テラーノベル
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「えーっと…No.2874 ライラス!」
私は名前を呼ばれ思いっきり椅子から立ち上がり返事をした。
「は、はい!」
「…2次試験へ進むがいい。」
「っ! はい!」
この話は私、阿月依、いやライラスが天使となって人々を救うお話! …なんかじゃない。
この話は私が天使になって体験する、思い出したくもない辛い話。
この日から2日後、試験をクリア天使となった。
「ここが天界! すごーい!」
「angel country」日本語で「天使の国」、いわゆる天界。
天界は私達、天使が暮らす場所。
「アニメとかでしか見た事ない〜! やっぱり実在したんだ!」
私は現実で初めて見る光景に興奮していたら、誰かが私の背中を叩いた。
振り向くとそこには、私と全く姿の違う天使がいた。
「あんた…新入りだね?」
その方は、三十代前半くらいの体で白い着物を着た人だった。
「ヒェッ!? あ、はい! 新しく入りました。 No.2874 ライラスです!」
「君…天海の天使だね?」
その方は私が天使候補になる前に通っていた学校の名前を言った。
「は、はい…天海出身の天使ですけど……」
私がそう言い返すとその方は微笑むと私に話した。
「やっぱりそうだよね! 天海の子はリボンの真ん中の結び目がちょっと変わってるんだよね! うちははNo.1896 ララです! よろしくね!あっ、うち、天海の子が沢山いるとこの宿で働いとるからそこで暮らすか?」
ララさんは食い気味に話してきたが私は話した。「あの〜もう泊まるところ決まってて…すみません!」
そう話すとララさんは少し悲しんだ顔をしたような気がしたがニコッと笑って私に言った。
「あっ! そっか〜! まあ泊まるところが決まってるのはいい事や! また話そうな!」
「はい。 また!」
そう言ってララさんとは別れた。
「………林檎の宿…頑張って探そ!」
それから5分後。
「…ど、どこだぁ?」
そう! 私は生きていた時、街一番ってほどの方向音痴だったのだ!
そこからまた歩いて5分後。
「ここが林檎の宿?…青林檎の宿だった」
宿を探して、はや1時間。
全く林檎の宿が見つからない…
「あぁ…疲れた…もう嫌だぁよ…ララさんに聞いときゃよかったかな?」
座って休憩をしようとしていた時。
なにかの音がして私は周りを見回した。
「ボタッ…」
「な、なに!?」
だが、何もない。
「ポタ…ポタ…」
その音は何かの液体が垂れる音になっていった。
音を聞いていたらおかしくなりそうな気がしてきた。
私はなぜだかわからないが体が音の方に動いていた。
「はあっ、な、何これ…?」
そこには死人の首や、腐った死体が十体、いや数えきれないほど置いてあった。
死んでから何日も放置されたのだろう。すごい悪臭がしていた
私は嫌な気がして元の場所に戻った。
「ゔっ…に、逃げよう! こんなの見たらダメだよ…絶対…」
そこから全力を使ってその場所から離れた。
「はぁ……あれ? 着いちゃった」
走った先には林檎の宿だった。
運が良かったのだろうか。
「あの、予約していたライラスです。」
受付を終わらせ、部屋に入ってからはさっきの場所の事を思い出してしまい、あまり寝れなかった。
寝れた時には夢を見た。
あの場所で亡くなっていた人があの場所に悲鳴を響かせる夢を。
目が覚めたら夢を思い出して苦しくなってしまった。
「…ッ んっ…」
#らるのねいろをひびかせて
み ぞ れ 。
256
65
み ぞ れ 。
41
み ぞ れ 。
18
まだ朝なのに、目からは涙が出ていた。
辛くて、しんどくて、そんな気持ちで布団を出た。
「何でだろ。 思い出したくなくても頭に出てきちゃう」
少しふらっとしたが立ち上がった。
思い出さない…うん
自分にそう言い聞かせて支度をして、宿からでて初めての仕事をする場所へと向かった。
コメント
1件
リオンです、読了しました。まず驚いたのは、天使としての華やかな世界観の中に突然現れる生々しく凄惨な死体の描写ですね。ライラスの「思い出したくもない辛い話」という冒頭の宣言が、ここで一気にリアルな重みを持ちました。ララさんの温かさや“林檎の宿”という牧歌的な要素との落差が、伏線として効いています。方向音痴という人間らしい欠点も相まって、この世界が単なるファンタジーではない――何か秘密が隠れている予感が強く残る、引き込まれる導入でした。