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誰にも相談できない悩み。
でも誰かに聞いてほしい。
この矛盾した気持ちで心が苦しくなる。
誰に相談したらいいんだろう。いや、もしかしたらそんな人いないのかもしれない。
「どうした?クロス?なんか顔色悪いぞ?」
「えっ?あぁ、ごめんちょっと考え事してて・・・w」
時間が経てば経つほどこの悩みはどんどん大きくなって、体も心もなんだか疲れている気がする。
最近寝不足だし、体調不良で休んだり早退することが増えたし。
やっぱり、早めに先生に相談しておいても良かったかもしれない。
「大丈夫?一応保健室行ったら?」
「うん、そうするよ」
重い足取りで保健室に向かう。
・・・そういや保健室の先生に相談する、っていう方法もあったな。早退はよくするけど正直そんな保健室使うわけじゃないから、今後気まずくなることもないだろう。
ガチャッ
「失礼しまーす」
「おっ、どうした?bruh?」
あぁ、そういや保健室の先生変わったんだったな。去年までいた人が退職して、今の先生が来たんだっけか。名前が確か・・・エピック先生、だっけ。
「ちょっと体調不良で・・・」
「おーそうかw んじゃとりあえず熱測っといてー」
なんか・・・チャラい感じの先生だな。前の人は結構怖かった覚えがあるけど、これはこれでなんか・・・うん・・・
「ん?どうしたbruh?俺の顔になんかついてるか?」
「あっ、いえ何も・・・」
ピピピッピピピッ
「うげっ」
熱〜〜〜微熱でごまかされないレベルの熱〜〜〜〜(泣)
「何度だった?」
「38.6・・・」
「あー・・・早退だなぁこりゃ」
帰りたくねぇ・・・今日の給食好きなやつだったのに・・・
「とりあえず親が迎えに来てくれるから、先生と一緒に待っとこうぜ☆」
「はい・・・」
とは言ったものの気まずいな・・・
何か話題何か話題・・・
最近流行りかけのミームがあって〜
いやいやこんな話先生わかんないだろ。海外のユーザー層が多いとこで流行りかけのだし・・・
ていうかそこに俺と同じ言語使ってるユーザーは俺が知ってる限り1人しかいないし()
2chが〜
これも同じだろ!!てか2chのこと知らなかったら一から説明しなくちゃだし面倒・・・
掲示板で〜みたいなのにすればいいけどそもそも内容が濃すぎるスレ多いし・・・
今日の給食が〜
よ く あ る 話 す ぎ る(?)
無難オブ無難。
んんんんんんんんんんん話題がない・・・
先生との会話の仕方を模索して悩む俺と、俺がさっき書いた紙に目を通す先生。
おもむろに先生が自分がいるソファの隣に来たかと思うと、
「・・・なぁ、クロスだっけ?」
「え、はい?」
「なんか悩み事あんの」
「へっ?」
「だって、悩み事ありますか〜ってとこ、『はい』に丸してんじゃん」
マジかよ・・・無意識に「はい」に丸してたの俺・・・?
「・・・言いたくないなら無理して言わなくてもいいんだぜ?」
「ぁ、えっ、と・・・」
どうしよう、先生は言うのは無理強いしないでくれるけど・・・
ここで言ったところでなにか変わるわけじゃないだろう。けど、ここで言わなかったら変わるものも変わらない。そんな気がする。
「あの・・・すごく変なことを言ってもいいですか?」
「あぁ、いいぜ」
先生は頭の後ろで腕を組み、俺からの言葉を待っている。
緊張する。ここでも否定されたらどうしよう。怖い。
「・・・俺・・・男ですけど、多分、男のことが好きなんです」
「へぇ」
「でも、誰にも相談できなくて・・・みんなから気持ち悪いって思われるんじゃないかって怖くて・・・」
「そうなのかいbruh」
言った、言ったぞ俺・・・
先生はずっとこちらを見つめてくる。
「やっぱり、先生も変だと思いますよね、急にこんな話・・・」
「いやー別に男が男のこと好きになってもいいと思うけどなぁ」
「えっ?」
今、なんて?
「俺は『好き』っていう気持ちがあれば性別とか関係ないと思うぜ。ま、俺の勝手な意見だけどな」
そう言いながら先生はソファを立ち自分の机に戻る。
その言葉を聞いて、俺は心底ホッとした。と同時に少し涙が出てきた。
「!? な、泣いっ・・・ど、どうしたbruh!?」
「いや・・・そんな事言われたの初めてで・・・引かれなくて良かった・・・」
「・・・」
溢れてくる涙を拭っていると、先生は俺の頭を撫でながら一言、こういった。
「また何か話したいことがあったら、いつでも来いよ、bruh」
「はい…!エピック先生!」