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「…なぁらん。」
もうひとつ聞いておかないと。
「なに?」
微笑みを絶やさない君に問おう。
「…異様に静かだけど、メイドとかは?」
その仕事があるなら、この大きな家を管理する人が居てもおかしくない。
なのに帰ってからも誰1人出迎えしない、
全員忙しすぎるのだろうか、それとも休みか?
それとも、嫌な予想が立ってしまった。
「…メイドか…家ではメイドも執事も雇ったことないからな~…。」
嫌な予想が見事に的中した。
嘘だろ。
冗談じゃない。だってこの大きな家を1人で住んで、1人で全部熟す?
「…お前実は超人なのか?」
今までこんな人材がいたなんて知らなかった。
他国にらんが回れば、間違いなくこの国は終わる。いや日本自体の破滅に繋がるかもしれない。それだけ、らんの存在はでかかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ごめんね、こんなんしか出せないけど。」
らんが出してくれた“手作り“料理はあたしの家にいる“一流シェフ“と変わらないような
イタリアン料理だった。
「…うまッ“」
メイドも執事もシェフもいない。
誰に教わったんだか、、、。
「なぁらん、」
ほんと、心配になるし。
「あたしの家で住まない?」
らんの身の安全も、仕事も全部支えなければならないと思う。
あたしなりにいい提案だと思ったけど、らんにとっては嫌なことなのか、ずっと絶やさない微笑みを崩した。
「ぇ、ぁ…ごめん嫌だった?」
そう聞くと自分が嫌な表情をしていたことがわかったのか、嘘だとわかりやすい微笑みを返してきた。
「任せます…ニコッ」
普段、人とあまり接触がなく、話す時も人の目や表情などをみて、顔色を伺っている。
もしかしたら、らんは人との接触が嫌なのか?
それとも…。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
半ば強引かもしれないが結果あたしの家に連れることにした。
「部屋の配置は覚えた?」
「…うんニコッ」
いや絶対うそだな。
70近くある部屋を覚えるのは困難だ。
あたしでも覚えるのに1年はかけた。
「…じゃ後でリビングに。」
「わかった。」
らんの向かう方向は自室。
仕事か…、?
メイドにらんのことを気にかけるよう、一応手配はしておくか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
m「らん様、失礼致します。」
m「あれ…いない…?」
<らん様ぁ!?
m「ぇ?」
合計72名のメイドがいるが、
厨房、清掃などを除けば世話係は20数名だ
その中の5名程をらんに派遣させた。
だが、先程から騒がしい。
なんの用かと思い、見に行くと、書斎で本を読んですぐ仕事してを繰り返すらん。
これが普段のらんだろう。
だが、一切こちらが見えていない
「らん?」
…なるほど、
らんがメイドなどを雇わず1人で住む理由がわかった。集中力が怖い。
多分、仕事が一段落ついて、落ち着いたら食事を摂るなどという生活か?
だが、もうシェフの用意した料理ができる。
「らん、ご飯できたよ?」
「……チラッ」
やめて、パソコンの隙間からの上目遣い。
「…行く。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…らんのご飯の方が美味しかった…」
ほぼ同じ料理を出されたが、らんの方が美味しかった。コクも深みも苦味も全てが整っていた。
「うん、らん好き!」
やっぱあたしが選んだ最高の子。