部しなくちゃだ」
「え?」
「全部しようここに書かれてること全部。」
「でもすいちゃんお化け屋敷とかいけるの?」
「え?そんなんあるの?」
「ほら、ここ」
「…これ以外全部しよう」
「じゃあこの野菜狩り体験もいこうね」
「待って待って野菜狩り??」
「うん。いろはちゃんから聞いた」
「ちょっとそれも…」
「あと、この……」
「え?まだすいちゃんが苦手なのあるの??」
「全部してくれるんでしょ?」
「やっぱり一回全部みてからでいい?」
「だめ」
でもなんでかな。みこちと一緒にって考えたら苦手なはずなのに楽しみになってしまう。苦手なこともみこちは楽しいことに変えちゃうから。
「みこち」
「んー?」
「好きだよ。ずっと一緒いようね」
「!?」
「み、みこも好きだよ!」
桜色の髪よりほんのり赤い頬をしたみこちをみていると自然と笑みが溢れてくる。好きだと何度も思う。
完全下校のチャイムが鳴る
「みこちとりあえずカラオケ行く?」
「え?今から?」
「じゃあたい焼きでも食べに行く?」
「でもご飯前だし」
「え〜」
これからしていきたいことを考えながらみこちと一緒に歩く。やりたいことは2人でゆっくり消化していけばいい。苦手なことも難しいこともみこちと一緒なら全部楽しくて忘れられない思い出になるから