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※kidがngoに恋する話
※そういうシーンは一切ありません
※シリアス(人によってはしんどいかも…?)
苦手な人は自衛お願いします🙇♀️
【第6話】
「ありがとな」
「でも、
ごめん」
「………っ、」
「…、だよね、」
分かってた
………知ってた
恋愛対象に入ってないことぐらい、
知ってた………
「ありがとう、聞いてくれて」
「……あいよ」
言えてよかった
伝えてよかった
お互い生きてるうちに、言えて
伝えればよかったって、後悔する前に言えて
……
…れ……
あれ………
僕の視力って、こんなに歪んでたっけ…
「っ……ぐ……っぅ゛……」
いつの間にか、僕の口から嗚咽が漏れていた
自分が泣いてることぐらい分かってる
胸が締め付けられて、身体を丸めずにはいられないことも
分かっていても、制御出来ない
こんなの見せたら、困らせちゃうのに
もう恋人にはなれないんだと、分かってしまったせいで
可能性を、ゼロにしてしまったせいで
拒絶されたような気持ちになってしまう
明日にはこの関係が壊れてしまうのが怖くて、
色んな感情が渦巻いて、せき止められなくなる
「……っ゛…わがっでだ……」
「わがっでだのに゛……っ゛…」
情けない声がどんどん漏れる
これ以上、情けない姿を晒したくないのに
断られても、しょうがないと思ってたはずなのに
そう思えば思うほど、僕の気持ちとは裏腹に、嗚咽や涙がどんどん溢れてくる
ああ、…僕って自分勝手だな……
勝手に感情ぶつけて、勝手に泣いて
嫌われちゃったよね………
僕の丸い背中に、景が手を置いた
「悪いけど、晴の気持ちには応えられない」
さっき聞いたよ…
「けど」
「嬉しかったぞ」
……!
やめてよ……
引っ込む涙も引っ込まなくなっちゃうじゃん………
「うぅ゛…ッ……っ」
僕が落ち着くまで、景はずっと隣に居てくれた
目も眩むほどの燃えるような夕日が沈んで、
辺りが暗く、静かになるまで
【涙を涸らす程の、優しさ】