あの、ということは結構知れ渡っているのかもしれない。
「か、数々のご無礼お見逃しを!」
オーク王がひざまずいた。オーク王はおびえきっているようだった。
「はあ?魔属性のスライム?デマに決まってんだろ」
「何を言っているゴブリン王!デマなわけない!この方は中級魔法すらも無傷でしのいでしまわれたのだぞ!」
「だ、だからといって…俺は部下のこと、許さないぞ!」
ミリカは足元のゴブリンを見た。
確かに、部下を殺られたら怒るよね。
「わかった、ちょっと待って」
魔物は聖属性魔法に弱いのが特徴だ。回復魔法もそのうちの一つに入る。
きっと、回復魔法をかけたら死体がドロドロに崩れて実体がなくなると思う。どうしようか
「うーん、回復魔法は駄目だし…あなたたちって魔属性だよね」
「いえ、違います。私たちは闇属性です」
「闇属性!なんだそれ!?」
「…ねえ、闇属性に魔属性魔法をかけたらどうなるの?」
「…わかりません、耐性はあるかもしれませんが、きっと完璧にマッチはしないと思います」
「そうだよね」
「じゃあ、このスライムをあげるから、ここに適当な闇属性魔法を入れておいて!」
オーク王は半日くらいかかった。
「はあはあ、これでどうでしょうか?」
「うん!OK!」
スライムきびだんごの完成だ。これをミリカが食べるのだが…
「おいしくない…」
やっぱり、変な味がして気持ち悪かった。
…アスバルトの気持ち、わかったよ
「でも、これで闇属性が手に入ったから、これと、回復魔法を出して…」
ミリカは右手に闇属性魔法、左手に回復魔法を、空中に魔属性魔法瘴気を出した。
「えっと、瘴気と回復魔法を混ぜて、それと闇属性魔法を混ぜれば、完成!」
闇属性回復魔法《ダークネスヒール》の完成だ。
「これをゴブリンにかけて、OK!」
ゴブリンはゆっくりと起き上がり不思議そうに顔を見合わせた。
「…まじかよ」