No.4 花落ちる時、君想ふ。
9月4日
グガを家に連れてきてから3日
玄関に放り投げたビニール袋の中身を確認する。一輪の花が入っていた。
慌てて花言葉を調べる。
紫苑の花言葉
・あなたを忘れない
・遠くにある人を想う
ふと、意図的にこの花が選ばれたんじゃないかと思ってしまう。グガが、自分が死ぬことをわかっていて、この花を誰かに渡すために買ったんじゃないか、そんな馬鹿げたことを考える。
だとしたら…君はもう、この世にはいない
分かってた。だけど信じれなかった。いつもと同じ顔で、ただ動かなくて、目が開かないだけ。君は生きている。そう妄想している自分がこの短時間でとんでもないヤバいやつだと気付く。
今まで止まっていた涙が、異常な程に流れ出る。頬をつたる雫が思っているより熱くて驚く。涙腺切れるってこうゆうことかな、なんてくだらないことを考えながら
だんだん息が出来なくなる。
苦しい。苦しい苦しい苦しいッ
大好きな君はもういない。僕の名前を呼ぶこともない。あの瞳も、声も、表情も、全部全部、なくなっちゃったんだ。
ならせめて、形だけでも僕のそばにいて
君の好きな花も、毎日あげる。
だからお願い。僕の隣にずっとずっと…
冷たくて硬い手を握って、今日も君の隣で夜を過ごす。
🐻「ずっとずっと、一緒だからね」
ほんのちょっとだけ、君が笑っているように見えた。
3日目 終了
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